§::万華鏡∞日記::§

「定期記事」で①きょうの運勢②首相日録③きょうの言葉④DMMFX要人発言が主です。その他「映画」「音楽」「書籍」の紹介文や、雑記もあります。

【映画】2022年12月の「もっと知りたい日本映画 名作から話題作まで」の紹介します!?河北新報夕刊のまとめ。。(´・ω・`)


こんにちは、ハクです。


毎週「河北新報夕刊」から
様々な良い映画を毎週で紹介されています、と
私は毎月まとめて、こちらに載させて頂こうと思いました。
"紹介文"も、いい参考文です。あ~読みたい。


( ´,_ゝ`)プッ



それでは、映画の紹介について、
文は「河北新報」文を引用いたします。ご了承ください。


では、ご覧くださいませ。死角に、ご注意を。


 ◇


ふがいない僕は空を見た…幸せの形は人それぞれ

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  家庭を持ち、子どもをつくる。それが理想的な幸せの形だろうか?タナダユキ監督「ふがいない僕は空を見た」は、そう問いかけてくる。
  斉藤卓巳(永山絢斗)は高校2年生。アニメ同人誌の販売イベントで知り合った主婦、岡本里美(田畑智子)と関係を持つ。夫の留守中に里美の部屋を訪れ、アニメのコスプレをして、里美が書いた台本を沿ってセックスをする。小遣いとして現金を受け取る関係だが、次第に里美を純粋に好きになっていく。
  里美は義母(銀粉蝶)から、早く子どもをつくれとプレッシャーをかけられている。マザコンの夫(山中崇)と一緒に不妊治療を受けるが、心は冷えていくばかりだ。
  卓巳の父親は家を出て行方が分からない。母の寿美子(原田美枝子)は、自宅で産院を経営する助産師。仕事には真摯に対処し優しい人柄だが、助手の長田光代(梶原阿貴)からは「本当は腹黒い」とからかわれている。
  物語は、卓巳と里美の関係が義母と夫にばれ、隠し撮りされた映像がネット上に拡散したことから急展開する。その後は、卓巳と里美に加え、卓巳の親友、福田良太(窪田正孝)の事態に対する反応が軸になっていく。
  母親が男性の所に出ていき、ぼけた祖母の面倒を見ている良太は、困窮してるが、他者に弱みを見せない。同級生の卓巳に対しては、複雑な感情を抱いている。
  コスプレやSNSなど、いかにも今風な要素に目を奪われるが、中心になるのは、普遍的な人間ドラマだ。タナダ監督は幾つものエピソードを通して、それぞれに事情を抱えて生きている人々を、リアルに描き出した。
  大胆な性愛描写に挑戦した田畑と永山、スパイスのような役割を果たした梶原、窪田ら。好演技を見せた俳優の中で、ひときわ輝いていたのが原田。息子にトラブルが起きてもじたばたしない、青空のような母を、見事に演じきった。
  惜しむらくは、各人の心理や事情を丁寧に描写しようとするあまり、やや冗長になったことだ。日々の感情を描いた作品にふさわしい、コンパクトな上映時間にまとめてほしかった。
  (共同通信編集委員・立花珠樹)

 2012年。監督=タナダユキ
     出演=永山絢斗
        田畑智子
        原田美枝子
        窪田正孝ほか。
 キネマ旬報ベスト・テン7位。
 DVDが東映から販売中。142分。カラー。


きみの鳥はうたえる…若者の感情描写 細やか

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  三宅唱監督「きみの鳥はうたえる」は、青春のひとときを鮮やかに映像化した作品だ。
  初めて見た時、はるか昔の思い出がよみがえり、胸がキュンとなった。若者の何げない日常を淡々と映しただけの作品に見えるが、登場人物の個性と感情の変化がとても細やかに描かれている。そのことによって、彼らの物語を自分のことのように感じたためだろう。
  北海道函館市。書店で働く「僕」(柄本佑)は、元のアルバイト先で知り合った静雄(染谷将太)と小さなアパートで一緒に暮らしている。
  ひょんなきっかけで、「僕」は書店の同僚の佐知子(石橋静河)と付き合い始める。佐和子は毎晩のように彼らのアパートに来て、静雄を交えて3人で時を過ごす。コンビニで買い物をしたり、クラブに行ったり、ビリヤードをしたり、時には飲み明かすこともある。
  佐知子は店長(萩原聖人)とも付き合っており、関係が付き詰まっている。静雄は失業中で、毎月、金を借りに来る母親(渡辺真起子)の問題を抱えている。「僕」は、正義感を振りかざす書店の男性社員(足立智充)にからまれ、暴力沙汰を起こしてしまう。
  いくつかのエピソードを絡みながら、映画は、微妙なバランスの上に成り立っている「僕」と静雄と佐和子の関係が、次第に変質していくさまを描いていく。
  原作は、佐藤泰志の同名の小説。監督・脚本の三宅は、原作のラストで起きる事件は取り上げず、佐知子に対する「僕」の揺り動く思いと、彼女の反応で、映画を終わらせた。それが、作品に新しい命を与えている。
  中心になる3人を演じた柄本、石橋、染谷がいずれも好演。特に佐和子役の石橋が輝いている。意地悪な見方をすれば、佐和子は、自分の魅力を承知で男たちを振り回す女と言えなくもない。だが、石橋のみずみずしさが、そうした懸念を吹き飛ばした。
  撮影は四宮秀俊。踊り明かした3人が歩く開け方の函館が美しい。人けのない街に、路面電車が停車し、タクシーが数台走っている。ありふれた風景なのに、一瞬で心を奪う力がある。
  (共同通信編集委員・立花珠樹)

 2018年。監督=三宅唱
     出演=柄本佑
        石橋静河
        染谷将太
        萩原聖人ほか。
 キネマ旬報ベスト・テン3位。
 DVDがTCエンタテイメントから販売中。106分。カラー。


『百円の恋』…ボクシングで一生一変

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  ニートの女性が、中年のボクサーと出会ったことがきっかけで、自分もボクシングを始め、人生が変わっていく。武正晴監督「百円の恋」のストーリーを一言でまとめるとこうなる。
  どんな映画か想像できるし、わざわざ見なくてもいい、と思う人がいるかもしれない。それでなくても「ロッキー」や「ミリオンダラー・ベイビー」など、ボクシング映画は数多くあるのだ。ところがどっこい、これが予想をはるかに上回る面白い作品なのである。
  斎藤一子(安藤サクラ)は32歳。無職で、母(稲川実代子)が弁当店を営む実家の2階で、だらだらと毎日を過ごしている。ある日、夫と別れ小学生の息子を連れて実家に戻って来た妹の二三子(早織)と大げんかし、家を飛び出す。
  アパートで1人暮らしし、100円ショップで深夜のアルバイトを始めた一子は、さまざまな問題を抱えた人々と出会う。やがて彼女は、100円ショップ近くのボクシングジムでストイックに練習を続ける引退間近のボクサー、狩野(新井浩文)が店にバナナを買いに来たことから物語が始まる。
  この役のために太めの体形にしたという安藤の体を張った演技がすごい。妹と取っ組み合いのけんかをし、頭にかけられたケチャップが付いた部屋着で街へ飛び出し、道の真ん中で転ぶ。こんなだらしないイメージが、ボクシングを始めた後、別人のように変わっていく。体は引き締まり、うつろだった表情は生き生きして、ボクシングシーンは目頭が熱くなるほど迫力満点だ。
  パンチを受けてリングに倒れた一子に、ジムの会長(重松収)が普段の冷静さをどこかにやって叫ぶ。「立って死ね!」
  足立紳の脚本は、言葉で全てを説明せず、一子が悲惨な目に遭いながら、どん底から這い上がっていく姿を、愛情を込めて描き出している。ここまで描かなくてもという部分はあるが、スポーツ映画にありがちなサクセスストーリーにしなかったのは好感が持てる。哀愁を帯びた音楽が、いい意味の滑稽さを感じさせ、映画を深刻過ぎないものにしている。
  (共同通信編集委員・立花珠樹)

 2014年。監督=武正晴
     出演=安藤サクラ
        新井浩文
        稲川実代子、
        早織ほか。
 キネマ旬報ベスト・テン8位。
 DVDが東映から販売中。114分。カラー。


トニー滝谷…「村上文学」の整髄輝く

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  村上春樹の短編小説を映画化した市川準監督「トニー滝谷」は、小さいけど、きらきら輝いている実験的な作品だ。
  坂本龍一の静かな美しい音楽とともに、喪失感や透明な悲しみが伝わってくる。村上文学を原作にした映画では「ドライブ・マイ・カー」や「ノルウェイの森」が有名だが、その精髄を映像化したという点で特筆すべき作品だと思う。
  トニー滝谷(イッセー尾形)は売れっ子のイラストレーター。両親とも日本人だが、母がトニーを生んだ3日後に死後し、父のジャズミュージシャン省三郎(尾形の一人二役)が付けた「本当の名前」だ。
  省三郎は年中、演奏旅行に出かけ、トニーは少年の頃からいつも1人だった。毎日部屋にこもって絵を描いていた彼ば美術大学に進み、イラストレーターになる成功。中年になっても大きな家で1人暮らしをしている。
  ある日彼は、イラストを受け取りに来た出版社の若い女性(宮沢りえ)に恋をする。2人は結婚し、穏やかで幸せな日々が続くが、一つだけトニーには気になることがあった。
  坂本のピアノが心地よく響き、せりふはほとんどなく、西島秀俊の落ち着いた語りで物語が新王する。場面が切り替わる時にカメラが横に移動し、部屋や家具などの影が画面を覆い、次の場面に移っていく。それが、まるで本のページをめくっているような感覚だ。尾形は孤独感を硬質な演技で表現し、後半で妻とよく似た別の女性を一人二役で演じた宮沢のはかない美しさも印象的だった。
  トニーの気がかりとは何か、ここでは書かない。語りを担当した西島が十数年後に主演した「ドライブ・マイ・カー」と同じように、愛する人を突然失うことの悲しみが胸に広がる映画である、とだけ言っておこう。
  1948年生まれで村上と同世代の市川が、長年温めていたという企画。ラストに、小説(文芸春秋刊「レキシントンの幽霊」所収)にはないエピソードが幾つか、されげなく付け加えられている。市川は2008年に59歳で死去。そこに込めた思いを尋ねることはできなくなってしまった。
  (共同通信編集委員・立花珠樹)

 2005年。監督=市川準
     出演=イッセー尾形
        宮沢りえ
        篠原孝文、
        西島秀俊(語り)ほか。
 DVDは現在販売なし。76分。カラー。


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私は映画が好きなもので始めました。
これは月末の特集で、これから毎日ぐらい、映画を紹介するようになりました。どうぞ宜しくお願い致します。では、失礼しました。


(´・ω・`)
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