§::万華鏡∞日記::§

「定期記事」で①きょうの運勢②首相日録③きょうの言葉④DMMFX要人発言が主です。その他「映画」「音楽」「書籍」の紹介文や、雑記もあります。

【書籍】話題の本をピックアップ!ぜひ、ご紹介します!?/2023.02.20。。(´・ω・`)


こんにちは、ハクです。


毎週日曜日、河北新報2版に「書籍紹介」があります。
試しまして、私もこちらでご紹介させて頂きます。
書籍数はあまりにも多いので「評」する紹介文がある本だけと致しました。


どうぞ、ぽちっと「折りたたみメニュー」で、ご覧くださいませ。宜しくお願い致します。


 ◇


【著者とひととき】
『英語と日本人』…憧れと挫折の歴史記
江利川春雄さん


★★★★[ 紹介文はこちら ]★★

  「文字も発音も文法も全て違う。日本人にとって英語はべらぼうに難しい」。「英語と日本人」の著者で、英語教育が専門の若山大名誉教授、江利川春雄さんは言い切る。多くの人が日常生活に不要な言葉を、全員が学ぶ。「人類史的に稀有な実験をやっているようなものです」。「集大成」と自負する新著で、幕末以来の英語学習を巡る日本人の悪戦苦闘をたどった。
  日本人に合う学習法を模索した戦前の達人の情熱。英語が敵視された戦時下の教育。NHKのラジオ番組が「カムカム英語」と呼ばれ、親しまれた復興期の英会話ブーム。「西洋文明」への憧憬と反発が混じった近代日本の歩みを映した人間くさい逸話がつづられる。
  植民地化を免れ、母語で高等教育を受けられ、豊かになり、生きるため国を出る必要もない。「先人が切り開いた『日本語で事足りる』環境が、外国語を学ぶモチベーションを引き下げる。だから多くの人が憧れては挫折してきた」と苦笑する。
  早期教育の是非や「読解か会話か」を巡る議論が繰り返されてきたことも印象的だ。典型は2020年度から「外国語」として正式教科になった小学生の英語。明治期には既に現在の小学5年生から英語教育が始められたが、「思考力が高まってきたの方が習得しやすい」「教員の力量不足」といった反対論が巻き起こり、事実上頓挫した。「苦労もし、教訓は多いはずなのに、総括することなく今も同じ失敗を繰り返しているように見える」と警鐘を鳴らす。
  政府がグローバル人材の育成を掲げる中、教師も生徒も疲弊し、学力の二極化が進む。「学校教育だけで『使える英語』を身につけさせるのは、教育の時間だけで五輪選手を育てるのと同じくらい無理難題なんです」
  人工知能(AI)の翻訳能力が英検1級レベルに達したと言われる今、「使えない」外国語を皆が学ぶ意義とは何か。まずは、興味を持ったり必要に迫られたりした時に、自力で学べる「素地」を培うことだと述べ、その上でこう強調した。「異文化に触れ、視野を広げることは、日本語を鍛え、思考力を豊かにすることにつながるんです」

(「英語と日本人」はちくま新書・1012円)


【読 書】
教誨…悲運な事件の背景問う
柚月 裕子(ゆづき・ゆうこ)
1968年釜石市生まれ、山形県在住。作家。2009年デビュー。「検事の本懐」で大藪春彦賞、「孤狼の血」で日本推理作家協会賞


★★★★紹介文はこちらです★★

 評・天野 千尋(映画監督)


  「鬼畜」「悪魔」「真面目な人」「神聖」「無垢」「儚げ」「凛とした強さ」「優しくてまっすぐ」「不器用」「不憫」「淋しい人」―。これらは全て、本書で登場する女児連続殺人犯・三原響子について、周囲の人々が形容する言葉である。
  響子はどんな人物で、なぜいとしいわか子おの命を奪ったのか? そして官女が死刑執行直前に行った「約束は守ったよ、褒めて」とは、誰とのどんな約束だったのか? この謎は、響子の遠縁に当たる主人公の香純が、母の郷里のつてをたどって追っていく物語だ。
  人々の言葉はどれも間違いではないのだろう。響子の教誨師が「善人も悪人もありません。どちらも心にあるのです(中略)ほんの一瞬、善より悪の気持ちが強くなり過ちを犯してしまった」と語るように、私たち人間の心は振り子のようなもので、善にも悪にも、あらゆる方向に振動を続ける。そして多くの場合、振動の原因は、人間関係や社会の出来事など、外的な事象である。
  響子は家父長制が色濃く残る田舎で生まれ、幼い頃から父親に「お前は馬鹿だ」と洗脳まがいのしつけを受け、学校でのいじめにひたすら耐えて育った。彼女の母親もまた、小作人の娘という出自を負い、本家や夫の支配下で縮こまりながら娘を守ろうとした。閉鎖的に狭い町で爪はじきにされ、それでも土地にすがりつくしかない女たちの悲しさが、むごいほどズッシリ重く描かれ、思わず目を背けたくなる。
  「犯人は響ちゃんだけど、あの事件はここに住んでいるみんなが引き起こした」。ある人物が香純に向ける言葉は、フィクションの壁と超えてわれわれに突きつけられるようだ。「誰もが目に見えるものだけで決めつけて、その裏にある事情なんて考えもしない」
  本書は香純の視線を通じて、悲運な事件のバックグラウンドにある社会のさまざまな理不尽さをあぶり出している。それは、世の中に対する著者の怒りにも近い問いかけのように感じられた。

 (小学館・1760円)


【読 書】
『一睡の夢』…戦国の人々の実像活写
伊東 潤(いとう・じゅん)
1960年横浜市生まれ。作家。「国を蹴った男」で吉川英治文学新人賞、「巨鯨の海」で山田風太郎賞など受賞多数。


★★★★紹介文はこちらです★★

 評・雨宮由希夫(書評家)


  副題に「家康と淀殿」とあるように、戦国の世を生き抜けた2人を主人公とし、豊臣家が滅亡した大坂の陣の真相を活写した歴史小説の大作だ。
  最大の読みどころは、1600(慶長5)年の関ヶ原の戦いの勝利で覇権を握った徳川家康が、豊臣家と秀吉の側室であった淀殿を追い詰めていく慶長10年代の政局を、丹念かつ緻密に描くところであろう。家康は「関ケ原」の2年半後には征夷大将軍の宣下を受けるが、「徳川将軍家」を揺るぎないものにすべく、短期間で将軍職を息子の秀忠に譲るとともに、頼りない秀忠を叱咤激励するという、したたかな戦略を進めていた。一方、誇りを貫くばかりの淀殿は、家康への臣従よりも死を選ぶという壮絶な道を突き進む。戦略は家康の老衰死を待つのみだ。
  事の次第があまりにも有名な「方広寺鐘銘事件」を経て、慶長19、20年の大坂冬の陣、夏の陣へ。ついに家康は秀忠をして「命乞いを許さず」との決断を下される。
  織田信長と秀吉の2人と比べて凡庸な家康は、凡庸だからこそ忍耐強く乱世を生き抜き、天下をとることは「一睡の夢」と知りつつも覇者となった―。筆者は、そんな読み応え抜群の新しい「家康像」を造形している。
  本書はまた、豊臣家を滅亡に導いた悪女と見なされがちな淀殿の実像を描くことを目的の一つとしている。秀吉の正妻の北政所と、後継ぎ秀頼の生母の淀殿は「糟糠の妻と愛人」であり、宿命の確執があったとするのが通説であったが、近年のめざましい史学の研究成果を踏まえて、「2人の正妻」である淀殿北政所が豊臣家存続のためにひそかに連携していたと物語られている。
  戦国の世を生き抜いた実在の人間を深く洞察し、その実像に迫った本作は、関ケ原の戦いをダイナミックに活写した直近作「天下大乱」同様、史実と定説さらに新説を吟味した上で、自らの解釈を導き出すことを信条とする歴史小説家、伊東潤の本領発揮の佳品であり会心作である。

 (幻冬舎・2090円)


【読 書】
『世界インフレの謎』…慢性病断ち切るために
渡辺 努(わたなべ・つとむ)
1959年生まれ。東京大教授(マクロ経済学、国際金融、企業金融)。著書に「物価とは何か」など。


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 評・濱口桂一朗(労働政策研究・研修機構研究所長)


  新型コロナウイルス禍でじわじわと進み、ロシアのウクライナ侵攻で一気に加速した世界インフレの謎を解き明かす本として一級の面白さだ。
  サービスからモノへという消費者の行動変容、職場に戻りたがらない労働者の行動変容、グローバル化から反転しいて国内回帰する企業の行動変容というコロナによる三つの後遺症が、世界中で新たな価格体系への移行をもたらしているという分析は目が覚めるようだ。
  しかし、われわれ日本人にとっては、それに続く、取り残された日本の分析が胸に突き刺さる。インフレだけを心配していればいい諸外国と異なり、日本はいまだにデフレという慢性病に苦しんでいるのだ。
  なぜ過去30年間、日本はデフレに苦しんでいるのか、物価も賃金もぴくりとも動かない凍結状態はなぜ生み出されたのか。アイスキャンディー「ガリガリ君」値上げ時に社長が顧客に謝罪するCMが流れたエピソードは象徴的だ。かくも強固な値上げ嫌いの感覚は、圧倒的に多くの労働者が「賃金は上がらない」と考えていることと対応している。
  賃金と物価がらせん状に上昇する賃金・物価スパイラルによるインフレに世界が苦しんできたのに対し、過去30年の日本はどちらも上がらないデフレのスパイラルに苦しんできた。
  このスパイラルを逆回転させるためにはどうすればいいのか?著者は世界インフレを奇貨として、労働者と経営者の間で、値上げと賃上げを肯定する機運が高まってくることを期待する。
  しかし、評者はこれをむしろ"賃金ターゲット政策"として提起すべきだと考える。値上げも賃上げもされてこなかった日本においては、世界インフレを背景に、無理やりにでも企業に賃上げをさせることで、価格転嫁による値上げを促し、「賃金と物価の好循環」を実現すべきではないだろうか。

 (講談社現代新書・990円)


【読 書】
『フリチョフ・ナンセン』…「連帯」の輪 広げる意志
新垣 修(あらかき・おさむ)
沖縄県出身。国際基督教大教授(国際法学、国際関係論)。国連難民高等弁務官事務所法務官補、広島市立大教授などを歴任。


★★★★紹介文はこちらです★★

 評・安田菜津紀(フォトジャーナリスト)


  ロシアによる軍事侵攻後、今なお多くの人々がウクライナからの避難生活を強いられている。岐路に立たされた世界はどこへ向かうべきか。その指針の一つとなるであろう本書は、現代の国際難民制度に影響を与えたフリチョフ・ナンセンの生涯を、批判的な視点も交え丹念にたどった一冊だ。
  1861年ノルウェーに生まれたナンセンの人生は、冒険家や科学者としても多彩な顔をのぞかせる。1905年のノルウェー独立にも寄与し、英国大使を任される。
  20世紀初頭は、激動の時代だった。大国は植民地での勢力拡大に躍起になり、14年には第1次世界大戦へと突入する。戦後の「新しい船」としての国際連盟も、前途は困難を極めた。政治的要因や飢餓などから、多くの人々がロシア=ソ連から逃れた。国籍を剥奪された彼らは、逃れた先々でも「不法な存在」とされ、追放令に背けば「浮浪罪」で罰せられた。
  国際連盟からロシア難民高等弁務官を任されたナンセンは、追放や送還の危険性を回避しようと試行錯誤した。彼らの「難民」という「地位」を認め、「存在する資格」を持ち得る「法的空間」を他の国の出身者にも徐々に広げていく。
  ナンセンの生きた時代から100年。「進め、前へ!」という彼のエールは届いているだろうか。
  日本の2021年の難民認定率は0.7%にとどまる。帰国できない事情を抱える人々を刑事罰の対象とし、一定回数を超えて難民申請をした人々を送還できる法案まで審議されていた。
  本書で重要なのは、ナンセンの携わった人道支援が、彼一人に統率されていたわけではないということだろう。その背後には支援NGOなどの、市民社会の力があった。
  今、「前へ」と歩みを進めるためには、カリスマ性を帯びた強力なリーダーを求めるのではなく、成熟した市民社会から国や国際社会に声を届け、「連帯」の輪を広げていくことが必要ではないか。

 (太郎次郎社エディタス・2640円)


【読 書】
『更に、古くて素敵なクラシック・レコードたち』…音楽を語る楽しさ凝縮
村上 春樹(むらかみ・はるき)
1949年京都市生まれ。兵庫県育ち。79年「風の歌を聴け」でデビュー。著書に「ノルウェイの森」「騎士団長殺し」など。


★★★★紹介文はこちらです★★

 評・小西 慶太(ライター)


  音楽を言葉にすることは難しい。だからこそ、人は音楽について語られた文章に引かれるのだろう。村上春樹が自身のコレクションからおよそ100曲、500枚のLPレコードをセレクトして語った「古くて素敵なクラシック・レコードたち」は、多くの読者に受け入れられた。その続編となるのが本書である。
  オールカラーで全てのジャケットを見せるデザインと構成は、前作を踏襲する。取り上げているレコードにしても、前作では見られなかったアントン・ブルックナーリヒャルト・ワーグナーが入ってい入るものの、取り立てて傾向が異なるわけではない。
  音楽そのものについて、作曲家・演奏家について、そして著者自身との関係やエピソードについて融通むげに語る。
  語り口は併用で明快だが、これだけの枚数を飽きさせずに読ませる表情力には、うならされてしまう。村上は本書をガイドブックでもなければ啓蒙的な意図もないと述べているが、クラシック音楽の愛好者なら著者と対話をするように、入門者は効き方の教科書のようなものとして読むことが出来るだろう。
  興味深ったのは、「ベートーヴェン ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 作品37」を取り上げたくだりだ。ここでは2回に分けて計8枚のレコードが紹介されている。そのうちの2枚の奏者がヴェルヘルム・バックハウスグレン・グールドで、著者が10代の頃に何度も聞き比べたと述べている。「どうして同じ曲なのにこんなに印象が違うんだろう」。続く描写を読みながら思い出すのが、1979年の村上のデビュー作「風の歌を聴け」のワンシーンだ。レコード店の店番の女の子が「僕」に言う。「グレン・グールドバックハウス、どちらがいいの?」。僕は答える。「グレン・グールド
  村上春樹を読むと、いつも音楽が聴きたくなる。音楽を語る楽しさが詰まった一冊だ。

 (文芸春秋・2750円)


 ◇


いかがでしょうか。今回も読みたいと思います。
その書籍の紹介文はなるほど、読みたくなるのはすごいものです。
これもアフィリエイトのための文章力(ライター?)の参考のために読み続けます。
では、失礼しました。


(´・ω・`)
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