§::万華鏡∞日記::§

「定期記事」で①きょうの運勢②首相日録③きょうの言葉④DMMFX要人発言が主です。その他「映画」「音楽」「書籍」の紹介文や、雑記もあります。

【書籍】話題の本をピックアップ!ぜひ、ご紹介します!?/2023.05.15。。(´・ω・`)


こんにちは、ハクです。


毎週日曜日、河北新報2版に「書籍紹介」があります。
試しまして、こちらよりご紹介させて戴きます。
書籍数はあまりにも多いので「評」する紹介文がある本だけと致しました。


どうぞ、ぽちっと「折りたたみメニュー」で、ご覧くださいませ。

例)折りたたみメニューはこちらです
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★★★★[ 紹介文はこちら ]★★
大当たり!( ´,_ゝ`)プッ

宜しくお願い致します。


 ◇


【著者とひととき】
『北関東「移民」アンダーグラウンド技能実習生の現実追う
安田 峰俊さん


★★★★[ 紹介文はこちら ]★★

  「技能実習制度の鬼子的な存在」―。ルポライター安田峰俊さんが新著で迫ったのは、実習生の逃亡したベトナム人。自身の「ボドイ(ベトナム語で兵士や部隊の意)」と称し、日本社会から見えないコミュニティーを形成、時には犯罪にも走る彼らを「かわいそうな弱者でも、排斥の対象でもない、現実に存在する問題として捉える必要がある」と訴える。


  無免許で無保険車を運転し住民を巻き込む死亡ひき逃げ事故を起こす、さかいが発展しての刺殺事件、大量窃盗疑惑まで…。ベトナム人が多く住む北関東を中心に起きた、ボドイ絡みの事件や疑惑をリポート。地方でこんなにも問題が起きているのかと驚かされる。


  中国取材が専門だが、来日外国人犯罪の中心が中国からベトナムに移っていることに関心を持ち、事件があると、現場周辺のベトナム人のたまり場を訪ね歩いた。「コメやビール類を差し入れ酒食を共にし、信頼を得ました」。取材でハードルとなる言葉は、インドシナ難民2世の「チー君」が通訳として、珍道中の協力を助っ人になった。


  ボドイに感じたのは「昭和の不良たちのような、行き当たりばったりさ」。技能実習生は、現地のブローカーや送り出し機関に多額の借金をして、来日する者が多いが「現地でも情報に疎く、物事の後先を考えない層が、ブローカーの甘言に引っかかる」。来日後もより稼げる場を求め、逃亡する悪循環が生まれる。


  日本社会と距離を置くボドイは、今後どうなるのか。「円安の日本に来ても稼げないとの認識が広まっている。日本の経済的停滞とベトナムの成長が続けば、早晩いなくなるでしょう」


  ただ、同種の問題は他国との間で繰り返されかねない。根本的には技能実習の制度を労働移民にして移動や職業選択の自由を認めれば、地方での就業は誰も選ばない」と厳しい認識を示す。「賃上げは一つの策だが、人権擁護で消費者が商品の値上げを受け入れるだろうか。極めて難しい問題です」


(「北関東『移民』アンダーグラウンド」は文芸春秋・1760円)



【読 書】
『散り花』…白熱するプロレス小説
中上 竜志(なかがみ・りゅうし)
1978年奈良県生まれ。現在、住宅関係の自営業。2022年、本作で日経小説大賞を受賞しデビュー。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・池上 冬樹(文芸評論家)


  第14回日経小説大賞受賞作である。この賞では近年、正統派の歴史・時代小説が顕彰されることが多いのだが、今回は珍しくもプロレス小説。少し通俗的過ぎる題材ではないかと思ったのだが、いやあこれが読ませるのだ。「読むプロレスの面白さ。(中略)言葉のバトルと肉体のバトルの混然一体ぶりに酔った」(選考委員・辻原登)というのも納得だ。


  プロレス界内最大の団体に所属する立花は、入門5年間で海外武者修行に抜てきされるなど将来性を買われていたが、33歳のいまではスター選手の引き立て役にすぎず、引退の文字もちらついていた。


  そんな時、スター候補生のタイトル挑戦権がかかった試合で、負けることを求められた立花は、血が騒ぎ、衝動的に相手を倒してしまう。解雇された彼はフリーになり、レスラーたちに真剣勝負を挑んでいき、壮絶な戦いが続くことになる。


  プロレスには台本があり、最初から勝敗は決まっている。大事なのは「勝敗ではなく内容だ。内容に勝った者がほんとうの勝者であり、負けが悔しいなら、相手よりも光れ」となるのだが、立花は反旗を翻す。団体はつぶしにかかり、立花は満身創痍のままで死闘を繰り広げていく。「試合場面の描写がとんでもなくうまく、技の名を知らない私でも動きが目に見える」(同・角田光代)ほどのすさまじい迫力の連続だ。


  しかも物語を面白くしているのは、同期3人を含む選手同士の友情と憎悪という主題が、プロレス団体再編の動きによる謀略も絡んで白熱化していく点だろう。散るしかない男の壮烈な美がいちだんと際立っていく。


  なお、関係者によると、本書の24章までが応募原稿で、最終の25章は単行本化の際に追加されたものだという。結末ががらりと変わる内容で驚くが、同期3人の男たちの確執という脇筋に光をあてた良き決着点で、余韻が決まっている。注目の受賞作、注目の新人の登場だ。


 (日本経済新聞出版・1760円)



【読 書】
『本売る日々』…「薬」となる知識と教養
青山 文平(あおやま・ぶんぺい)
1948年横浜市生まれ、作家。「つまをめとらば」で直木賞、著書に「白樫の樹の下で」「底惚れ」など。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・田中 美穂(古書店店主)


  いまから200年ほど前になる文政年間、城下で本屋を営む「私」は月に一度、得意先である村々の名主のところへ行商にまわっている。扱うのは漢籍や歌学、国学などの学術書ばかりだ。


  活版ですらずいぶんな手間と感じられるいまの時代には想像も難しくなったが、当時の印刷技術といえば木版。職人たちが一文字、一文字版木に彫り、手すきの紙に刷っていたのだ。


  おのずと世に出される本の数は少なく、大変貴重なものだった。表題作をはじめとした3編の連作はいずれも、そのような本を愛し、知識と教養を求める人々の言葉が印象に残る。


  江戸時代の中、後期は武家が本領を発揮する場がなくなり、かわって経済を動かす商家や有力な農家が勢いを持つようになる。著者の作品には、こうした変革期に生きる人々の迷いや哀切を描いたものが多く、その姿は先行き不透明な現代のわたしたちとも重なる。


  ある出来事から胸に鬱屈を抱える藤助という名主は国学に傾倒しているのだが、彼は、国学は自分にとっての「膏薬」なのだという。いまよりもはるかに、生まれついた場所や立場から逃れることが難しかった時代に、これが唯一の現実ではないと実感されてくれる「とびっきり能く効く膏薬」なのだと。


  確かにそれは読書の最大といっていい楽しみであり、効能であると思う。もちろんジャンルは人それぞれだ。本を開けば、どこへでも行くことができる。そして本屋はその仲立ちをする、このうえなくうれしい仕事なのだ、と古本屋を開いている筆者も改めて感じた。


  余白を残す簡潔な文体は心地よく、会話文も現代のものと変わらないため、時代小説にあまりなじみのない方でも読みやすいのではないか。主人公はもちろん、登場人物もみな魅力的で、夢中で読み進んでいるうちに、最後には「ああ、そうくるのか」と感嘆の声が漏れ、思わず手をたたいて喜んでしまった。


 (文芸春秋・1870円)



【読 書】
統一教会…正体知るための入門書
桜井 義秀(さくらい・よしひで)
1961年上山市生まれ。北海道大大学院教授。専攻は宗教社会学。著書に「東アジア宗教のかたち」など。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・青木 理(ジャーナリスト)


  ある世代より上の者にとって世界平和統一家庭連合(旧統一教会)は、霊感商法など数々の社会問題を引き起こす一方、「反共」を軸に右派政治と怪しい蜜月を築く、おぞましくも正体が判然としない異形のカルトと認識されてきただろう。逆にある世代より下なら、元首相銃殺事件で突如注目された謎も解く格好の入門書である。教団の成り立ちや教義から霊感商法の手口、さらにはそんな反社会的カルトと元首相らはなぜ蜜月を続けたのかがコンパクトにまとめられている。


  世代的には前者に属する評者は、取材も通じて教団を知っているつもりだったが、あらためて目を見開かされるr指摘が本書には幾つもあった。


  まず教団が1980年代、信者教育に「チャート式学習」を導入したという事実。同時代の教育界でもチャート式参考書がまてはやされたと振り返る著者は、それによる教団の思惑をこう記す。「組織の指揮系統を疑わない忠実な信仰者が信者のモデルとなった」


  物事を自らの頭で考えず、批判的感性も養わない教育とパラレルのカルト。この著者の指摘にはカルトの土壌が奈辺にあるかを突きつけられたようでゾッとさせられる。


  もう一点、膨大な被害を生んできたカルト教団の反社会的活動をどう迎え込むか、それは喫緊の課題だが、本書で著者はこんな警鐘も鳴らす。


  「日本では(略)国民の精神的統合を図るために、異を唱える宗教団体を行政的に管理・統制してきた戦前の歴史がある」「国家や権力に近い専門家集団が宗教とカルトを区別するような制度は、恣意的に使われるおそれもあり、注意しなければならない」


  カルトの被害やそれを許した政治への憤りは忘れず、しかしこの指摘も私たちは肝に銘じておく必要がある。


 (中公新書・1056円)



【読 書】
『ワクチン開発と戦争犯罪…汚れた水脈絶たれたか
倉沢 愛子、松村 高夫(くらさわ・あいこ、まつむら・たかお)
(倉沢)1946年生まれ。慶応大名誉教授。専門はインドネシア現代史。(松村)42年生まれ。慶大名誉教授。


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 評・山岡淳一郎(ノンフィクション作家)


  歴史の教科書は1945年8月の敗戦で日本は民主化、非軍事化されて生まれ変わったと教える。が、現実には政官財の中核に戦前、戦中の人脈が受け継がれ、独善的体制が残存している面もある。本書は、そうした不都合な真実を「ワクチンと731部隊」の観点から衝く好著である。


  軍医・石井四郎が率いた731部隊(関東軍防疫給水部)のネットワークは、中国大陸で細菌攻撃や人体実験の蛮行を繰り広げた。さらにインドネシアにも手を伸ばし、ワクチン開発に失敗、甚大な被害をもたらした、と著者は推論する。


  焦点は、1944年夏、ジャワ島各地から労働力として集められた「ロームシャ」の破傷風による大量死だ。ロームシャは、収容所でチフスコレラ赤痢の3種混合ワクチンを接種された後、発症している。


  日本軍はこの破傷風事件をインドネシア人医師による反日謀略と断じた。ワクチンに破傷風菌を混ぜたとし、有罪とする。戦後の連合国軍による戦犯裁判でもロームシャの被害は軽んじられ、事件は顧みられなかった。


  しかし、著者は膨大な資料とインタビューを精査し、日本軍がインドネシア人医師を「スケープゴート」に仕立てた手口を解き明かす。731部隊関係者が、どのようにワクチン開発を間違ったかまで推定している。


  由々しきは、石井ら731部隊の医師ほぼ全員が戦後、蛮行のデータを米国に提出するのと引きかえに戦犯免責され、医学界、官界、実業界などに復権した事実だ。「民衆のためではない、『軍の、軍による、軍のためのワクチン』であったことからくる必然的帰結であった」と著者は記す。


  汚れた水脈は絶たれたのか?数字はあげておこう。新型コロナウイルスワクチン接種後の副反応が疑われる死亡率は2千件超。接種と死亡の因果関係が認められ、死亡一時金が支払われた例は53にとどまる(2023年4月20日現在)。人の尊厳が冒されている。


 (岩波書店・2530円)



【読 書】
『この、あざやかな闇』…答えなき現在をつづる
ジェフ・シャーレっと(JEFF・SHARLET)
1971年生まれ。米国ダートマス大教授(英語・クリエイティブライティング)


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 評・きりとりめでる(美術批評家)


  冒頭、全ての写真の被写体がいずれ「死にゆくものなのだ」と家族愛から論じたロラン・バルトの「明るい部屋」を、インスタグラムの大衆的な写真の分析に反転しただけの本かと思ったが全く違った。何も扇動しない、膨大な会話のデッサンのような本書は、米国を中心とした2015年前後の、家族や信仰の在り方、暴力と無関心、時給と生活を書いた文学的ルポルタージュだ。


  中盤の問いは鮮烈だ。15年に警察官の銃弾に倒れた黒人チャーリー・クネインについて「この男(犯罪歴があり、ドラッグ常習者のホームレス)は死んで当然だったのか」。「ブラック・ライブズ・マター(BLM=黒人の命も大事だ)」運動で焦点化される人種差別ではなく、暴力自体を著者は問題にする。ロシアのレズビアンは見知らぬ人に殴られ当然なのかと。


  著者は多くの人間と出会いスマートフォンで写真を撮った。時にそれはインスタグラムのタグ「#nightshift」でつながった夜勤の労働者であり、「同性愛宣伝禁止法」を巡るロシアの人々だ。大抵が仮名である彼らのスナップは、手が伸ばせる程度の距離を撮るのに向いたスマホのレンズのために寄りとなり、生々しい。


  唐突に何度か著者自身の家族の描写が入るのは、家族愛を他者へ敷衍することが、社会の悲惨さへの一定の処方箋になってくれという言外の祈りだろう。しかしそれは限定的で、むしろ家族愛から切り捨てられ、生活保護シェルターの空きをモーテルで待つ61歳の女性が描かれる。そういった現在を著者はナレーション無しに、読者に受け止めさせる。


  パンデミック以前の世界を提起する本書は、「暗闇は光の不在ではなく、インクの実在である」という。時代の集合記憶、あたりまえを言語化する領域でもある写真論としても白眉で歴史的意識のある作品であり、写真論を答えなき現在をつづる手段とした点にも感銘を受けた。


 (安達真弓訳、駒草出版・2530円)



 ◇


※「読み楽しむ」のでしたら、こうすると安く、お薦めです!
 どうぞ、詳細をご覧ください。


いかがでしょうか。今回も読みたいと思います。
その書籍の紹介文はなるほど、読みたくなるのはすごいものです。
これもアフィリエイトのための文章力(ライター?)の参考のために読み続けます。
では、失礼しました。


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