§::万華鏡∞日記::§

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【映画】2023年4月の「もっと知りたい日本映画 名作から話題作まで」の紹介します!?河北新報夕刊のまとめ。。(´・ω・`)



こんにちは、ハクです。


毎週「河北新報夕刊」から
様々な良い映画を毎週で紹介されています、と
私は毎月まとめて、こちらに載させて頂こうと思いました。
"紹介文"も、いい参考文です。あ~読みたい。


( ´,_ゝ`)プッ



それでは、映画の紹介について、
文は「河北新報」文を引用いたします。ご了承ください。


では、ご覧くださいませ。死角に、ご注意を。


 ◇


マルサの女2…笑いにくるみ 巨悪告発
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  伊丹十三は時代のはるか先を行く映画を肥やす連中や、彼らを利用する権力者たちの実態を生々しく描いた「マルサの女2」(1988年)を久々に見て、改めて実感した。
  前年公開され大ヒットした「マルサの女」の続編。今回も、おかっぱでそばかすが特徴の国税局査察部(通称マルサ)の女性査察官、板倉亮子(宮本信子)が主人公だ。
  バブル景気の真っただ中、高層ビルの建設が続く東京では、地上げ屋による強引な土地・建物の買収が横行していた。与党の大物政治家、漆原(中村竹弥)から地上げの指示を受けた国会議員、猿渡(小松方正)は同郷の知人、鬼沢(三国連太郎)に仕事を依頼する。
  鬼沢の肩書は宗教法人「天の道教団」の管長。だが、裏では、教団幹部の猫田(上田耕一)や、やくざのチビ政(不破万作)らを使い、地上げ屋風俗業などで巨額の利益を上げていた。そして、宗教法人の宗教活動は非課税という法律を悪用、巧妙に脱税をしていた。
  映画は、鬼沢らが立ち退きを拒否する人々を悪辣な手段で脅し、目的を果たしていく過程と、脱税の証拠を見つけようと内偵を続ける板倉らマルサのメンバーの奮闘を並行して描いていく。
  前作との大きな違いは、脱税者らが強大な力を持っていることだ。黒幕的存在の漆原は、野党を含む政治家や財界のトップに人脈を持つ。彼らを後ろ盾とする鬼沢は、マルサの取り調べに「俺は国のために地上げをやっている」と主張。東京が世界の金融センターになるために、自分たちが、政府や大企業の偉いさんたちに代わって汚い仕事を引き受けているのだ、と弁舌を振るう。
  その言葉にリアリティーを感じさせるのは、入念な取材に基づき伊丹自身が執筆した脚本に力があるからだ。ターゲットが巨大すぎて前作のような快感はないが、本当に悪いのは誰なのかと問い、日本社会の病根を指摘したことは、さすがだ。
  三国が、老いと死を恐れ、金と若い性にすがる鬼沢を喜々として演じている。笑いにくるんで巨悪を撃つ。伊丹映画の真骨頂がここにある。
  (共同通信編集委員・立花珠樹)

 1988年。監督=伊丹十三
     出演=宮本信子
        津川雅彦
        三国連太郎
        加藤治子ほか。
  ブルーレイが東宝から販売中。127分。カラー。


『愛の新世界』…生き方貫く女性の青春
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※特別な動画により、このYouTubeで、【New Love in Tokyo 「愛の新世界」 Trailer 予告】をご覧ください。
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  1990年代前半、試写室を出た直後に取材を申し込んだ作品が、3本あった。周防正行監督「シコふんじゃった。」、ウォン・カーウァイ監督「欲望の翼」、高橋伴明監督「愛の新世界」だ。
  前の2本は、この連載以前のコラムで既に紹介したが、「愛の新世界」はまだだった。「SMの女王様」を主人公にしたR18+(18歳未満観覧不可)指定の作品を、紙面で取り上げることへのためらいもあった。
  だが、昨年、高橋監督の新作「夜明けまでバス停で」に感動したのがきっかけで久々に見直し、青春映画の傑作だと再確認した。大人の映画ファンにぜひお薦めしたい。
  レイ(鈴木砂羽)は小劇団の俳優。東京郊外のアパートで1人暮らしし、渋谷のSMクラブで女王様のアルバイトをしている。ある日、エレベーターで乗り合わせたホテトル嬢のアユミ(片岡礼子)意気投合する。
  仕事を劇団仲間にも隠さず、性に対してオープンなレイ。風俗の仕事で結婚資金をため、玉の輿に乗ることを夢見ているアユミ。映画は、2人の仕事現場と日常を、荒木経惟(アラーキー)撮影のレイのヌード写真を挟みながら描いていく。過激なシーンも多いが、下卑たいやらしさはない。
  夜通し遊んだ2人が、山崎ハコが明るく歌う「今夜は踊ろう」をバックに、早朝の六本木から渋谷までを走る場面をはじめ、胸を張って自分の生き方を貫く若い女性の伸びやかさが心に残る。
  鈴木が出色だ。主演デビューとは思えない大胆で自然な演技で、観客の心をつかんだ。取材依頼がかない、公開前に実現したインタビューで「自由に楽しくできました。でも、何て、いばらの道を踏み出したんだろうと怖くなっています」と話した彼女が、その後、大輪の花を咲かせていることを祝福したい。
  ラストに流れる映像は、鈴木の実父が一人娘の幼年時代から撮影し、主演作のために提供した8㍉フィルムだという。
  SMクラブの常連客で、見ている方が悲鳴を上げそうなほど痛めつけられる役を演じた萩原流行をはじめ、渡辺哲、田口トモロヲ大杉漣哀川翔らが個性豊かな見せ場をつくっている。
  (共同通信編集委員・立花珠樹)

 1994年。監督=高橋伴飽明。
     出演=鈴木砂羽
        片岡礼子
        萩原流行
        宮藤官九郎(栗原市出身)ほか。
  キネマ旬報ベスト・テン9位。ブルーレイがオデッサ・エンタテインメントから販売中。114分。カラー。


終の信託…検事の圧迫「冤罪」生む
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  この人の作品は見逃せないと思っている監督が何人かいる。周防正行はその一人だ。
  「終(つい)の信託」は、「シコふんじゃった。」、「Shall we ダンス?」と上質な娯楽映画を生み出してきた彼が、「それでもボクはやってない」と続き、日本の刑事司法の問題点に真っ向から挑んだ力作だ。
  折井綾乃(草刈民代)は、総合病院に勤務する呼吸器内科の医師。不倫相手の同僚の医師(浅野忠信)に捨てられ、自殺未遂を起こす。絶望した綾乃は、入院患者、江木(役所広司)に精神的に救われる。長年ぜんそくを患い、入退院を繰り返している彼は、幼児に体験した悲劇を綾乃に話し、やがて2人は信頼を深める。そして、江木は綾乃に重大な頼みをする。
  前半は、純愛映画なのかと思うほど、2人の心の交流が丁寧に描かれる。だが、それは終盤で本当に訴えたいことを展開するための布石だ。
  江木の死から3年後、綾乃は思いがけず殺人容疑で告発される。そして、検索庁に呼び出され、塚原検事(大沢たかお)の苛烈な取り調べを受ける。密室での取り調べで、検事は綾乃を心理的に圧迫し、さまざまなテクニックを使って、綾乃が罪を認めたような調書を作成してしまう。
  約45分にもわたるこの場面は緊迫感にあふれ、すさまじいリアリティーがある。ここには「それでもボクは―」公開4年後に法制審議会「新時代の刑事司法制度特別部会」委員に選ばれ、取り調べの全面可視化や証拠の全面開示などの改革を提言した周防の思いが込められている。取り調べの全過程を可視化しなければ、密室でこうした調書が作られ、冤罪事件が生まれる危険があるのだ。
  この映画は綾乃に寄り添って作られている。もし「羅生門」のように、同じ出来事を妻(中村久美)の立場からも描いたらどうなっただろう。周防はそうした意見も考慮した上で、あえてこの撮り方をしたのだと思う。
  「Shall we―」以来16年ぶりの共演となる草刈と役所の息がぴったり合っている。「あなたは人生を誠実に生きている。だから、いい先生なんです」。ぼろぼろになった綾乃に江木が語る言葉が優しい。
  (共同通信編集委員・立花珠樹)

 2012年。監督=周防正行
     出演=草刈民代
        役所広司
        大沢たかお
        浅野忠信ほか。
  キネマ旬報ベスト・テン4位。ブルーレイ、DVD(いずれも特典DVD付き2枚組み)が東宝から販売中。144分。カラー。


『煙突の見える場所』…庶民の生活 生き生きと
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  ※カラー化映画フル1時間47分41 

  東京の下町で、身を寄せ合うように暮らす人々の哀歓を描いた五所平之助監督「煙突の見える場所」(1953年)を、昨年暮れのDVD発売を機に再見。戦後の風俗や庶民の生活が、生き生きと映し出されているのに改めて感心した。
  題名の由来は、26年から63年まで東京都足立区で稼働していた千住火力発電所の煙突。高さ80㍍を超す4本の煙突が、見る場所と角度によって、3本、2本、1本に見えることから「お化け煙突」と呼ばれ、地域の住民に親しまれていた。
  この煙突が3本に見える地域の、木造2階建ての家。この家を借りて1階で暮らす緒方隆吉(上原謙)、弘子(田中絹代)夫婦は、2階の2部屋を税務署員の健三(芥川比呂志)、街頭放送所のアナウンサー仙子(高峰秀子)に貸している。
  足袋問屋に勤める隆吉は、戦災で夫を亡くした弘子と再婚。まだ熱々ムードが漂っている。だが、弘子が内緒で競輪場のアルバイトをしていることが発覚、夫婦の波風が立つ。さらに、見も知らぬ赤ちゃんが突然、家に置き去りにされる事件が起きる。犯人はどうやら弘子の前夫らしい。夫は死んでいなかったのだ。
  この赤ちゃんの登場が、隆吉夫婦のみならず、独身の下宿人2人や近所の住人にもドラマを引き起こしていく。プライバシーがない狭い空間で暮らしていることが、こうした下町的な連帯感を生み出すのだろうか。戸外で洗面、歯磨きをし、使い終わった水は道にまく。何げない日常生活の映像から、70年前の日本がリアルに伝わってくる。
  上原、田中がちょっとぼけた感じをうまく出し、芥川が正義感に突き動かされる真面目な健三を好演。高峰の聡明さが映画を引き締めている。
  弘子の夫のエピソードをはじめ、さまざまなところに、戦争の傷痕がある。だが、決して暗い映画でないのは、もう戦争で死ぬことはないのだという安心感が、人々にあるためだろう。貧しくて、つらいことが多くても、生きてさえいれば、きっと今よりいい日が来るはずだ。そんな時代の空気が映画に流れている。
  (共同通信編集委員・立花珠樹)

 1953年。監督=五所平之助
     出演=田中絹代
        上原謙
        高峰秀子
        芥川比呂志ほか。
  ベルリン国際映画祭国際平和賞受賞。キネマ旬報ベスト・テン4位。DVDがファイヤークラッカー、ハピネット・メディアマーケティングから販売中。108分。モノクロ。


 ◇


いかがでしょうか。


※多数に観られるのでしたら、こちらをお薦めします。


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