§::万華鏡∞日記::§

「定期記事」で①きょうの運勢②首相日録③きょうの言葉④DMMFX要人発言が主です。その他「映画」「音楽」「書籍」の紹介文や、雑記もあります。

【書籍】話題の本をピックアップ!ぜひ、ご紹介します!?/2022.11.21。(´・ω・`)


こんにちは、ハクです。


試しに、日曜日にあります、書籍紹介の新聞2版があります。
あまりにも多いのですが書籍を「評」する紹介文がありまして、よく読んでみています。
参考には良いと思い、出してみました。

このように記入すると時間がかかり、6冊しかできませんでした。すみません。
どうぞ、ぽちっと「折りたたみメニュー」をお願いたします。


 ◇

【著者とひととき】
小田急百貨店の展覧会』…「新宿西口」全体を考察
    志賀健二郎さんさん


★★★★[ 紹介文はこちら ]★★

  戦後日本の消費文化の一翼を担った百貨店。そこで開催される展覧会は、国公立の美術館とは違う形での文化インフラの役割を果たしてきた。小田急百貨店(東京)で長く展覧会の企画運営に携わった志賀健二郎さんの新著は、催事という視点でたどる百貨店文化史であり、百貨店を含めた「新宿西口」という場を考察した都市論でもある。

  きっかけは、新宿西口のシンボルだった小田急百貨店新宿店本館の営業終了のニュース。「百貨店の展覧会は質が高く、内外の優れた美術品のほか、漫画や写真、ファッションなどのサブカルチャーも先駆的に扱った。公営の美術館で予算がつきにくい新人アーティストの発掘を担ったのも百貨店。それらを記録に残すべきだと思った」

  もう一つの理由は、副題とした「新宿西口の戦後50年」について書きたかったからだと言う。

  小田急沿線の街で育った志賀さんが小田急百貨店に入社したのは高度経済成長末期、本館の全面開業から約7年の1974年。現在は高層ビルが林立する新宿副都心は「空地の方が目立つような状態だった」と話す。

  新宿駅地下1階の西口広場から副都心方向に目を向けると、今もトンネルの暗闇が広がる。「当時はその先に繁栄があるという共同幻想があった。闇の向こうに、世界中から人が集まる米ニューヨークのような街が誕生すると希望が持てた」。だがバブルが崩壊すると、百貨店業界は低迷。軌を一にするように、トンネルの暗がりには路上生活者(ホームレス)の「段ボール村」ができた。

  「歌舞伎町のある新宿東口のような猥雑さも活気も生まれなかった。西口の新都心計画は端的に言って失敗」。だが今、まだ再計画が進む。小田急百貨店新宿店の跡地には、高さ約260㍍の超高層ビルが建つ予定だ。隣接する京王百貨店なども順次取り壊され、一帯は大きく再編成される。

 「その前に検証が必要。古くなったから取り壊しでは意味がない。今度こそ、活気ある創造的な場を生み出してほしい」。百貨店と新宿を見続けてきた志賀さんの願いだ・

(「小田急百貨店の展覧会」は筑摩書房・2420円)


【読 書】
『愚者の階梯』…不穏な時代の探偵小説
松井今朝子(まつい・けさこ)
1953年京都市生まれ。作家。「東洲しゃらくさし」で小説デビューし、2007年「吉原手引草」で直木賞を受賞。


★★★★紹介文はこちらです★★

 評・立川談四楼(落語家)


  著者の昭和3部作の完結編だが、第2作を読んでなくても十分楽しめる。

  昭和10年満州国皇帝溥儀が来日し、歌舞伎の名作「勧進帳」を鑑賞。上演は成功するが、セリフが不敬だと国粋主義者が乱入し、小説が熱を帯びる。

  その最中に歌舞伎主催者の一人が無体装置に首をつった姿で発見され、事故か自殺か他殺かとなり、桜木探偵の登場だ。

  この探偵は大学講師であり、江戸の狂言作者の末裔なのだが、この人物造形がいい。ズバッと推理する人ではなく、慎重に繊細に時に小心に、ついては3体に及ぶ遺体の謎に迫るのだ。

  築地署の刑事・薗部にも好感が持てる。ボーっとしているように見え、煮え切らない。しかし真実を見抜く目は確かで、桜木と手を携え、ゆっくりとしかし確実に真相にたどり着く。

  読者は昭和10年の東京を体験する。活動写真は無声映画(サイレント)から発声映画(トーキー)となり、多くの活動弁士が失業する。彼らの行く末はどうなるのか。そしてスタアたちはうまく乗り換えられるのか。興行の世界はどういう人たちが仕切ってゆくのか。

  街には軍人が闊歩し、威張っていて、うっかありものが言えない雰囲気が漂う。そんな中、桜木探偵の職場とも関わる美濃部達吉博士の「天皇機関説」がまたたくうちに否定されてしまう。長く常識であったものが簡単に覆される現実に、探偵は恐怖を覚える。

  そういうギリギリの時代である。何しろかの大戦はこの数年後に起こるのだ。それでもまだかろうじて歌舞伎は継続され、桜木探偵と薗部刑事が事件と真剣に向き合う姿に引き込まれる。

  探偵小説ファンも大いに満足することだろう。それにも増して、芝居や歌舞伎好きの人は大喜びだろう。この時代にどんな催し物がかかり、どんな役者が活動するかを知ることができるのだから。

  読者はふと足を止め、今と似ているぞと思う。それが著者の意図するところかは分からぬのだが。

 (集英社・2090円)


【読 書】
『赤の自伝』…古代と現代 奇跡の併存
アン・カーソン(ANNE・CARSON)
1950年カナダ・トロント生まれ。詩人、古典学者、翻訳者。英語圏を代表する詩人とされ受賞多数。


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 評・阿部 公彦(東京大教授)


  詩は文学で最も古いジャンルと言われるが、かつては今と異なる役割を持っていた。古代の詩は祭儀や伝承などと結びつき、人々に共有されて共同体の地盤を強固にした。これに対し、近現代以降の詩は個人を集団から解放する。語られるのは人に言えない葛藤や秘密、心のミステリー。プライベートな領域が直接、読者個人に訴える。

  面白いことにアン・カーソンの「赤の自伝」では、一つの詩の中で二つの世界、すなわち古代と現代とが併存する。この奇跡的なブレンドが不思議な魅力を生み出すのである。

  下敷きとなるのは、古代ギリシャの詩人して市殺すの叙情詩「デリュオン譚」。怪物デリュオンが英雄ヘラクレスによって家畜を盗まれた上に殺害されるという物語である。古典学者であるカーソンならではの設定だろう。

  しかし、「赤の自伝」では、この古代世界がタバコやカメラから電話やタクシーまで出てくる、卑近な現代の風景に置き換えられている。

  中心にあるのは、兄に性的に陵辱され母にも放置された主人公の少年ゲリュオンが、やがてヘラクレスという少年と恋に落ちる恋愛譚である。

  心に残るのは、少年の心の微妙な動きを捉える目だ。カーソンの筆致には軽妙な滑走感があるが、その遊び心が、時に痛みやヒヤッとする闇の予感を捉える。身近な世界が、つかの間、遠く見える。胸を突くそんな鋭い刺激に、珠玉の詩の味が詰まっている。

  神話が下敷きと言うとつい身構えてしまうが、T・S・エリオットやジェームズ・ジョイスの作品がそうであるように、下敷きの神話から自在枠を超え、声も目も誰のものか分からない。

  そんな流動的な語りを実現できたのは、その想像力が、詩がまだ個人の所有物でなかった時代に遠くつながるからだろう。

 (小磯洋光訳、書肆侃侃房・2420円)


【読 書】
ウクライナの夜』…マイダン革命 実地検証
マーシ・ショア(MARCI・SHORE)
1972年生まれ。米イエール大准教授。


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 評・松里 公孝(東京大大学院法学政治学研究科教授)


  ロシアのウクライナ侵攻によって、ウクライナ動乱の出発点となったユーロマイダン革命への関心も高まっている。ユーロマイダン革命とは、2014年にヤヌコビッチ政権を打倒した街頭抗議行動を指す。本書は、無数の面談に基づき、革命参加者の生の声を伝えている。

  この革命において、文系、(やや意外だが)理系のインテリと、既存体制の賄賂無心に怒る中小ビジネスマンが大きな役割を果たしたことはよく知られているが、本書の主な登場人物もこの扶突の社会グループである。

  ウクライナ民族主義ユダヤ人の関係は悪いと考えられがちだが、本書は革命側に立ったユダヤ人を多数紹介している。

  革命後のドニエプロペトロフスク州では、ユダヤ系大富豪のイーゴリ・コロモイスキーが知事に任命され、私費を投じて軍事組織をつくった。著者は同州にも足を延ばし、愛国的ユダヤ人たちにインタビューしている。

  本書は、ユーロマイダン革命をネオナチ運動とみなすロシア側の公式見解と、合理主義的な欧化運動とみなすリベラル側の見解の両方を退けて、革命推進者の心理を理解するツールとして、J・P・サルトルアルベール・カミュに代表される実存主義を採用する。

  実存主義とは、1960年生まれの私から見ても古色蒼然たる思想である。しかし、「もし君が僕のために死ぬならば、僕も君のために死ぬ」という連帯の経験そのものが、、革命の目的から独立した価値になるという本書中で繰り返される証言には説得力がある。

  ユーシェンコ政権を成立させた2004年のオレンジ革命に参加した中年世代が、革命後の弛緩を戒めるなど、世代論も面白い。

  反面、マックス・ウェーバーの用語を借りれば、究極の心情倫理、結果無責任の人々による革命は推進されたわけで、この出来事がその後のウクライナの苦難の原因になったのも当然と言える。

 (池田年穂訳、慶應義塾大学出版会・2750円)


【読 書】
『ミラノの森』…扉の奥 あやなす光と影
山本 浩二(やまもと・こうじ)
1951年大阪府生まれ。画家。ミラノを拠点に制作を続ける。石川、大阪、兵庫など国内各地で個展を開催している。


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 評・徳井いつこ(作家)


  美しい本だ。裏返し、カバーを外し、ページを繰る指をとめ、写真を眺める。まだ見ぬ家にそっと足を踏み入れるように、誘われてゆく。

  じっさい読者は、イタリア・ミラノに30年暮らしている画家(著者)の背中に隠れて、あちらこちらと歩きまわる。カフェ、リストランテ、劇場、モザイク工房、友人の家…。わくわくしつつ、ときにどぎまぎもして。

  というのも、そこは映画監督るきーの・ヴィスコンティの実家である中世のミラノ領主の屋敷だったりするからだ。

  「ミラノの扉の奥には深い森がある」と、著者は言う。

  それは文字どおりの森、また、時代の森、出会ったひとりひとりの光と影があやなす人生の森でもある。

  自作のファイルを持ってパリで90軒、ニューヨークで120軒の画廊を回ったという画家の人生においても、光と影のダンスは展開される。

  もっと手に入れた有名ギャラリーとの契約が不運な成り行きで次々消えてゆく。

  「心の闇に落ちることもなく、そういうことかとあっさり感じたが、現実は何も変化せず」―。

  簡素な筆運びに、いつしか読者は、本人になったかのように空を見上げている自分を発見する。

  そして、現在するイタリア最古の美術書店から本の出版と記念展覧会をオファーされた時、世界に通用するミラノの大ギャラリーでとうとう個展が開かれた日…。生きているという不思議な浮遊感がやってくる。

  「絵は描かれた世界の情報ではない」と、画家は言う。

  文もまた情報ではない。ということを肝に銘じている人によってこの本は書かれているのだ。

  「自分の仕事を世界の深部に届かせたければ、少なくとも十年の時が必要だ」

  ミラノの霧の中からあらわれる事物のように、ときおりはっとする文章に出合えるエッセー集だ。

 (羽鳥書店・2640円)


【読 書】
『戦国城郭に秘められた呪いと祈り』…武将の心 信仰から読む
小和田哲男(おわだ・てつお)
1944年静岡市生まれ。静岡大名誉教授。日本城郭協会理事長。日本の戦国史が専門で、「駿河今川氏十代」など著者多数。


★★★★紹介文はこちらです★★

 評・千田 嘉博(城郭考古学者)


  いま、お城ファンが増えている。ファンにとって白の探訪は楽しいひとときである。現地を訪ねて店主や城門、石垣や堀を観察すれば、城はもちろん、その城を築いた武将まで分かった気になる。

  著者は、戦国武将と白の研究をリードしてきた第一人者だ。武将や城に関心を持つ方はすでにご存じに違いない。本書で著者は、戦国の武将たちが、天守や石垣などの目に見えるものだけでなく、さまざまな呪(まじな)いや祈りによっても城を守ろうとしたことを、わかりゆすく説いている。

  戦国時代の城はどこにつくるかという段階から、信仰と関係があった。聖地を選び、目には見えない神や仏の力でも守ろうとした。例えば城の中心から北東の方向は悪いものが忍び寄る「鬼門」と信じられたため、城壁を内側に折り曲げたり、鎮守を祭ったりして、鬼門の災いを避けていた。

  また城を訪ねると、しばしば城門脇の石垣に巨石を用いた「鏡石」や、墓石や石仏を石材として使った「転用石」を発見する。一見するとこれらは権力の象徴であって、呪術や祈りとの関係は指摘されてこなかった。

  ところが著者は、巨石は古代以来の石信仰「磐座(いわくら)」に基づいたものと推理し、墓石や石仏は上下を逆さに積んだので「けがれの逆転」で城を守ったと解釈した。大変魅力的な説である。ただし城の「鏡石」が信仰の対象とされた確実な史料はなく、また墓石の「転用石」は必ずしも上下逆さに積まれていないので、新しい解釈にはなお検証が必要に思う。今後、各地の城で検討が進むことを期待したい。

  本書は、城に関わる呪いと祈りを網羅的に考察したことで、城から武将の心を読み解くための全体像を丁寧に示した。そして、これまでの重要論文を適宜引用するので、さらに深く研究したい人のよき道しるべになっている。

  呪いや祈りに関心がある方、一歩踏み込んで戦国の城を知りたい方に、ぜひお薦めしたい。

 (山川出版社・1980円)


 ◇


今回もどれも読みたいと思います。その書籍の紹介文はなるほど、読みたくなるのはすごいものです。これもアフィリエイトのための文章力(ライター?)の参考のために読み続けます。では、失礼しました。


(´・ω・`)
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