§::万華鏡∞日記::§

「定期記事」で①きょうの運勢②首相日録③きょうの言葉④DMMFX要人発言が主です。その他「映画」「音楽」「書籍」の紹介文や、雑記もあります。

【書籍】話題の本をピックアップ!ぜひ、ご紹介します!?/2023.07.31。。(´・ω・`)


こんにちは、ハクです。


毎週日曜日、河北新報2版に「書籍紹介」があります。
試しまして、こちらよりご紹介させて戴きます。
書籍数はあまりにも多いので「評」する紹介文がある本だけと致しました。


どうぞ、ぽちっと「折りたたみメニュー」で、ご覧くださいませ。

例)折りたたみメニューはこちらです
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★★★★[ 紹介文はこちら ]★★
大当たり!( ´,_ゝ`)プッ

宜しくお願い致します。


 ◇


【著者とひととき】
『近代おんな列伝』…誤ったイメージ ただす
石井 妙子さん


★★★★[ 紹介文はこちら ]★★


  「今こそ女の歴史に学ぶべきだ」。女優・原節子から小池百合子東京都知事まで、女性と日本社会をテーマに評伝を手がけるノンフィクション作家の石井妙子さん。新著では、幕末・明治に始める近代を取り上げ、男性の功績の陰に隠された女性37人の生涯にあ光を当てた。


  日本茶を欧米に売り込んで富を築き、幕末の志士たちのパトロン的存在となった大浦お慶。女性の演説会参加が禁じられても男女同権を訴え続けた岸田俊子。本書で描かれるのは、男性社会の壁に阻まらながらも懸命に生きた女性たちの姿だ。


  「近代史はこれまで、男性中心で語られてきた」と石井さんは指摘する。幕末維新や自由民権運動で活躍したと伝わる人物は男性ばかり。そこにいたはずの女性の姿はほとんど見えない。「歴史に学べと言うが、そもそも歴史に女性の生き方が示されていないことに疑問を抱いていた」


  本書の基になったのは、2017年に始まった月刊誌の連載。書き続ける中で感じたのは「誤ったイメージが定説とされた女性が多い」ことだ。大浦お慶は死後に「淫乱な男好き」とされ、幸徳秋水と恋愛関係にあった管野須賀子は「妖婦」と言われた。「男性社会にあらがおうと頑張った人が冷たく評価された。間違った見方をただしたい」との思いを強くした。


  近代化の名の下に富国強兵を進め、家父長制の価値観を強めた明治期の日本。今回多くの女性の生涯を「列伝」として取り上げたことで「近代化が逆に女性の活躍の場を奪った」との側面を浮き上がらせた。


  「女性活躍との言葉が躍る現代社会でも、男性優位の価値観は根強く残っている。女性の視点で近代史をたどることが、今の社会の在り方を見直す手がかりになる」


  表紙には、謎めいた表情が印象的な、画家甲斐荘楠音かいのしょうただおとの「女人像」を起用し、書名はあえて生々しく「おんな」とした。「先人たちの生き方を知ることで、勇気づけられる面があると思う。男性にも読んでほしい。何か気付きが得られるはずです」と語った。

  
(「近代おんな列伝」は文芸春秋・1980円)


【読 書】
ニジンスキーは銀橋で踊らない』…「推し活」に生きた女性
かげはら史帆(かげはら・しほ)
1982年東京都生まれ。文筆家。著書に「ベートーヴェン捏造」など。本書で単行本として刊行された初の小説。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・藤本由香里(明治大教授)


  妄想は炸裂さくれつする!


  これは、20世紀初頭のヨーロッパを席巻した伝説的なバレエダンサー、ニジンスキーの妻ロモラを主人公としたフィクションである。


  歌劇場で初めてニジンスキーを見たロモラは完全に魂を奪われ、今だったら携帯片手に「尊い」「神」「ついに最上の推しを見つけた!」等の投稿を始めるところを、その時代の人ではない彼女は、わきたつ思いをこの一言に集約した。


  「結婚したい…!!」


  かくて彼女のエネルギッシュな暴走が始まる。ハンガリー^の財閥令嬢だったロモラは、自身の婚約を解消し、ヨーロッパ中を「追っかけ」続け、バレエレッスンを受け、ついには団員の端くれにまでなってしまう。そして南米公演へと向かう船の上で、ついに彼との結婚を果たすのである。


  2人の結婚に激怒したバレエ団の主宰者ディアギレフはニジンスキーを解雇。自由に踊る場所をなくした彼はしだいに狂気に陥り、人生の半分近くを精神病院で過ごした。この事実を知るニジンスキーファンで、ロモラと結婚さえしなければ…と一度でも思わなかった人はいないだろう。


  しかしわれわれは本書から、ロモラが高名な精神科医を次々と訪ね、ニジンスキーを治療しようとしていたことを知る。時は精神医療の勃興期。さながら精神医学史を垣間見るような旅でもある。そして物語の終盤、心理学者河合隼雄の名前が出てきた時にはさすがに仰天した。しかも河合はロモラが晩年、養女にしたいと熱望した、さる宝塚ファンレターの代筆者として統領するのだ。


  驚くのは、小説ではあってもほぼ全て伝記上の事実であるという点である。ここには男性同性愛も女性同士愛も性別越境も登場し、さながら万華鏡のように、詠む人によってその姿を変える。


  「究極の"推し活"人生」として描かれたロモラの生涯。本書が私たちに新しい視座を開いてくれるのは確かである。


 (河出書房新社・1980円)


【読 書】
『寂しさから290円儲ける方法』…人生の悩み 奇手で解決
ドリアン助川(どりあん・すけがわ)
1962年東京都生まれ。明治学院大国際学部教授。作家・歌手。2017年、著作に小説「あん」、随筆「線量計奥の細道」。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・永江 朗(ライター)


  新聞などの相談欄が好きだ。相談者は困っているのだから面白がってはいけないとは思いつつ、興味津々で読む。「同じことを感じていた」と、共感したり、「そんなことで悩むの?」と驚いたり。回答にも感心したり反発したり。


  本書はハウツー本のような題名だが、全11話からなる連作短編小説である。人生相談と紀行文と料理の話がうまく組み合わされ、さらに哲学的な味付けがある。


  語り手の「麦わら」は中年の男性。真冬でも麦わら帽子をかぶっている。困りごとや悩みを抱えている人のもとに出向き、料理をつくって解決する。相談料はたった290円、プラス実費。なぜ290円なのかは、物語の最後で明かされる。


  奇妙な悩みが多い。たとえば第2話の相談者は、客が来なくて困っているという寿司すし職人。店があるのは静岡県伊豆の城ケ崎。「イガイが根」という荒磯である。ジャングルの先の断崖絶壁、しかも高い鉄塔の上のプレハブ小屋だ。ここで客を呼ぼうというのが無謀。


  しかもこの寿司職人、極度の恥ずかしがり屋である。客と目を合わせられないどころか、顔も向けられない。客に背を向けて寿司を握り、肩ごしに「金目鯛きんめだい、お待ち」と差し出す。客が来ないのも困るが、来られても恥ずかしいから困る、というのだけれど…。


  「麦わら」が用意した料理と解決策は、この奇妙な寿司職人の悩みよりもさらに奇妙天外なもの。どんなものかは読んでのお楽しみとしよう。


  「麦わら」は困った人、悩む人がいれば、どこへでも行く。16年も東大を受験しては落ち続けている人と東京・上野の不忍池を会歩き、行き詰まったベテラン児童文学作家と信州・小布施を訪ねる。アイデンティティーを見失ったという青年の求めで、はるばる米国ニューヨークにまで出かける。


  最終ページで「麦わら」の正体と確約相談料の理由が明かされる。なんだか、ほっとする。


 (産業編集センター・1760円)


【読 書】
『掬われる声、語られる芸』小沢昭一の心 深層探る
鈴木 聖子(すずき・せいこ)
1971年東京都生まれ。大阪大大学院人文学研究科アート・メディア論コース助教。専門は近現代日本音楽史・文化資源学。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・西条 昇(江戸川大教授)


  個性派俳優、ラジオの語り手として活躍した小沢昭一が世を去って10年が過ぎた。不惑の年に進撃を中心とした活動に行き詰まりを感じた小沢は、「芸能の原点」と言うべき「放浪芸」の研究、発掘、記録、実践に心血を注ぎ続けた。それらの仕事の核となったLPレコード集「ドキュメント 日本の放浪芸」シリーズでは、門付かどづけ芸や節談ふじだん説教、香具師やしの大道芸、ストリップなど90種以上に及ぶ諸芸能を全国各地で現地録音して彼らの声をすくい取り、その在り方を自身が方ある形で記録した。


  本書は、音楽芸能の文化資源化のプロセス解明を研究テーマとし、前著「<雅楽>の誕生 田辺尚雄が見た大東亜の響き」でサントリー学芸賞を受賞した著者が「日本の放浪芸」シリーズの意義について考察した論考集である。


  同シリーズ全4作が作成された過程を時系列で追い、内容を丹念に検討・分析することで、小沢の俳優活動に与えた影響と心境の変化がつまびらかにされる。


  とりわけ興味深いのが第4章「ストリップを聴くこと」で、1970年代半ばに「二大ストリッパー」と言われた一条さゆりと桐かおるによるステージの実情録音と楽屋での会話で構成されたシリーズ第4作が取り上げられている。


  小沢は初の単行本「私は河原乞食・考」(69年)でストリップに関する章を作り、第2作のレコード解説書でストリップ特集の可能性を示唆しつつも「あればっかりは、聞くものではなく見るもの」としていたが、一条のわいせつ物公然陳列罪により逮捕と実刑判決を機に制作に踏み切った。


  小沢の意図が「視覚的に『わいせつ』とされるストリップを、聴覚的にとおらえることで『わいせつ』ではないものとして提示する可能性を示すため」であり、「小沢にとっての一条と桐は、小沢の芸能論に不可欠な芸能者の二つのイデアとして立ち現れているのだ」とする著者の分析は極めて的確と言える。


 (春秋社・2750円)


【読 書】
『樹盗』…森を愛しつつ殺す人々
リンジー・ブルゴン(LYNDSIE・BOURGON)
ライター、口述史家。カナダを拠点に活動。ナショナル・ジオグラフィック特派員。本書が初著書。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・田中 淳夫(森林ジャーナリスト)


  樹盗とは聞きなれない言葉だが、違法伐採といえば発展途上国で起きるイメージだろう。だが本書の主な舞台は北米の太平洋岸。直径9㍍もの大木がられて盗まれる例もあり、被害は年間10億㌦相当に達するという。


  冒頭の被害現場の描写からは、盗伐者への怒りが込み上げる。だが著者は、まず樹盗の歴史をたどり、盗伐者の顔を知ろうとするのである。


  かつてのイングランドで行われていた盗伐は、森を囲い込む地主への反逆だった。だから人々の共感を得ていた。現代の北米の盗伐者も森とともに生きる人なのだという。そして「森の圧倒的な美しさに囲まれて暮らす人が、なぜその森を愛しながら同時に殺す」のかと問いかける。


  その裏に都市民主導の自然保護運動があった。よそ者の運動家が木を伐るなと騒ぎ、地域の長年の生業を奪っていく。失業して薬物中毒に陥り、盗伐に走る例が多いそうだ。


  著者は盗伐者に共感するかのようだが、後半は取り締まるレンジャーたとに密着する。森にカメラを何台も仕掛け、樹木のDNA解析で盗伐木を見つける技術まで生み出した。だが銃を撃つ相手に摘発は命懸けだ。しかもめったに捕まらず、軽も軽い。それでも諦めない。


  私はそんな盗伐者とレンジャーの丁々発止に、ある種のうらやましさを感じてしまった。


  日本でも盗伐は頻発している。無断で森を皆伐し、木材をたたき売る所業だ。ただ、取り締まりはなきに等しく、現場を押さえても捕まらない。また違法木材の流通を規制せず罰則もないため、相当量の盗伐された原木や木材製品が輸入されていると疑われている。外国の出来事と済ませることはできない。


  問題を解決するには、地域社会を理解することで地元民の目を取り戻さねばならないと著者は言う。だがハードルは高く、ため息しか出ない。


 (門脇仁訳、築地書館・2970円)


【読 書】
『ピッツァ職人』…新しい伝統求め汗流す
井川 直子(いかわ・なおこ)
1967年秋田市生まれ。文筆業。レストランや料理人、生産者を取材。著書に「昭和の店に惹かれる理由」「東京で10年。」など。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・有松 遼一(能楽師


  バジリコの緑、トマトソースの赤が鮮明な装丁。ピザしかなかった国で「ピッツァ」を焼くという惹句じゃっくに、チーズ色のページへとむさぼりつく。


  18歳で単身、イタリア・ナポリでの修業に飛び込んだ中村拓巳さんを中心に、日本にピッツァ文化を運んだ職人たちのエピソードをつづる。和食とすし職人が異なるように、ピッツァはそれ独自の食べ物なのだ。


  小さな出来事が積み重なり、ピッツァの道を歩むことになる職人たち。ゲームの攻略法に熱中するごとし、夜中も仲間と理想のピッツァについて語り明かす。若者が現地の空気を吸ってグングン成長していく姿は快い。


  ナポリの親方は「毎日たくさん焼くことだ」と言う。なるほど、能も稽古や舞台が全部教えてくれる。職人たちのげんは、そのまま能の話のようだ。ブロッコリーの仕込みも全体の出来を左右するとか、無駄のない動きは美しいとか、職人同士が主張し合った生まれる自由の魅力とか。一芸を究めると真理に達するなんて教訓論は野暮やぼだ。身体を動かし、汗を流し、現場で見聞きし感じ取った人がつかみ取る、生きた言葉が並び輝いている。


  飄々ひょうひょうと、また無邪気に、ある時は何を問うぞと不思議そうに答えるインタビュー。こちらの常識とあちらの真情とのズレがまた面白い。読者が自身を見つめ直す気づきの瞬間でもある。


  著者の文章に粉の風味を感じる。石壁の窯の砂ぼこり、薪火まきびの熱も肌に名が荒れてくるよう。複雑な業界事情の解説もさりげない。この塩梅あんばいもまた、職人の仕事なのだろう。


  これからのピッツァを見据えるエピローグ。ナポリの伝統の内部でも、実はさまざまな不易流行が渦巻いていた。「正解」をひたすら呼吸する前章までの痛快さはない。でも未来とはそういうものだとも思う。それが生きるということだから。


  新しい伝統を求め、今日も職人たちは窯の前で汗をかいている。


 (ミシマ社・2200円)


 ◇


※「読み楽しむ」のでしたら、こうすると安く、お薦めです!
 どうぞ、詳細をご覧ください。


いかがでしょうか。今回も読みたいと思います。
その書籍の紹介文はなるほど、読みたくなるのはすごいものです。
これもアフィリエイトのための文章力(ライター?)の参考のために読み続けます。
では、失礼しました。


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