§::万華鏡∞日記::§

「定期記事」で①きょうの運勢②首相日録③きょうの言葉④DMMFX要人発言が主です。その他「映画」「音楽」「書籍」の紹介文や、雑記もあります。

【書籍】話題の本をピックアップ!ぜひ、ご紹介します!?/2023.05.01。。(´・ω・`)


こんにちは、ハクです。


毎週日曜日、河北新報2版に「書籍紹介」があります。
試しまして、こちらよりご紹介させて戴きます。
書籍数はあまりにも多いので「評」する紹介文がある本だけと致しました。


どうぞ、ぽちっと「折りたたみメニュー」で、ご覧くださいませ。

例)折りたたみメニューはこちらです
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★★★★[ 紹介文はこちら ]★★
大当たり!( ´,_ゝ`)プッ

宜しくお願い致します。


 ◇


【著者とひととき】
『水車小屋のネネ』…支えられ希望見いだす
津村記久子さん


★★★★[ 紹介文はこちら ]★★

  お金はそんなにないけれど、豊かな人生がここにはある。「持たざる者」の物語を描いてきた津村記久子さんの新作は、親を頼れなかった姉妹が家を出て大人になるまでの40年間を追う。「周囲の人がそれぞれ無理なく手助けすれば、いい人生を送れるだろうという希望を描きたかった」。そして人々の中心にいはいつも、ちょっと不思議でおしゃべりな鳥がいる。


  始まりは、1981年。姉の理佐は18歳、妹の律は8歳。離婚した母が連れてきた「新しいお父さん」は理佐の進学を阻害し、律を家から閉め出す人だった。家を出す決意をした理佐は、「鳥の世話じゃっかん」と付記された住み込みのそば屋の仕事を見つけ、親と決別する。


  「お母さんは男の人と一緒にいたかったんだと思います。こういう大人はいるし、子どもはそれを許さなくてもいい。大人に言い訳をさせたくなかった」


  店の近くには、そば粉をひく石臼が置かれた水車小屋があり、中には大型インコのヨウムがいる。名前はネネ。ラジオの曲に合わせて陽気に歌いながら、臼が空ひきにならないように見張っているのだ。律は言う。「鳥がうすを守っているんだ!」


  「実は私が欲しいものを書いてるだけなんです。お姉ちゃん、水車、ヨウム…。特にお姉ちゃんは、いくら欲しくてもかなわないでしょ?」


  収入の少ない姉妹の暮らし向きは網渡しのように厳しい。けれど、そば屋の夫婦、描きの杉子さん、律の担任の藤沢先生。いろんな大人に少しずつ支えられ、2人は成長してゆく。時はたち、水車小屋にはつらい過去を抱えた青年や人間関係に悩む中学生が訪れ、ネネの世話をする。


  「相手が動物だから、みんな本音が言える。『あなたのことが分かる』のでも『分からない』わけでもない。一緒にいるうちに、問題が雲散霧消してしまう感じです」


  やがて東日本大震災が起き、新型コロナウイルスの流行があっても、寿命は50年と言われるヨウムのネネは元気だ。「まるで、世話したまえ、という感じですよね」


(「水車小屋のネネ」は毎日新聞出版・980円)



【読 書】
『バールの正しい使い方』…うそに宿る純粋な愛情
青本 雪平(あおもと・ゆきひら)
1990年青森県生まれ。作家。2019年「ぼくのすきなせんせい」で大藪春彦新人賞。作品に「人鳥クインテット」など。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・海猫沢めろん(作 家)


  かつて読んだある小説作法の本に、「主人公を子供や小学生にするのは避けた方がいい」と書かれていた。子供は大人と比べてできることに制限があり、物語を作るのが難しいというのが理由だった。


  確かに初心者向けのアドバイスとしては一理ある。しかし、さまざまな制限がある子どもを主人公にするからこそ、成立するミステリーもある。本作がまさにそれだ。


  父の都合で転校を繰り返す小学生の要目礼恩(かなめれおん)。彼は新しい学校へ行くたびに「擬態」し、カメレオンのように自分を隠しながら、クラスメートたちを冷静に観察する。


  六つの学校、少年少女たちの語る六つのうその物語。そのなかにはなぜかいつも「バールのようなもの」の存在が見え隠れする。礼恩の推理は、みんなが隠したうそと罪を静かに解きほぐしながら、彼は最後に残った「バール」の謎にたどり着く。


 「バールのようなもの―。誰かが発した言葉で、改めて耳にしてみると、これほど硬そうなのにそれでいてふんわりとして、捉えどころのない言葉はほかにないように思える」


  礼恩の視点でそんなふうに描写される「バールのようなもの」とは、刑事事件において「凶器不明」というような意味でつかわれる表現だ。


  ミステリー小説などでもよく使われることがあるが、「バール」という言葉には、確かに滑稽だがどこか不気味な、独特の雰囲気が漂っている。あまりにも武骨で、何にでも使えそうな―だからこそ、小説のなかでそれはさまざまに解釈される。


  連作短編ミステリーの最も美しい形式は、それぞれに解決していた事件が、最後のひとつのピースがまることでまったく別の形に見える、どんでん返しタイプのものだ。


  だが本作はそれだけにはとどまらない。大人になるにつれて忘れていった、小学生時代の無力さと、切なさや絶望。そして何より、純粋な愛情が宿っている。


 (徳間書店・2090円)



【読 書】
『天啓 ハンセン病歌人明石海人の誕生』…「臣民化」する国家意思
松岡 秀明(まつおか・ひであき)
1956年、さいたま市生まれ。東京大死生学・応用倫理センター研究員。「心の花」所属の歌人。歌集に「病室のマトリョーシカ」。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・大辻 隆弘(歌 人)


  昭和初期に注目を浴びたハンセン病歌人・明石海人(1901~39年)。死の直前に刊行された歌集「白描」はベストセラーになり、その名は短歌史に刻まれている。が、なぜかれはそこまで衆目を集めたのか。なぜ「白描」は売れたのか。この書は、その謎を示談との関連の中で解き明かした評伝である。


  驚かされたのは、著者が当時の時代背景を詳細に調べ上げているという事実である。31年に「癩予防法」が成立し、全てのハンセン病患者を隔離するという「絶対隔離」が実施される。海人が収容された岡山県の長島愛生園も、その施設の下に設置された療養所だった。


  この療養所には、皇太后から多大な資金援助があった。海人はその恩愛に感動し、<みまぐみは言はまくかしこ日の本の癩者と生れてわれ悔ゆるなし>(恐れ多くも皇太后さまから恵みを頂いた。日本に生まれたハンセン病患者として私には何の悔いもない)という歌を作った。


  著者は、このエピソードの中に「臣民化」という時代の風潮を見て取っている。ハンセン病患者を社会から隔離し「祖国浄化」をする。一方で、排斥された患者を皇室が慈しむ。そして患者はそのご恩に感謝する。


  明石海人というスターが誕生した背景には、天皇制の下、民衆を「臣民」として統合しようとする国家意思が働いていたのだった。


  海人自身もその意思に敏感に反応した。彼は「癩者」という自己像を意図的に造形し、綿密な構成意識でもって「白描」の中にそれを提示していった。著者は「白描」の編集過程を執拗に追いながら、海人の自己プロデュースのプロセスを解明している。


  私たち読者は一冊の歌集の背後に、作者の「人生」を読み取ろうとしがちである。海人は、その「読み」を逆手にとってしたたかに時代の寵児(ちょうじ)となっていった。


  明石海人という歌人に、新たな光を当てる刺激的な評伝である。


 (短歌研究社・2970円)



【読 書】
ウクライナ戦争をどう終わらせるか』…未来を提言 交渉が重要
東 大作(ひがし・だいさく)
1969年東京都生まれ。上智大教授。NHKを経て、国連アフガニスタン支援ミッション和解・再統合チームリーダーなどを歴任。


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 評・広瀬 陽子(敬東大教授)


  ウクライナ戦争勃発から1年以上が過ぎたが、その終結を全く展望できない中で、出版された本書は、ウクライナ戦争の今後、そして日本の取るべき方向性について、貴重な知見と示唆を与えてくれる良書である。


  著者は実践の研究者であり、アフガニスタンをはじめとした多くの戦争や内戦で苦しむ国々で、身をもって和平調停や平和構築活動を行ってきた。また、多くの著書を出版し、世界の現状に関する啓蒙活動にも従事してきた。現地の情勢を直接見聞きしている著者の言葉は重く、説得力がある。


  本書の前半では、これまでの戦争の終わり方を提示し、第2次世界大戦後に大国が小国に侵攻する試みは失敗し、最後は交渉によって大国が撤退してきた現状を示す。その上で、ウクライナ戦争を交渉によって終わらせることが重要だとしつつ、五つのシナリオを提示しながら、今後の展望を考える上での鍵を提示している。


  そして後半では、ウクライナの隣国モルドバでの調査をもとに、ウクライナ周辺国に及んだ戦争の影響、モルドバという国自体が抱えるロシアとの問題などを明らかアにしつつ、モルドバをはじめとする近隣国を支えることもウクライナ支援の重要なパーツであり、かつ日本はその点で大きな貢献をしてきたことを指摘する。


  そして、日本はグローバルな問題解決に貢献するために現場での地道な活動を積み上げ、同時に対話の促進者、「グローバル・ファシリテーター」として友好国を増やす外交をしてゆくべきだと強調する。


  ロシアの軍事侵攻にはこれまでの戦争に見られなかった多くの点があり、歴史的シナリオがそのまま繰り返されることはまずないが、歴史に学びつつより早い戦争の停止を目指すべきだ。その上で、ウクライナに不利益を強いる「不当な平和」という結論に至らないような恒久的な平和を国際社会が追求するべきだろう。


 (岩波新書・1012円)



【読 書】
『中国パンダ外交史』…友好演出を超える打算
家永 真幸(いえなが・まさき)
1981年東京都生まれ。外交、東京女子大准教授。著書に「国宝の政治史―『中国』の故宮とパンダ」(東京大学出版会)など。


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 評・三船 恵美(駒沢大教授)


  ころころ、もこもこ、かわいいパンダ。ジャイアントパンダは、世界中でとても多くの人々の心をつかんできた。


  著者はこの本で、中国がパンダという「資源」を約150年の外交でいかに利用してきたのか、その変遷をテンポのよい巧みな運筆で論じている。


  中国内でもほとんど知られていなかった珍獣を「かわいいパンダ」と宣伝し、中国外交の「宣伝工作員」として国際政治の舞台に登場させたのは、宋美齢であった。中国近現代史に多大な影響を与えた3姉妹のうち、蔣介石夫人となって「権力を愛した三女」と呼ばれた宋は、日中戦争期に、国民党下の宣伝外交活動の一環として、パンダを外国に贈呈した。


  その後、パンダは一大転機を迎えた。国共内戦で国民党政権が台湾へ敗走すると、中国もパンダも「共産化」した。パンダの重要性に気づいた共産党政権は、愛国主義教育や有効外交演出に利用していった。日本と中国が1972年9月に国交を回復すると、その翌月、雌の「ランラン」と雄の「カンカン」が中国から「日中友好の証し」として贈られてきた。


  著者はパンダ外交を「外国がそれを熱心に欲しかがったからこそ生まれた中国の外交戦術」と指摘する。ワシントン条約を考慮して有料化した現在、高額のレンタル料を支払てでも、それ以上の経済効果をパンダ誘致に見込んだ動物園やその周辺地域、そして「友好を演出する以上の打算」がある中国、双方の思惑が一致するからこそパンダ外交が成立してきた。


  とはいえ、日中国交正常化とパンダ来日の50周年は盛り上がりに欠けた。日中関係が厳しい状況の現在だからこそ、パンダという「ソフト・パワー(魅力で他国を動かす力)」で「パブリック・ディプロマシー(他国の国民や世論に働きかける外交活動)」を展開しようとねらう中国に対して、「だったら、強硬な『戦狼外交』なんてやえればいいのに」と読者は思うことであろう。


 (講談社選書メチエ・1760円)



【読 書】
『北九州監禁連続殺人事件』…心を監禁 闘争を許さず
小野 一光(おの・いっこう)
1966年北九州市生まれ。戦場から風俗までをテーマに取材・執筆を行う。著書に「風俗ライター、戦場へ行く」など


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・野田 敦子(コピーライター)


  松永太という一人の男の搾取と虐待によって、起訴されただけでも5歳から61歳までの一家を含む計7人が命を落とした北九州監禁連続殺人事件。本書は、詳細な裁判記録や広範な取材で得た証言などを積み重ね、2002年に発覚したこの事件の全貌に迫る。


  被害者たちは、むごたらしくも家族で互いを殺し合い、遺体の解体まで強いられた。「逃走の機会があったにもかかわらず、ごく一部の例外を除き、逃げ出せずに自ら犯行に加わってしまった(中略)なぜそうした、マインドコントロールともいえる状況下に、周囲の者たちは置かれてしまったのか」。著者の問いに導かれ、「逃げるなら、いつだったのか?」を探りながら読み進めた。


  共犯者であり、自らの両親や妹一家に限れは、松永の暴力に耐えきれず実家で自殺を図ったときだろう。しかし彼女はの悩みを口にせず、両親も「救急搬送時にサイレン音を消してもらうなど、世間体を強く気に」した結果、強引な松永に娘を返してしまう。親子間に芽生えていた不信と世間体を思う一瞬の逡巡が、理不尽な要求を拒絶する瞬発力を奪ったのだ。


  一つ受け入れれば、次の拒絶がさらに困難になることは、私たちもしばしば経験することだ。相手のペースに巻き込まれ、操り人形のように従う日々。そのうちに恩を売られ、弱みを握られ、片棒を担がされ、「逃走の機会があったにもかかわらず逃げ出さない」という心の監禁が完成する。


  今もどこかで松永に似た悪魔が、誰かの心を監禁しようと狙っているかもしれない。目の前の相手に反論できず、「こうするしかない」「これでいいんだ」と自分で自分を説得し始めていたら、危ない。逃げろ。一刻も早く。それこそが、心の監禁のサインだからだ。


  著者は、被害者や遺族の尊厳に配慮し、猟奇性を強調しない冷静な筆致を貫く。全編にノンフィクション作家の矜持と節度を感じる大作だ。


 (文芸春秋・2420円)



 ◇


※「読み楽しむ」のでしたら、こうすると安く、お薦めです!
 どうぞ、詳細をご覧ください。


いかがでしょうか。今回も読みたいと思います。
その書籍の紹介文はなるほど、読みたくなるのはすごいものです。
これもアフィリエイトのための文章力(ライター?)の参考のために読み続けます。
では、失礼しました。


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