§::万華鏡∞日記::§

「定期記事」で①きょうの運勢②首相日録③きょうの言葉④DMMFX要人発言が主です。その他「映画」「音楽」「書籍」の紹介文や、雑記もあります。

【書籍】話題の本をピックアップ!ぜひ、ご紹介します!?/2022.12.05。(´・ω・`)


こんにちは、ハクです。


試しに、日曜日にあります、書籍紹介の新聞2版があります。
あまりにも多いのですが書籍を「評」する紹介文がありまして、よく読んでみています。
参考には良いと思い、出してみました。

このように記入すると時間がかかり、6冊しかできませんでした。すみません。
どうぞ、ぽちっと「折りたたみメニュー」をお願いたします。


 ◇


【著者とひととき】
『天路の旅人』…真の旅人へ成長の軌跡
    沢木耕太郎さん


★★★★[ 紹介文はこちら ]★★

  9年ぶりの長編ノンフィクションで沢木耕太郎さんが問うたのは、旅人とは何か。第2次大戦末期に日本の「密偵」として中国大陸の奥地へ潜入し、敗戦後もインドまで足を延ばした西川一三の8年の旅をよみがえらせた。いかに書くか、「方法」にこだわってきた沢木さんだが、新著は「今まで書いたものの中で、最も平凡」だと話す。その真意はどこにあるのか。

  構想25年。執筆を本格化させてから7年を要した。「こんな人がいたのか」と驚き、生前の西川の元に1年通いインタビューしたが、すぐには執筆できなかったと言う。

  西川の旅は1960年代の著者「秘境西域八年の潜行」(中公文庫)に克明に記されており、「自分が新たに何か書く意味があるのか、ためらいがあったのかもしれない」。2008年に西川が死去し、同署から削られた内容を含む原稿が見つかったのを機に二通りの方法で書いてみたが、やはり、何かが違う。

  だがある時、分厚い文庫本3冊に及ぶ同書をどれだけの人が読んだか、疑問が湧いた。「彼の旅の道しるべとなる本を出してもよいのではないか。彼とその旅の面白さを読者に味わってもらうためなら、どう受け取られても構わない」と思い切った結果、三人称の語りを基本に随所に解説を挿入する「普通」の執筆スタイルに行き着いた。

  力を注いだのは、西川の内面の描写だ。異国の地で旅を始めた時の恐れや不安。難局を乗り越えた喜び…。真の旅人へ成長する軌跡を生き生きと再現したかった。「彼は旅を終えた人として本を書いたが、最初は何も知らなかった。(旅の中で)どう思ったのかは、取材の重要な根幹でした」

  戦時中の西川は、沢木さんが紀行文学の金字塔「深夜特急」の基になったユーラシア横断の旅をしたのと同じ20代半ばだった。敗戦で当初の使命を失うも、次第に解き放たれ、自由があればどこで何をしても生きられる、と人生が旅そのものになった西川。沢木さんは、ここまで徹底した旅人がいるだろうか、と語る。「生き方として、僕にとって何か示唆的な感じがする。素晴らしいよね」


(「天路の旅人」は新潮社・2640円)



【読 書】
『韓国文学の中心にあるもの』…戦争の記憶と継承 力に
斎藤真理子(さいとう・まりこ)
1960年新潟市生まれ。翻訳者、ライター。「カステラ」で日本翻訳大賞、「ヒョンナムオッペへ」で韓国文学翻訳大賞。


★★★★紹介文はこちらです★★

 評・波田野節子(新潟県立大名誉教授)


  第一線で活躍中の翻訳家による待望の書である。最初、現代韓国文学の翻訳出版が目覚ましいが、歴史に照らした手引書に欠かせるうらみがあった。本書は、著者が翻訳してベストセラーになった「82年生まれ、キム・ジヨン」が出た2018年からさかのぼり、韓国が日本の植民地から解放された1945年までの韓国文学の流れを、作品に沿って分かりやすく解説してくれる。

  植民地から解放された後の朝鮮半島は冷戦体制に翻弄され、ついに朝鮮戦争が勃発する。この戦争は日常生活の場を戦場にする地上戦であり、その上イデオロギー戦争であったことが被害を甚大にした。そして現在まで休戦協定のままであるという状況が、この戦争をいや応なく韓国文学の「中心」に据えたのである。だが韓国文学はこの逆境を強みに変えた。

  著者が主として翻訳しているのは、87年の民主化宣言の後に成人した若い作家たちの作品である。世界中のカルチャーを吸収してナショナリズムから解放されているこの世代に共通するのは、後に続く世代のために責任を持とうという感覚であり、それを支えているのは、日常的に耳にすることで継承した朝鮮戦争の記憶である。それが「一歩前へぐっと踏み出させるような力」を今の韓国文学に生んでいるのだという著者の言葉は、翻訳する者の実感にあふれている。

  一方、日本で朝鮮戦争は忘れられた。隣国の戦争を意識していた柴田翔の小説「されど われらが日々―」の中には高校生が朝鮮戦争について討論する場面がある。その場念を完全に忘れていた読書経験を語りながら、著者は、日本人がこの戦争を早々に記憶から消し去ったのは「特需」を恥じたからではないかと問う。

  過去に植民地にした国で起きた戦争で儲けたことが忘却を促したという疑いは、現在ウクライナ戦争を眼前にしている私たちの心をヒヤリとさせる。


 (イースト・プレス・1650円)


【読 書】
噺家 小三治…尊敬と愛情 標う喪失感
橘 蓮二(たちばな・れんじ)
写真家。演芸・落語写真を中心に活動を続け、落語会プロデュースや寄稿も多数行う。「落語の凄さ」など著者多数。


★★★★紹介文はこちらです★★

 評・奥山景布子(作家)


  2021年10月、柳家小三治が亡くなった。本書では、立場の違う4人が、それぞれの知る小三治について語っている。

  第一章の筆者は広瀬和生。当代随一というべきこの落語の見(聴)巧者は、小三治を「人間という存在の可愛さを描く達人」と評した上で、古今亭志ん朝立川談志との比較を通してその芸質を丁寧に掘り下げる。冷静で分析的な文章でありながらも、一ファンとしてのリスペクトと喪失感、両方の深さがにじみ、結びの「ありがとう、小三治さん」という言葉に胸を打たれる。

  第二章の筆者は倉田美紀。05年に出会ってから小三治が亡くなるまで、17年間の長きにわたってその高座を支えたマネージャーだ。落語も小三治もまるで知らなかった20代の女性が、小三治から「うちの子」と呼ばれるまでの信頼を得ていく道程は興味深いが、彼女の目を通した小三治は時に気まぐれでわがままな「妖怪理不尽」。なのに、読んでいて少しも嫌な感じがしないどころか、本当にかわいらしい人だったんだろうと思わせるのは、「師匠を特別扱いせず一人の人間として接したい」との筆者の姿勢が、人々の何げない会話の持つ面白みを重んじた小三治の噺のありようと響いた故と推察する。

  第三章は対談で、弟子の柳家三三が登場する。噺家は、いったん弟子になってしまえば、師匠の噺を客席で正面から見る機会はなくなるが、袖で見ていた人ならばはの小三治像が、対談相手である写真家、橘蓮二の巧みな誘導で次々に引き出されてくる。師匠の葬儀の翌日の高座を前に三三が言ったという「いつもと変わったことはしないよ」の言葉は、小三治の美学が確実に三三に継承された証しだろう。

  そして、全章にわかって措しみなくふんだんに挟み込まれた、橘による小三治の写真。豊かな表情、生き生きとしたしぐさに、生前の声が耳によみがえる気がした。噺家小三治にもう一度出会える、貴重な一冊である。


 (河出書房新社・2585円)


【読 書】
『日本経済の見えない真実』…異次元緩和 痛烈に批判
門間 一夫(もんま・かずお)
1957年生まれ。81年日本銀行入行。調査統計局長、企画局長、理事(金融政策担当、国際担当)を歴任し、2016年退職。


★★★★紹介文はこちらです★★

 評・軽部 謙介(ジャーナリスト)


  経済書を読んでニンマリすることはあまりない。しかめっ面をして、重要と思われる箇所にラインマーカーを引いていくのが常だ。

  しかし、本書を読むと要所で頬が緩む。笑いを取ろうと意識しているわけではないのだろうが、低成長、内部留保、賃金などさまざまな経済問題を取り上げる筆の運びは軽妙で、いつもの語り口そのものだ。

  白眉は著者の専門である金融政策だろう。黒田東彦日銀総裁が進めてきた異次元金融緩和。「デフレが日本経済最大の問題」→大胆な金融緩和を行えば2%くらいのインフレ達成が可能」→「簡単にできて大きな効果が期待できるのであればそれを試してみよう」―。この政策が始められた経過について、著者は「合理的」と評価する。

  そして「実際に試してみたら、やはりそれは違っていた」と結ぶ。盛り上げ方、落とし方が落語や漫才の構成に似ている。

  そうやって読者を誘い込んだ後で、経済学的な解説を加えて門間流の結論に導く。異次元緩和が掲げた「通貨の量による金融緩和」「期待インフレ率を上昇させる」といった中心的なロジックに関しては、「矛盾がある」「現実への洞察を欠いている」などと手厳しい言葉が並ぶ。

  「日銀が全力で金融緩和をやり切り、かつそれを粘り強く続けたことで、日本経済の問題は金融政策ではない、ということが誰の目にも明らかになった。人々がそう認識できる状態を作り上げたことこそ、異次元緩和の歴史的な功績である」。こういう皮肉に思わず笑いが込み上げた。

  ちなみに、著者は日銀理事時代の2013年1月、2%のインフレ目標を盛り込んだ政府との「共同声明」作成に関与している。

  本書の中でこの目標に関して「できもしないし、要りもしない」と結論づけるシニカルな態度は、中央銀行の独立性など歯牙にもかけず力任せに押してきた政治への批判と勝手に解釈した。

 (日経BP・2640円)


【読 書】
『ネットと朝ドラ』…作品から読み取る「今」
木俣 冬(きまた・ふゆ)
東京都生まれ。フリーライター、ノベライズ作家。2015年から毎日朝ドラをレビュー。著者に「みんなの朝ドラ」など。


★★★★紹介文はこちらです★★

 評・矢部万起子(コラムニスト)


  1961年に始まったNHKの「連続テレビ小説」(通称「朝ドラ」)。古びず、令和になっても話題なのはネットが関係してのこと。昨今の「#ちむどんどん反省会」現象からもわかることだけど、それってなぜ??

  そんな疑問を解き明かしてくれるのが本書。「自分語り」の格好のツールがSNS、そこで語られるべく戦略を練る制作陣。見る側作る側の必然が、ネットと朝ドラの蜜月を生んでいるとわかる。

  同時にそれが、ストーリーにも影響を与えていると著者。例えば「伏線」も、視聴者の「考察&投稿」心を刺激することを前提に工夫するのが今どきの朝ドラだという。

  朝ドラウオッチャーの端くれとして本書を読み、分析以上に感動したのが、朝ドラから著者が読み取る「今」だった。

  令和最初の朝ドラ「なつぞら」の脚本家・大森寿美男は著者にこう語る。「最近の朝ドラでは不幸は除外したい要素なんですよ。(略)日常がしんどいものは見たくないという反応があるので」

  コロナ禍で撮影が止まり、放送が2カ月半休止となった「エール」について、著者はこう書く。「毎日の営みを物語を止めないということ。それこそが朝ドラの祈りであるのかもしれない」

  「おかえりモネ」は東日本大震災後を生きる当事者たちがテーマ。著者はその作風に「腫れ物に触るような慎重さ」を感じる。そして、それは「わかったような身振りで描かないということだ」と書く。「救われたと思うことも、救えたと思うことも、『おかえりモネ』は良しとしない」。この文章こそ「おかえりモネ」の本質だろう。

  じっくり取り上げたのは2017年の「ひよっこ」から「カムカムエヴリバディ」まで10作。「スカーレット」の筆致だけ少し違うのは、主人公の相手役にはまる「八郎沼」に著者も落ちたkら。すべてが朝ドラ愛と思えて、朝ドラがますます好きになった。


 (blueprint・2750円)


 ◇


今回もどれも読みたいと思います。その書籍の紹介文はなるほど、読みたくなるのはすごいものです。これもアフィリエイトのための文章力(ライター?)の参考のために読み続けます。では、失礼しました。


(´・ω・`)
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