§::万華鏡∞日記::§

「定期記事」で①きょうの運勢②首相日録③きょうの言葉④DMMFX要人発言が主です。その他「映画」「音楽」「書籍」の紹介文や、雑記もあります。

【書籍】話題の本をピックアップ!ぜひ、ご紹介します!?/2023.04.03。。(´・ω・`)


こんにちは、ハクです。


毎週日曜日、河北新報2版に「書籍紹介」があります。
試しまして、こちらよりご紹介させて戴きます。
書籍数はあまりにも多いので「評」する紹介文がある本だけと致しました。


どうぞ、ぽちっと「折りたたみメニュー」で、ご覧くださいませ。

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★★★★[ 紹介文はこちら ]★★
大当たり!( ´,_ゝ`)プッ


宜しくお願い致します。


 ◇


【著者とひととき】
「テント日記/『縫うこと、着ること、語ること。』日記」…女性たちの葛藤つづる
長島有里枝さん


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  家族だから出てしまう甘えや邪険な態度。制御できず、自己嫌悪に陥ることもある。外には隠しておきたい母と娘のそんな一面を新著につづった写真家の長島有里枝さん。「読んでくれた誰かの気持ちが軽くなったり、苦しんでいる女性が楽になれたりしたらうれしい。私の家族全員のそんな思いも入っています」
  二つの日記を収めた本書。2015~16年に「二つの母」の協力で生まれたインスタレーションの製作過程の記録だ。自身の母とパートナーの母、それぞれと古着を素材に大きなテントなどを縫う共同作業の日々と率直な感情が記される。
  実母との関係は複雑だった。10代から「母への鬱屈した感情で身体が、雨水を溜めたドラム缶みたい」。出産後に不本意ながら頼ったものの、もめてばかり。「取り繕えなくて、なぜうまくいかないかを解明したくなった。家族を諦めたくなかった」。取り返せない過去の代わりに、新しい何かを母との間に持ち込む。それが、家庭に入るために母が諦めた、パリでお針子になる夢に重ねたテント制作の提案だった。
  愛情や気遣いはあるのに、一緒にいるといらだち、言動がきつくなり、後悔もする。泣きながら書いた日も。そうして伝えたかったのは理想の母娘増ではなく「自分と母の葛藤」、その大本にある「男性社会を必死に支える女性たちの葛藤」だ。
  家父長制の下で流布した「良い母親像」や一般的に期待される「家族の役割」、縛られる苦しさ…。「向き合うことだけが良いとは決して思わない」と逃げた経験も示すと同時に「誰かが共鳴してくれたら」と「見られたくない自分」を明かし、家族も賛同してくれた。
  フェミニズムの重要性を発信してきた。「私も古い規範を内面化している。そんな自分を嫌うより、ツッコミを入れて面白がって」学び続ける。「特に女性に知っていてほしい。自分が好きになるためにすることは、自尊心を高めるために大切なこと。自分が明日も安全に生きるため、しんどくならないように、それが伝わったらと思います」

(「テント日記/『縫うこと、着ること、語ること。』日記」は白水社・2530円)



【読 書】
『 土 竜 』…愚かさ抱えた男の悲哀
高知 東生(たかち・のぼる)
1964年高知市生まれ。俳優として活躍後、2016年に覚醒剤大麻の所持容疑で逮捕、有罪判決を受けた。


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 評・田中 紀子(ギャンブル依存症問題を考える会代表)


  俳優・高知東生が小説を書いた。これが、話題性だけが売りの単なるタレント本かと思いきや、この上なく面白い。
  担当編集者によれば「本当に高知東生が書いたのか?」と何人にも問われたそうである。発売と同時に重版、1カ月後には既に3刷となったという。それもそのはず、自伝的小説とあるが、とてつもなく自分を客観視しながら、他者の目線で描くことに成功しているのである。
  6話の短編からなる「土竜(もぐら)」は、語り手が1話ごとに変わり、主人公「竜二」が巡る物語が紡がれていく。竜二は高知東生がモデル。「俺は女によくモテた」と語らせる一方、けんか別れをした映画監督には「あいつの豪快に男らしく振る舞いながら、透けて見える小心さがイライラして大っ嫌いなんだ」と語らせる。大抵、自分をモデルに描くとなると、カッコよくなりすぎるか、自虐的になりすぎるかのどちらかに振れてしまうが、本書の場合、バランスが良いのである。
  高知東生は幼い頃、親類に育てられ、小学生になってから現れた母親は、1980年代に暴力団「一和会」の最高顧問となる、中井啓一の愛人であった。しかしその母親は高知が17歳の時に自死。その後、中井も実の父親ではなかったことを知り、高知は一人、成り上がることを決め、東京へと飛び出した。この経歴は小説ではない。事実である。
  小説の舞台も、戦後の高知県から始まり、バブルに踊った時代を経て、現代の東京へと変化する。昭和の貧しくもたくましい世相史と、土佐弁が語る青春時代はどこか懐かしい。度々、戦後中の話が出てくるのは、「ばあちゃん子」だったという高知の経験が生かされているのだろう。
  「土竜」は、寂しさや切なさ、愚かさを抱え、弱さを隠しながら生きる男たちの悲哀と、それを取り巻く女性たちへの贖罪が見事に作品化されている。作家・高知東生の誕生である。

 (光文社・1760円)



【読 書】
『 浮 遊 』…ホラーに似た現実世界
遠野 遥(とおの・はるか)
1991年神奈川県生まれ。作家。2019年に「改良」で文芸賞を受賞しデビュー。2作目の「破局」で芥川賞


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 評・水上 文( 文筆家 )


  現実はいつでもホラーゲームに似ている。
  とりわけ少女と呼べる年齢だった頃には、特にそう感じていた。夜道はもちろん危険だったけれど、日中も安全ではない。街には「不審者」がいるかもしれない。階段を上る時には痴漢を警戒しなければいけない。知らない人について行ってはいけないが、親切な人、よく知った人こそが実は最も危険かもしれない。
  本書が描きだすのは、そんな少女にとっての現実に他ならない。
  父親の家を出て、父と同世代の男性と暮らす少女を主人公としたこの小説は、少女の実在の生活と共に、彼女のプレーするホラーゲームが描かれる。そして現実とゲームの世界を行き来することで浮き彫りになるのは、彼女を取り巻く実際の生活もまたホラーゲームに似ているということだ。
  ゲームの中で少女は幽霊と化し、誰からも見られず悪霊にのみ見られ追い回される。だが悪霊と人間は完全に区別できない。ゲームの中でも実際の生活でも、少女に近寄ってくるのは年上の男性で、彼女に性的関心を抱く存在、手助けに見せかけた巧妙な支配をもくろむ存在のみなのだ。
  少女は誰からも見られない一方で、自らを害する存在にばかり目を留められる。それは現実社会で起きていることでもある。現実はこんなにも暴力に満ちているのに、恐怖も苦痛も全く重んじられていないのだから。たとえば子どもへの性暴力はいたずらという言葉に置き換えられ、ジョークにされ、ありふれたものとされている。みんな性暴力があると知っている。なのに被害者の声は聞かれない。幽霊にでもなったかのように。
  その孤独が、あるいはトラウマ的な出来事と現実感覚の喪失が、本作には見事に表現されている。これは恐ろしい小説だ。描かれた内容だけでない。この小説を読んでも何が恐ろしいのか理解できない人がいるだろうこと、それこそ最も恐ろしい現実に他ならないのだ。

 (河出書房新社・1650円)



【読 書】
『映画を追え』…失われたフィルム探求
山根 貞男(やまね・さだお)
1939年大阪府生まれ。映画評論家。著書に「活劇の行方」「マキノ雅弘映画という祭り」など。2023年2月死去。


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 評・滝浪 佑紀(立教大准教授)


  溝口健二小津安二郎といった巨匠監督を輩出し、阪東妻三郎大河内伝次郎といった多くのスターをそろえた日本映画は、世界に誇る歴史を持っている。しかし著者が述べるように、戦前の日本映画の残存率は1割にも満たない(一説では4%程度)。戦争や災害といった要因に加え、この残存率の低さは、映画は保存されるべき文化財としてではなく、消耗品として見なされてきたことを原因とする。フィルムは興業の中で摩耗し、最後には捨てられたのである。
  ここから失われたフィルムを求める旅が始まる。その過程で著者は、映画を個人で収集するコレクターは神戸映画資料館という民間アーカイブを開設し、別のコレクターは小津の失われた「突貫小僧」を入手したと平然と伝えてくる。映写機いじりが好きなコレクターもいれば、普段の視聴はビデオでよいと考えるコレクターもいる。チャンバラ好きが高じて、自身の殺陣を撮影し、阪妻主演作品に編集で組み入れてしまうコレクターさえいる。こうした姿からは、映画への愛の在り方は一様でないと思い知らされる。
  著作の後半では、著者自身が企画に関わった東京国際映画祭「ニッポン・シネマ・クラシック」や京都映画祭の復元プロジェクトに関する記述が続き、戦前の失われた作品の多くを所蔵すると語っていた伝説のコレクターとの交渉の逸話(ただしこうした作品の大半は現実まで確認されていない)の後、敗戦時に旧満州(中国東北部)で接収された映画を収蔵するロシアの国立映画保存所の調査が報告される。
  この書評を書いている間、著者の山根貞男氏の訃報に接した。「活劇」を中心に展開された氏のの批評活動は、映画の持つ生き生きとした力を伝えてくれる。本書は、時に映画の発見に喜びながら、映画史の深淵から湧き出てくる、夢とも現実ともつかない幻影と乱舞する、山根氏を主人公とした活劇であると言えるかもしれない。

 (草思社・2640円)



【読 書】
『欧米の隅々』…鋭敏な五感、描写鮮やか
市河晴子(いちかわ・はるこ) 著、高遠弘美・編
1896年東京都生まれ。日中戦争開始後の民間外交の旅から生まれた。著書「米国の旅・日本の旅」は英訳された。1943年死去。


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 評・豊崎 由美(書評家)


  1931年、夫の視察旅行に伴って一人の女性が日本を旅立った。「天秤棒が担ぎ上げられるようにギッチッチッチと鳴り渡って波頭に乗り、スクリューが自ら出ると、カアーと悲鳴を上げ」る船に乗り込み、「何とのびのびした心持だろう。『あああ、やっと出て来た』」と、未知の世界に飛び込む心地を伝える「飽くなき新経験の蒐集家」の名は市河晴子。
  中国を皮切りにロシア、欧州各国、エジプトなど29カ国を訪ねる8カ月の旅の見聞をつづり、33年の刊行当時大評判を呼んだこの「欧米の隅々」が、フランス文学者の編者によって現代に蘇ったのは慶賀の至りというべきだ。「90年前の女性の旅行記を読んだって」と侮るなかれ。快適な旅に慣れた私たちの何十倍も晴子の五感は鋭敏なのだし、スマホで簡単に思い出を残すことができる私たちの何百倍も確かな記憶力と描写力で、見たものや経験を鮮やかに言語化してみせるのだ。
  しかも面白い!良家の子女、学者の妻にしては気取ったところがまるでない。ないどころか、行く先々で関心や共感を寄せるのは市井の人々とその生活だ。上流階級に向ける視線はむしろ厳しく、どんな相手にも物おじしない。現地の人々が行くような店で旺盛な食欲を見せ、その描写は垂涎必至。山があれば登り谷があれば降り、行動力と体力も抜群で、女だからと言動を制限され、ハイヒールのようなことに不満をもらす。こんな女性が存在したのかと、ページを繰るたびに目を瞠る紀行文集なのだ。
  ユニークな擬音の使い方。内面まですくいとる人物スケッチ。細やかでダイナミックな自然描写。豊かな古典の教養をパロディーのように軽やかに扱う洒脱さ。そして、どこまでも自由闊達な精神。46歳で逝ったのが惜しいにもほどがある。もっと生きて戦後の日本と世界を見て書いてほしかった。渋沢栄一の孫娘だけれど、そんなのどうでもいい。晴子は晴子として十二分に素晴らしい。

 (素粒社・2420円)



【読 書】
『マザーツリー』…緊密につながる森紹介
スザンヌ・シマード(SUZANNE・SIMARD)
森林管理の実情に疑問を抱き、研究者に。木や菌類の関係性を証明する先駆的論文で世界の森林生態学に影響を与えた。


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 評・川口 敦子(サイエンスライター


  木と木がつながりあい、互いを認識し、栄養を送り合っている」と聞いたら、どう感じるだろうか。
  本書は、ブリティッシュコロンビア大教授であるカナダの森林生態学者が、緊密につながる森との対話を通じ、それを科学的に証明しようとした作品だ。
  森をさまよい歩くのが大好きな少女だったという著者は、当初働いた材木会社で、広大な区面を一斉に伐採する「皆伐」を指示される。著者は「森が回復するための基盤がほとんどなくなってしまう」と感じたが、直感では上司を説得できず「心が折れた」と振り返る。
  森林局の造林研究員から、政策変更には「綿密で信頼できる科学的証拠」が必要だとの助言を受け、著者は木を植え、長い時間をかけて観察する実験に着手。木の根に付いた菌類のネットワークを通じて木と木の間を移動していると突き止め、英科学誌「ネイチャー」に発表、一気に注目を集めた。
  著者は研究の進展と重ねるように、「気持ちがほかほかした」恋や口論したまま会えなかった弟との死別、「失敗するわけにはいかなかった」と仕事に突き進んだ後の離婚など、自身の人生についても驚くほど率直に語る。批判的な立場を取る森林監督官から「森の仕組みなんかあんたは何もわかってない!」と怒鳴られる場面は、身につまされる人もいるだろう。
  古木を「マザーツリー」と呼び、実験でマザーツリー役の木は、親族の木により多くの炭素を送っていたと著者は説明。木には雄と雌、双方の役割を持つ者があり、「母」と呼ぶことに対する意見は分かれそうだが、著者は乳がんサバイバーであると同時に、2人の娘の母でもある。「死が生きることを可能にし、年老いたものが若い世代に力を与える」との言葉からは、自身もそうありたいとの祈るような気持ちが伝わってくる。

 (三木直子訳、ダイヤモンド社・2420円)


 ◇


※「読み楽しむ」のでしたら、こうすると安くなるそうです。



いかがでしょうか。今回も読みたいと思います。
その書籍の紹介文はなるほど、読みたくなるのはすごいものです。
これもアフィリエイトのための文章力(ライター?)の参考のために読み続けます。
では、失礼しました。

(´・ω・`)
ご協力をお願い致します。

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