§::万華鏡∞日記::§

「定期記事」で①きょうの運勢②首相日録③きょうの言葉④DMMFX要人発言が主です。その他「映画」「音楽」「書籍」の紹介文や、雑記もあります。

【書籍】話題の本をピックアップ!ぜひ、ご紹介します!?/2022.12.12。(´・ω・`)


こんにちは、ハクです。


試しに、日曜日にあります、書籍紹介の新聞2版があります。
あまりにも多いのですが書籍を「評」する紹介文がありまして、よく読んでみています。
参考には良いと思い、出してみました。

このように記入すると時間がかかり、6冊しかできませんでした。すみません。
どうぞ、ぽちっと「折りたたみメニュー」をお願いたします。


 ◇


【著者とひととき】
『キリンのひづめ、ヒトの指』…ジレンマがいとおしい
    郡司 芽久さん


★★★★[ 紹介文はこちら ]★★

  ハリネズミやパンダなど、一風変わった進化を遂げた動物の特徴は、児童書やテレビのクイズ番組で、その場限りの雑学として消費されてしまいがちだ。比較解剖学者の郡司芽久さんの新著は、それらとは一線を画す。生き物の進化の面白さに、それを解き明かした人間の科学的な営みの魅力を合わせ、体系的に伝えることに成功している。

  「例えばキリンは、地球上で最も高血圧な生き物です。それだけではトリビアで終わりなのですが、誰がいつ、どうやって測定したかという話になると、途端に人間の科学の話になる。そこまで理解した方が、知識としての意義も味わいも深い物になると思います」

  比較解剖は、死因を調べる病理解剖とは別の分野だ。動物の体の構造を比較し、骨や筋肉から進化の歴をたどる。本書は、その知見を平易に紹介するエッセー。中でもキリンは、その特徴的な模様や長い首、角から、胃の中にすむ微生物、生きる上で意味のない「デッドスペース」まで、あらゆる側面を解説する。

  解剖学と出会ったのは大学1年の時だった。「大好きなキリンの研究をしてみたい」。漠然とアフリカでの調査を夢見ていたが、キリンの解剖に招かれたことが、この道を進むきっかけとなったと振り返る。国内の動物園では、毎年15~20頭のキリンが死んでおり「弔いにもなる」と思った。

  仮説段階の議論を数多く収録した点も、読みどころ。キリンの首が長い理由にも、様々な仮説があると言う。「キリンなんて有名な動物のことは、全部わかっているんじゃないかと思われがちなので、意図的に盛り込みました。まだ分からないことを楽しむのも、科学の魅力ですから」とほほ笑む。

  「キリンって、いろんなジレンマを抱え込んでいるところが、すごくいとおしいんです。血圧も高くて、決してすべてが完璧な生き物じゃない」。そしてそれば、人間を含めた生き物全般に当てはまることでもある。「解剖学を学んで一番良かったことは、自分の体の不思議にも、愛着を感じるようになれたことです」


(「キリンのひづめ、ヒトの指」はNHK出版・1650円)


【読 書】
機械仕掛けの太陽』…コロナ下 光り輝く連帯
知念実希人(ちねん・みきと)
1978年沖縄県生まれ。作家、医者。2012年「誰がための刃で単行本デビュー。「硝子の塔の殺人」など著者多数。


★★★★紹介文はこちらです★★

 評・出口 智之(東京大准教授)


  こんな小説を持っていた。

  2020年1月に始まった、新型コロナウイルス感染症の流行。今も続くこの苦しい戦いの軌跡は、誰もまだ記憶に新しいだろう。社会全体が迅速な対応と急激な改革を迫られ、それぞれに困難を抱える中で、医療移住者たちが特に厳しい環境に置かれたことも、また周知のとおりである。

  そうした緊迫感に満ちた医療の現場を、閉塞状況の描写にすぐれた腕を持つ著者が、大学病院の勤務医・ナース・開業医の3人の視点から描き出したのが本作である。

  もちろん、実際に医療現場に立った当事者の体験は、ブログや報道などでも容易に読むことができる。だが、それらが持つ個人的な性質を超え、さまざまな要素を集約的に取り込んで純化された文学の言葉は、多方面に通じる普遍性を備えている。

  読者は、個々の事情や立場を抱えながら感染症に向き合う3人の物語に、ひりつくような緊張を感じつつ、同じに現実の自分とも向き合うことになるだろう。あの時、私はどうだったのか―と。

  本作はいわば、解決のないミステリーだ。"犯人"のウイルスが、この先どう動き、いかに取り押さえられるのか、まだ誰にも分からない。その意味で、個人ギリシャ演劇の終盤に登場し、困難を一挙に解決する「機械仕掛けの神」を題名に響かせているのは含蓄
が深い。本能も感情も持たない機械のようなウイルスは、解決どころか状況を混乱させるばかりで、神なき現代社会は迷走するし
かないのである。

  しかし、だからこそ3人の懸命な姿と、彼らを支える周囲の人々は光り輝く。何が真に有効で、どれが事態の沈静化に寄与するのか、最終的な評価は歳月に委ねるほかない。そんな不安定な状況にある全ての人を医療従業者の思いと、互いを尊重し、信頼し合う連帯なのだ。

  本作はその輝きを、歳月の彼方にまで確かに伝えている。


 (文芸春秋・1980円)


【読 書】
『ステイト・オブ・テラー』…元国務長官が紡ぐ真実
ヒラリー・クリントン、ルイーズ・ペニー(HILLARY・RODHAM・CLINTON、LOUISE・PENNY)
HILLATY:1947年、米イリノイ州生まれ。弁護士や米上院議員などを経て、第67国務長官。PENNY:1958年生まれ。カナダのベストセラー作家。


★★★★紹介文はこちらです★★

 評・渡辺 将人(北海道大大学院准教授)


  政治かは回顧録に全てを書けない。外交機密は墓場まで持っていく話だ。そこでフィクションの出番となる。架空の小説にして真実をにじませるのは元外交官や記者も使う手だ。

  本書はオバマ政権で国務長官を務めたヒラリー・クリントン氏が手掛けた国際政治ミステリー。ゴーストライターを使わず、プロのミステリー作家との共著だ。夫のビル・クリントン元大統領も2018年にベストセラー作家とサイバーテロ小説を刊行している(「大統領失踪」)。

  政治的なライバルの大統領に指名される女性国務長官はヒラリー氏自身、そして他政党の政権が混乱させた米政治を立て直す大統領はジョージ・W・ブッシュ氏やオバマ氏をほうふつとさせる。

  本書の楽しみ方は三つある。一つ目は米外交の疑似体感だ。元国務長官にしか描けない米政権内部の細部は正確で、どんなに深い取材をしても記者や作家には限界がある。ホワイトハウス内の危機管理の段取り、諜報活動の実態、軍幹部との関係など、記述には異例のリアリティーがある。米議会と選挙での実務を経て20年など米政治を観察してきた評者の感覚からしても、資料的価値は小さくない。

  二つ目はヒラリーー氏の米外交を巡る遺言だ。16年大統領選に敗北後、表舞台からは退いたが、テロ対策、核不拡散など国務長官時代の未完の仕事が多数ある。国際政治の危機に対する本音が随所に透ける。米外交への警告とも読める。元国務長官がイランやパキスタンなど実在の国名の使用に踏み切ったのも驚きだ。

  三つめは純粋なミステリーとしての醍醐味だ。ヒラリー氏が伝える国際政治の迫力と英国推理作家協会新人賞・アガサ賞受賞作家による見事な構成で、独特の臨場感がスリラ―をもり立てる。政府内の裏切り者なのか、謎解きもスリリングだ。ベテラン翻訳者の吉野弘人氏による文体も読みやすい。


 (吉野弘人訳、小学館・2970円)


【読 書】
『芸能界誕生』…巨大ビジネス成立描く
戸部田 誠(とべた・まこと)
1978年福岡県生まれ。ライター。「てれびのスキマ」のペンネームで雑誌やウェブメディアで活躍。著書に「タモリ学」など。


★★★★紹介文はこちらです★★

 評・辛酸なめ子(コラムニスト)


  戸部田誠が綿密な取材で書き上げた、歴史の教科書には載らない裏の近代史です。「芸能界のドン」と呼ばれる方々の生の言葉も多数収録。行間から緊張感が漂います。

  今の芸能界のはじまりは、戦後の占領期間中、GHQから日本に出された「特殊慰安」の指令でした。要請に従い、バンドマンが米軍施設で演奏。当時、バンドをあっせんする会社が日当のつもりで出演費を交渉したら、進駐軍側は1時間ぶり、もしくは1ステージぶんを受け取り、かなりの高給取りに。この時の価格設定が、今の芸能人の高額ギャラにつながっている、という豆知識をしることができました。

  後に、美佐とともに「渡辺プロダクション」を起こす渡邊晋は、ジャズバンドのベーシストとして稼いでいました。のちに「ホリプロ」を立ち上げる堀威夫もギタリストとして活躍。その弟分が「田辺エージェンシー」を設立する田邊昭知で、芸能事務所の絆や権力構造は一朝一夕でできたものではないようです。

  そんなドンたちが青春をささげたのが、伝説のステージ「第一回日劇エスタン・カーニバル」。ジャズブームの後はウエスタンのブームが到来し、ロカビリーブーム、エレキブーム、グループサウンド(GS)ブームと、次々ブームが生まれては消えゆく様子が書かれていて、芸能界の厳しさが伝わります。「向かうところ客なし!」というのはGSバンドの堺正章の自虐ネタです。

  当初、テレビ局やレコード会社より立場が下だった芸能プロダクションは、多数のタレントを抱え、「著作権」ビジネスなどで多大な利益を得て、権力を強大化。著者は芸能界のビジネスモデルに対し問題提起しながらも、当時の群像劇にみなぎる若いパワーが「未来への道しるべになるのではないか」と希望をつづります。

  とりあえず「ドン」たちがこの本を読んで当時に思いをはせ、青春時代の感性をよみがえらせるのが第一歩かもしれません。


 (新潮新書・1034円)


【読 書】
『評伝モハメド・アリ…米国そのもの 自ら体現
ジョナサン・アイグ(JONATHAN・EIG)
1964年米国生まれ。ジャーナリスト。2018年、本書で米国のスポーツノンフィクション作品の最高峰とされる賞「PEN/ESPN Award for Literary Sports Writing」を受けた。


★★★★紹介文はこちらです★★

 評・玉木 正之(スポーツ文化評論家)


  本書はモハメド・アリの評伝の決定版である。

  2段組み約580㌻の大部は、アリの曽祖父を奴隷として所有しながら「奴隷制反対」を唱えた白人上院議員ヘンリー・クレイから始まる。

  アリは少年時代に自転車を盗まれたのを機に担当の警官からボクシングを習い始め、上達したローマ五輪で優勝…という有名なエピソードのほか、スクールバスの横を走る見立ちたがり屋の一面や、飛行機恐怖症の繊細な性格など、興味深い話題が満載。ただし金メダルを黒人の役に立たないと川に捨てたという話は、都市伝説の類いらしい。

  プロ転向後、刑務所あがりの世界王者リストンを倒し、一躍若きヒーローとなったのもつかの間。「過激派ブラック・ムスリム」と言われたイラス教集団に入信。「ベトナム戦争に反対して王座を剥奪された後、7年半を経て、史上最強と言われたフォアマンをKOして王座に復活。

  その後は「蝶のように舞い、蜂のように刺す」往年の華麗なフットワークも鋭いパンチも消え、たるんだ身体をさらしてあがく姿にファンはあきれ、同情する。後年はパーキンソン病に苦しみながら、アトランタ五輪聖火の最終点火者として大喝采を浴びた。

  そんな波乱万丈の表舞台と同時に心に響くのは、アリの体調を心配しながらも息子の稼ぎにたかり生活が乱れる父親や、激しい口論の末の、夫人との離婚の顛末、心の平穏を取り戻す再婚女性との会話、自宅を訪ねてくる友人やファン…。そして、それらをすべて受け取れるアリの姿だ。

  彼の激動の人生は1960~80年代の米国そのものと言える。もハミド・アリとは「メディア」だったのだ。米国の正義や悪も、建前も矛盾も、政治も家庭も…、アリは米国という国と社会をそのまま自分の人生に映し出した。本物のスーパースターとは、そういう存在なのだろう。


 (押野素子訳、岩波書店・3960円)


【読 書】
『犠牲者意識ナショナリズム…歴史見つめ直す契機に
林 志弦(イム・ジヒョン)
1959年ソウル生まれ。韓国・西江大教授。専門はポーランド近現代史。自国中心の歴史認識を批判。


★★★★紹介文はこちらです★★

 評・成田 龍一(日本女子大名誉教授)


  ホロコーストと,スターリニズムそして植民地主義の下での大量虐殺を経験した20世紀。その記憶を巡っては、いまだ多くの議論があり、一筋縄ではいかない。

  多くのユダヤ系市民がナチスホロコーストの犠牲となり、第2次大戦で最大の被害者を出しいたとされるポーランドでは、自国民が虐殺の加害者であった事例が明かされ、議論が巻き起こった。「公式記憶」が揺らぎ、「自分たちこそ本物の犠牲者だ」と強調する記憶が力を増している。

  韓国のポーランド史研究者である著者は、非業の死を遂げた「被害者」が、国家のために命をささげた「崇高な犠牲者」に昇華し、その経験を次世代が世襲し、自分たちの民族主義の正当性に結び付けるメカニズムを「犠牲者意識ナショナリズム」と命名。日韓やポーランドイスラエルなど多くの事例を通じ、記憶がもたらす「政治」を批判的に検証する。

  日本人が「アンネの日記」を読み、被爆の犠牲者意識を呼び覚ますとすれば、韓国人は日本の植民地主義の犠牲となった同法を連想するという。

  「記憶のグローバル化」が進展する中、「民族的犠牲の経験」を国境を越えて一般化したり、逆に民族国有の試練としたりするなどさまざま力学が働くことや、相手に対抗するために、自分たちの犠牲を「併置」、「否定」する手法が論じられる。また東アジアでは、戦後日本と朝鮮半島の民族主知のように、政治的には対立していても、「共犯関係」があり、相手の存在を必要としてきたことも述べられる。

  犠牲者意識ナショナリズムが突き付ける「複合的な現実」に著者は、異なる記憶がぶつかる「衝突音」が、他者の痛みに気付き、自己中心的な記憶から抜き出し、「記憶の連帯」に向かう契機となると期待する。自らも加害者になり得るという歴史的省察が必要なのだ。冷戦崩壊以降、深刻化する「記憶の戦争」の<いま>を解析する見事な著作である。


 (澤田克己訳、東洋経済新報社・3520円)


 ◇


今回もどれも読みたいと思います。その書籍の紹介文はなるほど、読みたくなるのはすごいものです。これもアフィリエイトのための文章力(ライター?)の参考のために読み続けます。では、失礼しました。


(´・ω・`)
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