こんにちは、ハクです。
毎週「河北新報夕刊」より、
毎週の話題の映画をご紹介されて言います。
今回は「追想 この一作 映画記者のつぶやき」といいます、
「新聞記者」だった方が、昔に観た映画を添えて、"紹介文"を戴くようです。
引用いたしますが、ご了承ください。
では、ご覧くださいませ。いい午後を過ごして。
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『サンチャゴに雨が降る』
軍事政権の現状伝える
世界でこんな事件が起きていたのか、と自分の無知に呆れたことがある。「サンチャゴに雨が降る」は千葉の大学に入ったばかりの私の目を世界に見開かせてくれた。1976年5月、東京・丸の内松竹で見た。
南米チリで起きた軍事クーデターを描いていて、首都サンチャゴ(サンティアゴ)をはじめ各地で学生や労働者が武装し抵抗するが、軍の圧倒的な武力の前に倒されていく。ラジオが自由の危機を暗号で伝えた。それが「サンチャゴに雨が降る」。「血の雨」のことだった。
ショックだったのは、これが1973年から74年にかけての出来事だったこと。石巻で最後の高校生活を楽しみ、仙台の予備校に通っていた頃、地球の裏側で民衆を犠牲にした悲惨な歴史がつくられていた。
映画人たちの気概にも感心した。チリでの製作は不可能なためのフランス・ブルガリアの合作となった。チリからフランスに亡命したエルビオ・ソトー監督の下に、ジャン・ルイ・トランティニャン、アニー・ジラルドらフランスの名優たちが集まり、ノーギャラで出演。チリ軍事政権の現状を世界に訴えなければならないという映画人の使命感が伝わってきた。
・「サンチャゴに雨が降る」のチラシ(左)とジャン・ルイ・トランティニャン(別冊太陽「スクリーンヒーロー20's~80's)
打ちのめされて映画館を出ると街は初夏の陽気。近くの丸の内東映から聞こえてきたのは「ワッショイ」の掛け声。東映のスター松方弘樹が映画PRのため神輿(みこし)を担いでいた。握手に感激。サンチャゴの悲劇はどこへ。映画ファンの単純さに呆れかえったのも事実だ。
(元三陸河北新報社記者・久野義久さん)
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いかがでしょうか。
いつも昔の映画ですが、DVD販売があるそうで助かります。
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次回も宜しくお願いします。
それでは、失礼しました。
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