§::万華鏡∞日記::§

「定期記事」で①きょうの運勢②首相日録③きょうの言葉④DMMFX要人発言が主です。その他「映画」「音楽」「書籍」の紹介文や、雑記もあります。

【書籍】話題の本をピックアップ!ぜひ、ご紹介します!?/2023.06.05。。(´・ω・`)


こんにちは、ハクです。


毎週日曜日、河北新報2版に「書籍紹介」があります。
試しまして、こちらよりご紹介させて戴きます。
書籍数はあまりにも多いので「評」する紹介文がある本だけと致しました。


どうぞ、ぽちっと「折りたたみメニュー」で、ご覧くださいませ。

例)折りたたみメニューはこちらです
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★★★★[ 紹介文はこちら ]★★
大当たり!( ´,_ゝ`)プッ

宜しくお願い致します。


 ◇



【著者とひととき】
『五色の舟』…異形の美学 一気に描く
宇野亜喜良さん


★★★★[ 紹介文はこちら ]★★


  「ストーリーを読んで、本当に描きたい話だと思いました。出てくるキャラクターが良いんです」。イラストレーターの宇野亜喜良さんが挿画、挿絵を手がけた短編小説「五色ごしきの舟」。昨年10月に死去した作家津原泰水さんの代表作に18点を描き下ろした。悲しみや畏れ、夢や幻が混在した美しい一冊が完成した。


  津原さんが宇野さんに描いてほしいと生前自ら企画した本書。「僕はイラストレーターだから、触発されるストーリーがあって、頭の中でテーマについて会話する感じでモチーフを探しました」


  舞台は戦時下。異形の男女と子どもら5人が家族のように身を寄せ合い、見せ物の興行をしながら舟で暮らしていたが、「くだん」という怪物が生まれた話を聞きつけて―。雑誌「SFマガジン」の「オールタイム・ベストSF」国内短編部門1位に選ばれた作品だ。


  渋沢龍彦江戸川乱歩の小説に近い美学を感じた宇野さん。きゃしゃな肢体にうろこの彫り物をした少女の、うつろなのにどこが挑発的な瞳。肩に指のある少年は、少女を描くため足の指で懸命に絵筆を握る。「考えて描くというより、自然に手が動くかが勝負所」。物語を解釈し、人物や展開を一気に描いた。


  重なり合う人物像、着物に合わせたフリルやベルト、描いた後でコーヒーをにじませ染みを付けた絵。「特定の見方より、見る時の気分で違う見方をしてもらえたら」とイメージが揺らぐ部分もあえて作り、独特の世界を表現した。


  「絶対に見てほしかった」という津原さんは完成を待たずに他界。憧れの宇野さんのアトリエで、ラフスケッチを見た時の笑顔が最後になった。


  愛らしさに妖艶さが共存する他にはない神秘的で不可思議な作品世界。1950年代から活躍し、数々の依頼を受けて新作を生み出してきた。「僕の可能性を考えてくれたということだから、感動します。大げさに言うと、時代と共通の何かが僕の中にあるからだと、良い気分になっています」と笑う。とりわけ時代を超えて色あせない魅力を放つ少女像。街を歩き、今を感じ、描き続ける。


(「五色の舟」は河出書房新社・2860円)



【読 書】
『がらんどう』…共生で転換する「普通」
大谷 朝子(おおたに・あさこ)
1990年千葉県生まれ。2022年に「がらんどう」ですばる文学賞を受賞し、作家デビュー。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・那覇恵子(東洋英和女学院大名誉教授)


  現代社会は多様な選択肢に開かれているようでいて、根本的なところで個人の選択は閉ざされている。例えば女性が自分で子供を産みたいと思っても、年齢や婚姻の壁に阻まれることがある。


  主人公の平井は38歳。「普通」に結婚して子供を産み家族を作ることに価値を置いているが、「男性に一度も恋愛感情を抱いたことがない」。そんな「がらんどう」の身体を抱えながらマッチングアプリで男性との出会いを求め、さらに卵子の凍結も続けている。平井は、暗黙裡あんもくりに「普通」を押し付ける日本社会から圧力を受ける多くの現代女性sの姿を映している。


  平井を相対化する存在が菅沼だ。42歳の菅沼は、両親の泥沼離婚もあり、男と性交渉を持つが「絶対結婚したくない」と考えており、子供にも執着はない。彼女は正業に就きながら、愛犬を亡くした人のために3Dプリンターで犬のフィギュアを作る副業も持つ。普通にこだわらない、一人でも生きていける現代女性のもう一つの典型である。


  そんな2人のルームシェアに踏み切らせたのは、独りでいることの「骨にしみいるような、寂しさ」を感じさせるコロナ禍である。菅沼は男ではない「好きで一緒にいたい」生身の存在を欲し、平井は、世間からは「普通」と見なされない女同士の暮らしに「家族」のぬくもりを求めたのだ。


  一緒に暮らし始めた2人の距離感は絶妙で、互いの生き方へのさりげない肯定感は、女たちのもう一つの生の可能性を垣間見させる。平井が「産みたさ」の呪縛から解放される最後のフィギュアのように菅沼の作成した空洞の「赤ちゃん」を抱いた平井には、社会の「普通じゃない」が個人の「普通」に転換する世界が見事に捉えられている。


  フィギュアの「おき上げサービス」、婚活を装ったマルチ商法の勧誘、アイドルを応援する「推し活」による相互理解など、現代を彩るさまざまな要素がちりばめられた一冊でもある。


 (集英社・1595円)



【読 書】
キツネ狩り…過去映す女性刑事の目
寺嶌 曜(てらしま・よう)
1958年大分県生まれ。福岡県在住のグラフィックデザイナー。2022年「キツネ狩り」で新潮ミステリー大賞を受賞。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・碇 信一郎(公認会計士


  もしも過去に戻ってその時の様子を見ることができるとしたら、私たちは何を見たいと願うのだろうか。


  N県警登坂警察署の刑事尾崎冴子は、バイク事故で婚約者を失い、自らも右目を失明した。その3年後、事故現場を再訪したことをきっかけに、失われたはずの右目の視力が突如回復する。ただしそれは、今起こっていることではなく「その場所で、3年前に起こったこと」が見える特殊な視力として。それはまた、見ることはできても、音も聞こえず、起こっている出来事自体には一切の干渉ができない、という能力でもあった。


  この特殊能力は、尾崎をいや応なく「未解決難事件の捜査」へと引き寄せる。目撃者不在の事件に3年後突如現れる「傍観者」。こうして尾崎は、事件発生から3年の後に犯罪者を追う狩人となった。


  本作では、尾崎が特殊な視力を得るきっかけとなった事故、凶悪で周到な犯罪者との出会い、壮絶な命のやりとりのエピソードが臨時感あふれる筆致で描かれる。


  尾崎の見る世界と共に描写が過去と現在を行き来するが、そのたびに過去は何度も上書きされる。過去の「傍観者」として現れた尾崎が現在の犯人をリアルに追い詰めていく過程を通して、私たちも過去に戻ってそれを見ることはできなくとも、尾崎と同じように過去を見続け、過去を変え続けているのだと感じられる。尾崎のように何度も振り返っては後悔し、苦しみや喜びを味わいながら。それは人生の救いのようにも思われる。


  「見る」をテーマとしているだけあって、本作は実に視覚的であり読む者の脳裏に映像を呼び起こす。なるほど著者はグラフィックデザイナーとのことで、描き出される情景の鮮明さや視的設定の多様さにも納得した。尾崎をはじめとする登場人物がどこか泥臭い昭和の空気をまとった存在感を放つのは、著者の時代感覚のなせる業か。


  第9回新潮ミステリー大賞受賞作。映像化と続編が気になる作品である。


 (新潮社・1925円)



【読 書】
『「武漢日記」が消された日』…ネット暴力 実態と構造
マイケル・ベリー(MICHAEL・BERRY)
米カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)現代中国文化研究科教授。翻訳家として「武漢日記」を英訳。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・荻野 祥三(文筆家)


  新型コロナウイルスが世界で最初に猛威を振るった中国湖北省武漢。中国政府は2020年1月から、人口1100万人の大都市を60日以上完全封鎖した。市内に住む著名な女性作家の方方ファンファンは、ロックダウンの日々を「武漢日記」というブログにつづった。当事者でしか語れない臨時感にあふれる記述が反響を呼んだ。


  しかし、時に当局の対応を批判し、「説明責任」を求めたことから、中国政府が警戒する存在にもなった。海外で翻訳・出版されることが伝わると、ネット上で方方に対して激しいバッシングが起きる。英語への翻訳者である本書の著者に対しても「CIAの手先だ」などの中傷が殺到する。彼は大学で中国の映画と文学を教える一方、翻訳や通訳の仕事で著名な中国文化人にも接している。その経験を基に、方方、そして自身への"ネットの暴力"の実態と構造を分析したのが本書だ。


  「『武漢日記』はうわさも伝聞に基づき、内容が信頼できない」との批判が始まりだ。封鎖中の都市からの発信自体に価値があるのだし、証言の情報源を明らかせないこともあるが、そんな事情は無視される。次に「方方は特権を持つエリートだ」と個人攻撃に移る。「武漢日記」に理解を示す人も対象となる。相手のあら探しをする「人肉検索」という恐ろしい言葉が出てくる。さらに「コロナを中国の責任にして賠償金を払わせたいのだ」との陰謀論へ。方方が反論をしても耳を貸さない。


  だが著者は冷静さを保つ。似たようなネットの暴発や陰謀論は、トランプ前大統領下の米国でもあったと受け止める。また、コロナで疲弊した大衆の不満を方方に向かわせた組織的な運動と見ている。毛沢東時代の文化大革命で「守旧派」攻撃に使われた壁新聞と、現代のネット攻撃の内容の類似性。自分への批判をかわすために他の人物を攻撃する「知識人」の傾向など、ハッとする指摘もある。「ハイテクが悪さをすると伝染病より恐ろしい」という方方の言葉が重い。


 (竹田純子訳、河出書房新社・2750円)



【読 書】
『あのSFはどこまで実現できるのか』…現代の技術レブル判定
米持 幸寿(よねもち・ゆきひさ)
1966年埼玉県生まれ。日本IBM勤務などを経て、2020年にPandrbox(パンドラボックス)創業。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・冬木 糸一(書評家)


  ドローンが敵国の石油施設を襲い、人工知能の対話システム「Chat(チャット)GPT」は人間的な応答であらゆる質問に答えてくれる。われわれが生きているのは、サイエンスフィクションで描かれてきたことが現実化してしまった世界であると近年言われる機会が増えた。


  そんな最中に刊行された本書は、「バビル2世」や「2001年宇宙の旅」に「攻殻機動隊」といった往年のSF9作品(漫画・映画)を取り上げ、その中で描かれる未来のテクノロジーが、現代の技術でどこまで実現できるのか検証する一冊だ。「SFは現実化した」とはいうが、全てが現実になったわけではない。その境界線が今どこに引かれているのかを、本書ははっきりさせてくれる。


  テレビアニメシリーズ「新造人間キャシャーン」を扱った章では、不死身のキャシャーンの仕組みに迫っていく。例えば、キャシャーンは太陽エネルギーで活動しているというが、現実的に成人男性一人を太陽エネルギーで動かすことは可能なのか?試算すると、成人男性が必要とする1日のカロリー数は2400~3000㌔ほど。これを電力で変換すると146㍗になる。


  地表に降り注ぐ太陽エネルギーは、曇りなどの影響を考慮に入れて年間平均すると、1平方㍍あたり1日145㍗程度でぴったり足りそうに思える。しかし、これは太陽光を100%の効率でエネルギーに変換できたらの話で、現実的にはまだ不可能だ。このように、作中技術を現代の基準で次々判定していくのである。


  システム畑を歩み、現在も音声対話インターフェースの研究に関わる著者が、IT系のメディアに連載していたものをまとめた一冊であるため、中にはプログラマーにしか分からないような説明もあるが、文体は平易で伝わりやすい。取り上げられている作品は昭和のものが多いので、当時の作品が好きな人には特に懐かしさと共に刺さるだろう。


 (インターナショナル新書・913円)



【読 書】
『読むワイドショー』…政治語る放送人の歴史
パオロ・マッツァリーノ(PAOLO・MAZZARINO)
日本文化史研究家。著書に「反社会学講座」「誰も調べなかった日本文化史」など。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・プチ鹿島(時事芸人)


  最近、改めて考えた言葉に「不偏不党」がある。本当の意味は「どっちつかず」ではなく「権力からの自由」のことだ。メディアが軍と一体化して戦争に突き進んだ反省から、この言葉は放送法に明記された。それでも権力者は自分の気に入らない番組に介入しようとする。最近の総務省の行政文書もそうだし、圧力は昔からあった。それが本書を読むとよく分かる。


  本書はコメンテーターとワイドショー、政治を語る芸能人の歴史を、新聞、雑誌、書籍から丹念に掘り起こした労作だ。


  例えば、戦後まもなくNHKラジオで始まった「日曜娯楽版」は、三木鶏郎を中心とした痛烈な政治風刺コントが売りだったが、日本の主権回復後、番組はすぐにつぶされた。NHKは三木を残したまま風刺色を薄めた新番組「ユーモア劇場」に衣替えすると、リスナーからの風刺投稿が激増。戦後の三大汚職事件の一つとも言われる1954年の「造船疑獄」の頃にいは、風刺ネタ一色となった。それが誰かの逆鱗げきりんに触れたのか、ついに番組は終了となってしまう。


  後年、三木は打ち切った当事者のNHK会長と病院で偶然に再会。真相を尋ねると、(疑獄の中心人物とされ)自由党幹事長で後に首相となる佐藤栄作NHKに文句を言ってきたからだと明かされた。佐藤は安倍晋三元首相の大叔父である。思いもよらぬ形で"歴史"を学んだ感じである。


  著者は、俳優の森光子が「ロッキード疑惑をウヤムヤにしないで追及してほしい」と三木武夫首相に注文したエピソードなどを拾い、芸能人の反骨具合も検証する。そこから見えるのは、テレビ局も視聴者も、今よりも政治的発言を許容している態度だ。考えてみれば当たり前である。政治は日常と地続きだからだ。


  ジャーナリスト大宅壮一の言葉とされる「風俗を語るときは政治的に語れ。政治を語るときは風俗を語るように語れ」を思い出したい。そして、誰もが気軽に語ることが大事です。


 (ちくま新書・946円)



 ◇


※「読み楽しむ」のでしたら、こうすると安く、お薦めです!
 どうぞ、詳細をご覧ください。


いかがでしょうか。今回も読みたいと思います。
その書籍の紹介文はなるほど、読みたくなるのはすごいものです。
これもアフィリエイトのための文章力(ライター?)の参考のために読み続けます。
では、失礼しました。


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