§::万華鏡∞日記::§

「定期記事」で①きょうの運勢②首相日録③きょうの言葉④DMMFX要人発言が主です。その他「映画」「音楽」「書籍」の紹介文や、雑記もあります。

【書籍】話題の本をピックアップ!ぜひ、ご紹介します!?/2023.04.10。。(´・ω・`)


こんにちは、ハクです。


毎週日曜日、河北新報2版に「書籍紹介」があります。
試しまして、こちらよりご紹介させて戴きます。
書籍数はあまりにも多いので「評」する紹介文がある本だけと致しました。


どうぞ、ぽちっと「折りたたみメニュー」で、ご覧くださいませ。

例)折りたたみメニューはこちらです
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★★★★[ 紹介文はこちら ]★★
大当たり!( ´,_ゝ`)プッ

宜しくお願い致します。


 ◇


【著者とひととき】
『ケアする惑星』…他者が他者でなくなる
小川 公代さん


★★★★[ 紹介文はこちら ]★★

  英文学研究者の小川公代さんは、物語の力をもってして、他者をおもんぱかる「ケア精神」の尊さを、今こそ伝えようとしている。「育児や介護といったケアの価値がおとしめられています。ケアする人を惑星全体で慈しんでほしいと思って、この本を書きました」

  本書は、英国の小説家バージニア・ウルフを中心に、多様な作品の紹介を通じて、ケアする人々を「愛する存在」として再評価していく。「母性」が理想的されるあまり、母親は人間として抑圧されていないか。女性が他者をケアしながら自己実現の欲求も満たせるか。こうした問いを考えることは、古くて新しい。

  注目したのは、ウルフが、近代がつくりあげた強い「個人」像に抵抗していたことだ。「強い『個人』による支配に、弱者は搾取されてしまう。ウルフが描いたのはこれに代わる、自己と他者が互いにケアし合う相互依存のかんけいでした」

  ケアとは相互依存で、人は強くあろうとしなくていい―。この思想を強調する背景には、自身の英国への留学経験がある。

  子どもの頃から本が大好きで「文字が書いてあれば辞書でも何でも読んだ」。高校2年の時、奨学金を得て渡英。当時、英国の地方都市では東洋人は珍しく、奇異の目で見られたと振り返る。

  それでも、メークの仕方を教えてくれるなど、同じ人間として扱ってくれる同級生がいた。大学院まで進み、生活費に困った時は、高校時代のホストファミリーが「ただで住むのは気まずいだろうから」と家政婦として置いてくれ、得意の料理を「公代のご飯はいつもおいしい」と食べてくれた。「この経験が私の原点です」とほほ笑む。

  そして苦しい中で生きる力をくれたのが、文学だったと語る。「葛藤を抱えたヒロインたちの物語が、自分事として読める。胸のすくような言葉が残されている」。これらの言葉を基に、新自由主義的な弱肉強食の価値観を問い直す切れ味が、本書の最大の魅力だ。

  誰もがケアし合えば「他者が他者でなくなる」と話す。「共生への想像力を鍛えてくれるもの」。それこそが文学だ。

  
(「ケアする惑星」は講談社・1760円)



【読 書】
『四 書』…あらゆる点が食い違う
閻 連科(えん・れんか)
1958年中国・河南省生まれ、作家。著書に「愉楽」「丁庄の夢」「心経」など。2014年にフランツ・カフカ賞を受賞。


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 評・円城 塔(作 家)


  閻連科の作品はしばしば発行禁止の処分を受ける。本書も大陸での出版はできず、台湾で出版されたという経緯を持つ。

  過去の大躍進政策文化大革命に対して批判的であるからという説明がよくなされる。しかしさすがに現代中国文学においてもそれらを批判する内容のものは少なくなく、それだけでこの頻度は説明できない。

  過去に対する舌鋒(ぜっぽう)であれば肩をひくめてやりすごすことができるはずではないか。

  舞台は大躍進時代を連想させる中原の黄河のほとり、九十九区と呼ばれる更生区である。主に知識層が送り込まれて、労働と自己改造に従事している。

  頭で知るだけではなくて、労働の喜びをもって自然の尊さを知り、みずからの誤った思想を修正することが要求されている。書物は規制され、信仰や恋愛も無論、自由ではない。更生区を指導するのは「こども」と呼ばれるこどもであって、知識人たちにも個々の名はなく「音楽」や「学者」といった一般名詞で呼ばれている。

  書名の通り、本書は四つの本から構成される。更生区に収容された作家がその日常を描く「旧河道」、作家がその地での仕事として人々の生活の実態を報告書として暴き立てる「罪人録」、壮大な叙事詩調を採用した「天の子」等よりなく。抜き書きが提示され、削除箇所がある旨、示される。

  更生区同士はお上に認められるために競い合い、生産できるはずのない量の麦や鉄の生産を名乗り出ざるをえない。

  指令も、結果も、それに対する評価も全てが壮大に食い違う。巨大なシステムのあらゆる場所が齟齬(そご)をきたして機能不全に陥っており、制御はできず、人々は飢える。

  閻連科はその光景をただ淡々と描く。なぜか笑いがそこにうまれる。

  現政体は、作品の内容よりも、自分たちが笑われている、ということに我慢できなかったという可能性がありはしないか。


 (桑島道夫訳、岩波書店・3630円)



【読 書】
『答えは市役所3階に』…社会の死角 可視化する
辻堂 ゆめ(つじどう・ゆめ)
1992年神奈川県生まれ。作家。2015年「いなくなった私へ」でデビュー。「トリカゴ」で大藪春彦賞


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・若林 踏(書評家)


  新型コロナウイルス禍で生まれた、目にも見えない無数の苦悩を浮かび上がらせる。副題に「2020心の相談室」とある本書はそういう連作小説集だ。

  コロナの流行によって心の不調や悩みを抱える人々のために、立倉市役所は「2020こころの相談室」を開設する。ここには晴川あかりと正木昭三という2人の心理カウンセラーが働いており、様々な事情を持つ人々の話し相手になっているのだ。

  第一話で相談室を訪れるのは白戸ゆりという高校生で、彼女はコロナ禍のために志望業界の就職がかなわず、絶望的な気持ちになっていた。

  希望を失った人々が、カウンセラーとの交流を通して立ち直っていく小説なのか、と誰もが思うだろう。ところが晴川あかりが"推理"を始めた途端、それまで見えていた物語の様相ががらりと変わる。本書は謎解きによって全体の構図がひっくり返る驚きが待つミステリー短編集でもあるのだ。

  各編ともに大胆なたくらみが用意されている。ミステリーの技法として最も感心したのは、コロナが蔓延する状況のなかで恋人と別れた青年が登場する第二話である。綱渡りのような仕掛けが施された一編なのだが、それを見破るための手掛かりがきちんとフェアに提示されている。まさかここにヒントが、と思うほど巧妙な隠され方なのだ。

  題名の通り、本書はコロナの感染爆発が起きた2020年を舞台にしている。未知のウイルスに対して誰もが混乱していた時期であり、作中にも世間の戸惑いが色濃い映し出されている。

  そんな混迷した状況のなかで、誰にも認知されることのない苦しみを背負ってしまった人々はもっと大勢いるのではないか。作者は社会の死角になっている部分を、ミステリーの技法によって可視化してみせるのだ。「これは、二〇二〇年のどこかにいた、誰かの物語」という巻頭の一文が胸に突き刺さる。


 (光文社・1760円)



【読 書】
『学校では教えてくれない生活保護…制度の使い方 具体的に
雨宮 処凛(あまみや・かりん)
1975年北海道生まれ。作家・活動家。反貧困ネットワーク世話人。著書に「生き地獄天国」「生きさせろ!」など。


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 評・生田 武志(社会運動家


  なんで学校では「最後のセーフティネット」について教えないんだろう?安全講習なしでリスクのある職場やアトラクションに人を送り出すなんて普通しないのに。

  非正規労働者が増え、新型コロナウイルス禍などで失業する人も増えたいま、「生活保護を知らない」と死ぬほかない、という人が本当に増えた。なのに、テレビやネットでは一部の政治家や市民が「生活保護は恥ずかしい」とか、とんでもないバッシングをしている。そんな日本では、みんなでこの本、「学校では教えてくれない生活保護」を読むしかない!

  この本は、雨宮さんやぼくが参加した電話相談会での悲痛な叫びから始まり、生活保護を申請しないまま餓死した人たち、困窮して自暴自棄になって起こってしまった無差別殺人事件について語っている。生活保護を知って普通に使えていれば、そうした事件は起こらなかったはずなのだ。

  生活保護はなぜそれほど使いにくいのか。それには、役所が申請者を追い返す「水際作戦」、親族に申請のことを知らせてしまう「扶養照会」、財産をほぼ全部失わないと使えない「一括給付」などの問題がある。

  そこで、雨宮さんは「なぜ水際作戦が起きるのか」を元・生活保護担当職員の田川英信さんに尋ね、生活保護の使い方の具体例を弁護士の小久保哲郎さんに聞き、政府のキャンペーンで生活保障制度が使いやすくなった韓国や、「尊厳」と「信頼」に根ざして積極的な利用を促すドイツのこと、そして外国人の野宿者が増えている日本で「外国人は生活保護の対象にならないの?」などを研究者に詳しく解説してもらう。読んでいくと本当に「社会を見る目」が変わるよ。

  しかも、オンラインで申請できる新たな支援、全国の相談先リストの紹介もあり、本当にこの本は役に立つ。これは、27年前から生活保護問題の支援をしているぼくにとっても発見に満ちた見事な一冊だ。


 (河出書房新社・1562円)



【読 書】
『テレビはプロレスから始まった』…中継作った制作者たち
福留 崇広(ふくとめ・たかひろ)
1968年愛知県生まれ。スポーツ報知記者。プロレス、格闘技、大相撲などを取材。著書に「昭和プロレス 禁断の闘い」。


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 評・斎藤 文彦(コラムニスト)


  これまでの歴史的あるいは文化的コンセンサスへの挑戦なんていったらいささか大げさかもしれないが、「プロレスはテレビから始まった」ではなく「テレビはプロレスから始まった」である。

  歴史的コンセンサスとは「街頭テレビに黒山の人だかり」で知られるテレビとプロレスの関係。テレビという新しいメディアが"戦後のスター"力道山を生んだ。

  日本でプロレスの興行が本格的に始まったのは1954年2月で、民放第1局として日本テレビが本放送を開始したのはその前年の53年8月。

  同局は、力道山からジャイアント馬場の「全日本プロレス中継」まで、モノクロからカラー、昭和から平成まで、プロレス中継を長寿番組としてお茶の間に届けてきた。

  サブタイトルの通り、本書は「全日本プロレス中継を作ったテレビマンたち」の物語。プロレスの本ではあるが、レスラーはあまり登場しない。

  「全日本プロレス中継を作ったテレビマン」原章のディレクター・プロデューサー時代の通算24年間、14冊に及ぶ制作ノートを目の当たりにした著者は、自身も同番組全1438回放送分の番組内容を調査するという途方もない作業に挑んだ。

  「スポーツ的な要素を持ちながらドラマ性があるプロレスこそまったくのテレビ」と原は語る。

  この本の企画を立ち上げた時点での著者の認識も「プロレスを育てたテレビ」であったが、取材を進めていくうちにそれが「むしろテレビを育ってたのがプロレス」という新しい理解に変わった。

  著者の筆が走るのは若林健治福沢朗が実況アナだった時代の述懐。全日本プロレスが分裂し、27年8カ月つづいた番組は唐突に終了した。

  「プロレスがなかったらテレビはこんなに早く一般家庭に普及しなかった」と話すのはキャリア60年のテレビ人、徳光和夫。「テレビはプロレスから始まった」は徳光のコメント。少年時代に耳にしたその"実況音"に著者の心は躍った。

 (イースト・プレス・2090円)



【読 書】
『貴族とは何か』…垣間見える「徳」の変遷
君塚 直隆(きみづか・なおかた)
1967年東京都生まれ。関東学院大教授。「立憲君主制の現在」でサントリー学芸賞。他の著書に「エリザベス女王」など。


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 評・吉田 徹(同志社大教授)


  以前英国を訪れた際、第1次世界大戦の慰霊碑に貴族の名がやたら多いことに気付いた。その謎は本書で解けた。大戦の初めの年の一般兵卒の死亡率が17人に1人だったのに対し、貴族出身の将校は実に7人に1人に上ったのだという。

  「ノブレス・オブリージュ」、すなわち「高貴なるものの責務」という言葉に象徴されるように、生まれつき特権を持つ貴族にはいつの時代も「徳」を持つことが求められてきた。本書で跡付けられる古代ギリシャ、中国、欧州、さらに日本の貴族階級においても、同様だった。

  政治における自由主義や経済での自由貿易など、近代の政府経済の原理を生み出したのも貴族階級であろう。英国政治外交史を専門とする著者の筆が最もさえ渡るのは、同国の貴族層の発展を書いた部分だ。

  当初は王政を支える存在として重用されていた貴族は、その後王に取って代わって統治へと乗り出していく。そこで浮かび上がってくるのが、日本でも明治期に導入された貴族院という存在だ。

  同院は、民主化によって権限が制約されるようになり、議員も世襲貴族から一代貴族、さらに専門家や文化人、運動家などにも門戸が開かれていく。垣間見えるのは、差y界における徳の変遷である。

  著者は、現代にあっては「ノブレス・オブリージュ」は「ナショナル・オブリージュ」に変容を余儀なくされているという。

  すなわち、貴族に要求されていた知恵や正義、節制などの徳は全国民が有すべきはずのものになった。確かに、近年の英国王室を巡る数々のスキャンダルに見られるように、高貴なる者たちの徳は、ますます地に落ちているかに見える。

  もし国民も、貴族も、もはや高貴な責務を果たせないのだとしたらー。「今だけ、ここだけ、私だけ」が横行する時代に、新たな貴族性を探求する必要性を痛感させてくれる一冊でもある。


 (新潮選書・1760円)


 ◇


※「読み楽しむ」のでしたら、こうすると安く、お薦めです!
 どうぞ、詳細をご覧ください。


いかがでしょうか。今回も読みたいと思います。
その書籍の紹介文はなるほど、読みたくなるのはすごいものです。
これもアフィリエイトのための文章力(ライター?)の参考のために読み続けます。
では、失礼しました。

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