§::万華鏡∞日記::§

「定期記事」で①きょうの運勢②首相日録③きょうの言葉④DMMFX要人発言が主です。その他「映画」「音楽」「書籍」の紹介文や、雑記もあります。

【映画】2023年3月の「もっと知りたい日本映画 名作から話題作まで」の紹介します!?河北新報夕刊のまとめ。。(´・ω・`)

 

 

こんにちは、ハクです。

 

 

毎週「河北新報夕刊」から 様々な良い映画を毎週で紹介されています、と 私は毎月まとめて、こちらに載させて頂こうと思いました。 "紹介文"も、いい参考文です。あ~読みたい。

 

 

( ´,_ゝ`)プッ

 

 

 

それでは、映画の紹介について、 文は「河北新報」文を引用いたします。ご了承ください。

 

 

では、ご覧くださいませ。死角に、ご注意を。

 

 

 ◇

 

 

写楽 Sharaku』…消えた天才絵師に迫る


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  映画の中に人間ドラマがあるように、映画を作る人間たちにもドラマがある。そう実感したのが、浮世絵師、東洲斎写楽が主人公の篠田正浩監督「写楽 Sharaku」(1995年)だ。

  企画の仕掛け人は、版元、蔦屋重三郎を演じたフランキー堺。61年の夏、川島雄三監督から「次は写楽です」とささやかれた彼は、63年に川島が急死した後も、写楽の夢を追い続けた。だが、その後、共に映画化を志した内田吐夢監督も死去。実現は34年後だった。

  映画が始まった瞬間、歌舞伎小屋の舞台でとんぼを切る若い役者、十郎兵衛(真田広之)が映る。彼はその直後、市川團十郎(中村富十郎)が登るはしごに左足をつぶされ、役者としては使い物にならなくなった。

  事故を客席で目撃していた大道芸人、おかん(岩下志麻)は、彼を「とんぼ」と呼び、大道芸の仲間に引き入れる。

  同じ頃、喜多川歌麿(佐野史郎)ら人気浮世絵師を抱えていた重三郎は、幕府の厳しい取り締まりで危機を迎えていた。歌麿に裏切られた重三郎は、後に葛飾北斎となる絵師、鉄蔵(永沢俊夫)らを使い役者絵に活路を見いだそうとする。

  ある日、鉄蔵が、隣に住む男が描いたという一枚の絵を重三郎に届ける。それが、写楽誕生のきっかけだった。

  映画を見て感じるのは、日本映画には珍しい華やかさだ。舞台となる江戸の町を再現するために、広島県沼隈町(現・福山市)のテーマパーク内の雑木林を開墾して、吉原と日本橋の街並みを作り、さらに同パーク内に屋内のセットも作った。そうしたこだわりと同時に、最新のデジタル技術を駆使したことが、作品を豪華絢爛にした。

  庶民文化が花開いた江戸中期、わずか10カ月の間に斬新で写実的な百四十数枚もの作品を描き、突然姿を消した写楽とは何者なのか?映画はこの最大の謎に挑んだ。篠田は、写楽を「とんぼを切る若者」と設定、フランキーは篠田の説得に応じて、写楽を演じることをあきらめたという。

  フランキーは映画公開の翌年、肝不全のため67歳で死去した。ぎりぎりで夢をかなえることができたのだった。

  (共同通信編集委員・立花珠樹)

 1995年。監督=篠田正浩

     出演=真田広之

        岩下志麻

        葉月里緒奈、

        フランキー堺ほか。

  キネマ旬報ベスト・テン5位。DVDが東宝から販売中。138分。カラー。

 

 

『夜叉々池』…怪奇で甘美さ併せ持つ


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  権利問題などでソフト化ができず"幻の作品"となっていた篠田正浩監督「夜叉々池」(1979年)の、4Kデジタルリマスター版ブルーレイが発売されたのは、2021年だ。

  原作は、竜神伝説を扱った泉鏡花の同名戯曲。映画初出演の歌舞伎俳優、坂東玉三郎が主演し、怪奇でロマンチックな文学性と壮大なスペクタクル映画の魅力を併せ持つ作品になっている。

  1913(大正2)年夏、大学教授の山沢(山崎努)は、福井と岐阜県境の山中にある夜叉々池に向かう途中、鐘つき堂を守る美しい女性、百合(坂東玉三郎)に出会う。百合と一緒に暮らしているのは、各地の不思議な物語を集める旅に出て行方不明になった親友の萩原(加藤剛)だった。

  萩原は、夜叉々池の水底にすむ竜を封じ込めるために、毎日3回、決まった時間に鐘をつかねばならないと話す。百合の人間離れした美貌に不安を感じた山沢は、萩原を連れ出そうとする。

  映画には、竜の化身、白雪姫(玉三郎一人二役)や池にすむ魚の妖怪なども登場。さらに、日照り続きで水不足に悩む村人が、雨乞いのために百合を竜神の犠牲にささげようと、集団で暴挙に出る姿が描かれる。

  企画のきっかけは「玉三郎で映画を」という松竹から篠田への依頼だった。篠田は、歌舞伎の伝説を生かし、女形である玉三郎の美しさを最大限に引き出す方法として、竜神と、竜神を封じ込める役目を担う女性を、共に玉三郎に演じさせることにした。「心中天網島」(69年)で岩下志麻に遊女と妻の二役を演じさせ、成功している篠田らしい発想だった。

  子守唄を歌う百合を白雪姫が見守る。2人が同時に映るのはその一瞬だけだが、そこが物語の一つのヤマ場となった。百合の優しさが白雪姫を動かし、人間界と異界との約束が守られたのだ。

  だが、目先の欲望に突き動かされた村人たちは誓いを破り、均衡が崩れる。白雪姫は夜空に飛び立ち、夜叉々池は氾濫する。村も人も一気に押し流す大洪水は、人間のおごりが、取り返しのつかない大惨事を招くことがあるのを象徴しているように見えた。

  (共同通信編集委員・立花珠樹)

 1979年。監督=篠田正浩

     出演=坂東玉三郎

        加藤剛

        山崎努

        丹阿弥谷津子ほか。

  4Kデジタルリマスター版のブルーレイが松竹から販売中。124分。カラー。

 

 

散歩する侵略者…ウイットに富んだSF

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  黒沢清監督「散歩する侵略者」は、宇宙人の地球侵略というSF映画の定番テーマを、ウイットに富んだ新鮮な切り口で映像化した作品だ。

  侵略に先駆けて、宇宙人の先進隊員が地球に到着。人間の体内に侵入し地球人を理解しようとする。彼らはそのために、出会った人々から概念―例えば「家族」「所有」「仕事」など―を奪う。

  劇作家、前川知大が率いる劇団イキウメの人気舞台の映画化。「概念を奪う」と文字を見ても全くイメージできなかったが、映画の中の宇宙人の言葉や奪われた人間の反応が何となく分かった。これが映像の力だろう。

  加瀬鳴海(長沢まさみ)は、数日間行方不明だった夫の真治(松田龍平)が、別人のようになって戻ってきたのに当惑する。急に穏やかになった真治は、1人で散歩に出ては行き倒れになる。

  米軍と自衛隊の基地があるその町では、一家惨殺事件など奇妙な出来事が続いている。週刊誌の記者、桜井(長谷川博己)は殺人事件の現場で会った若者、天野(高杉真宙)から「ガイドになってほしい」と頼まれる。

  若者は桜井に、自分は地球の侵略を目的にする宇宙人で、天野の体を乗っ取っている、と告白。先発隊は3人で、ほかの2人は、作人事権の鍵を握る女子高生、立花あきら(恒松祐里)と、所在不明のもう1人の体に侵入していると言う。

  猟奇的なホラー映画を思わせるような場面から始まるが、いたずらに恐怖をかき立てる作品ではない。むしろ、宇宙人の手間をかけた侵略方法や、事態を知った地球人の困惑ぶりなど、笑いを誘う場面が多い。

  宇宙人侵略がきっかけで、冷え切っていた関係が徐々に修復していく夫婦を、松田と長沢が好演。暴走する女子高生を演じた恒松、宇宙人らしい雰囲気を漂われた高杉の若手俳優2人も魅力的だった。さらに、地球人の戸惑いと笑いとアクションを一手に引き受けた長谷川のうまさも光った。

  終盤に急展開、「愛」の概念が大きく浮上する。感動的だが、あれこれ分析するのはやめておこう。大事なのは、大がかりな特撮に頼らずとも、こんなに上質なSFが作れるということだ。

  (共同通信編集委員・立花珠樹)

 2017年。監督=黒沢清

     出演=長沢まさみ

        松田龍平

        長谷川博己

        高杉真宙ほか。

  キネマ旬報ベスト・テン5位。DVD、ブルーレイがポニーキャニオンから販売中。129分。カラー。

 

 

海炭市叙景…胸に刺される五つの物語

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  熊切和嘉監督「海炭市叙景」は、架空の町、海炭市を舞台に、さまざまな問題を抱えながら生きる人々の五つの物語から成るオムニバス映画だ。

  1990年に41歳で死去した作家、佐藤泰志の未来の連作短編小説が原作。佐藤の故郷で、海炭市のモデルとなった北海道函館市の市民たちが企画、全編を地元で撮影した地元色豊かな作品だ。

  その冬、海炭市の造船所で一部閉鎖され、颯太(竹原ピストル)は解雇される。小学生の時、父を造船所の事故で失った颯太は、妹の帆波(谷村美月)と2人暮らし。初日の出を一緒に見ようとロープウエーで山に登ったが、帰りの切符を2枚買う金がなく、颯太は歩いて降りることにする。

  この最初のエピソードの後、地域開発のために立ち退きを迫られている独り暮らしの高齢女性(中里あき)の飼い猫がいなくなる第2話、プラネタリウムに勤める隆三(小林薫)が夜の仕事をしている妻、春代(南果歩)に嫉妬、店に乗り込もうとする第3話が続く。

  五つの物語で一番時間が長く、内容的にも複雑なのは、父親からガス会社を引き継いだ晴夫(加瀬亮)が主人公の第4話。新規事業を始めようとしてうまくいかず、家庭では再婚した妻による自分の息子への虐待に気づき、妻に暴力を振るってしまう。ベテランの女性従業員が「ちゃんとした方がいいです」と心配してくれるが、自分ではどうにもならないのだ。

  それぞれのエピソードは微妙に関連があるが、太い一本の線が貫いているわけではない。だが、第5話に路面電車という要素を入れたことで、ばらばらだった話がつながっていく。宇治田隆史の脚本は鮮やかだ。

  2010年公開のこの映画が、「そこのみにて光輝く」(14年)から「夜、鳥からが啼く」(22年)に至る佐藤文学映画化に先駆けになった。リストラ、高齢者の孤独、家庭内暴力。扱われているテーマは深刻で、恋愛もなく、一連の作品の中で最も苦いのだが、絶望的な映画ではない。それは、函館の町の風やにおい、そこで暮らす人々の日常がしっかり描かれているせいだろう。架空の町の作り事ではない重さが胸に刺さる。

  (共同通信編集委員・立花珠樹)

 2010年。監督=熊切和嘉。

     出演=谷村美月

        加瀬亮

        南果歩

        小林薫ほか。

  キネマ旬報ベスト・テン9位。DVDがブロードウェイから販売中。152分。カラー。

 

 

 ◇

 

 

私は映画が好きなもので始めました。 これは月末の特集で、これから毎日ぐらい、映画を紹介するようになりました。どうぞ宜しくお願い致します。では、失礼しました。

 

 

 

 

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