§::万華鏡∞日記::§

「定期記事」で①きょうの運勢②首相日録③きょうの言葉④DMMFX要人発言が主です。その他「映画」「音楽」「書籍」の紹介文や、雑記もあります。

【書籍】話題の本をピックアップ!ぜひ、ご紹介します!?/2023.08.28。。(´・ω・`)


こんにちは、ハクです。


毎週日曜日、河北新報2版に「書籍紹介」があります。
試しまして、こちらよりご紹介させて戴きます。
書籍数はあまりにも多いので「評」する紹介文がある本だけと致しました。


どうぞ、ぽちっと「折りたたみメニュー」で、ご覧くださいませ。

例)折りたたみメニューはこちらです
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★★★★[ 紹介文はこちら ]★★
大当たり!( ´,_ゝ`)プッ

宜しくお願い致します。


 ◇


【著者とひととき】
『この夏の星を見る』…かけがえない「今」描く
辻村 深月さん


★★★★[ 紹介文はこちら ]★★


  2021年9月から河北新報夕刊等に掲載された辻村深月さんの作品は、新型コロナウイルスの猛威に揺れる日本列島を舞台にしながらも、胸のすく青春小説だ。この間、生徒たちはさまざまな活動を制限されたが「こんな状況下だからこそ普遍的な作品を書けるのではないかと思った」と執筆の動機を語る。


  茨城、東京、長崎の中高生が天文部の活動を通じ、自作の望遠鏡で星を見る腕前を競うコンテストを開く。参加するのは、元々星を見るのが好きだった生徒だからでなく、コロナ禍で本来の部活動ができなくなったなどさまざまな事情を抱えている。


  「3密(密閉、密集、密接)をさけてできる部活って何だろうと思った時に、天文部にしようと思ったんです」


  天体のことには詳しくなかったが、リモート取材も駆使しながら2021年春に執筆を開始。宇宙を題材にしたことで、思わぬ効果も生まれた。


  「ソーシャルディスタンスという言葉があったように、とにかく距離を気にした時代。けれど、登場人物たちが望遠鏡を眺めている間は、つかの間、距離から自由になる感覚がありました」


  中学受験の過熱で入学者が激減した都心の公立中、島外から"留学生"を受け入れる長崎・五島の風景―。そんな現代日本の姿もきっちりと織り込まれた本作。だが、だが、どんな環境であれ一人一人の生徒にとっての「今」がかけがえのない瞬間であることは、変わらぬ事実だ。


  「この間『失われた』という表現が安易に使われることに抵抗があった。例年通りじゃなかったとしても、思いや葛藤は確かにあったはずだから」


  そんな著者の思いを代弁するように、顧問の先生が終盤こう語る。「彼らの時間がまるごと何もなかったかのように言われるのは心外です。子どもだって大人だって、この一年は一度しかない」


  過去作では、子どもの視点から見た大人の無理解・無神経を書くことが多かったが、今回は「子どもに信頼される大人」を登場された。「そういう人って、子どものことを信じてますよね」とほほ笑んだ。


(「この夏の星を見る」はKADOKAWA・2090円)



【読 書】
『禍』…濃密な物語の「曼荼羅
小田雅久仁(おだ・まさくに)
1974年仙台市生まれ。2009年「増大派に告ぐ」で作家デビュー。21年「残月記で吉川英治文学新人賞日本SF大賞を受賞。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・吉田 伸子(書評家)


  本書は、2009年、第21回日本ファンタジーノベル大賞受賞作「増大派に告ぐ」でデビューした著書の新刊で、肉体にまつわる7編からなる作品集だ。どの1編も、身体の奥からぞわぞわと突き上げてくるような怖さに満ちている。


  口をテーマにした「食書」では、スランプに陥って新作を出さずにいる作家が主人公だ。


  ある日、ショッピングモールの多目的トイレで用を足そうと思った彼が、そのトイレで目にしたものは、便器のふたに腰かけ、破り取った単行本のページを"食べて"いる女の姿だった。


  「絶対に食べちゃ駄目よ!」


  女はそう言って立ち去って行くのだが、彼女のその言葉が、呪いのように彼を「食書」へと駆り立てていく―。


  失踪した恋人のアパートに赴いた主人公が、彼女の隣人の男から聞かされた、耳にまつわる話(「耳もぐり」)、食い詰めた男が連れられて行った、ある特殊なものを栽培する場所(「農場」)、10万円という報酬に釣られ、軽い気持ちで宗教儀式のサクラのバイトを引き受けた女の顛末てんまつ(「髪禍」)…。


  どの短編も現実とは地続きのままに、現実とは紙一重の"異世界"にするりと入り込んでいく。その様は、くらりとした目まいさえもたらす。


  加えて、肉体をテーマにしていることの"肌感"が、怖さに拍車をかける。普段見慣れているはずの口が、耳が、髪の毛が、まるで迷い込んではいけない世界へと、ぽっかり開いた入り口のように思えてくるのだ。


  とはいえ、怖いだけ、ではない。迷い込んだ"異世界"には、新たな世界の兆しのようなものももの見える。それは希望なのか、はたまた新たな煉獄れんごくなのか。


  デビュー以来4冊目、と、著者が寡作な理由は本書を読めばわかる。描かれているのは、単なるもの語りではなく、物語による曼荼羅まんだらなのだ。読者はその濃密さに、ただただ圧倒されるしか、ない。


 (新潮社・1870円)

禍

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【読 書】
『レーエンデ国物語』…実在感帯びる幻想世界
多崎 礼(たさき・れい)
作家。2006年、「煌夜祭」でC★NOVELS大賞を受賞しデビュー。著書に「<本の姫>は謳う」「血と霧」シリーズなど。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・三辺 律子(翻訳家)


  レーエンデ国という架空の国の名を冠したタイトル、本を開くと現れる「幻の海」「竜の首」といった目次、さらにページをめくると、物語の舞台の地図!そう聞いただけで著店に走るファンタジー愛好者は多いだろう。


  大国、聖イジョルニ帝国が支配する時代。帝国領は十二の州に分割され、聖都シャイアに住まう法皇がその頂点に立つ。だが、十二州にも法皇庁領にも属さない地域があった。それがレーエンデだ。


  レーエンデが自治を獲得しているのは、大小二つの山脈に挟まれる立地のためだけではない。「銀呪病ぎんしゅびょう」と呼ばれる、侵されると全身が銀のうろこに覆われ、死に至る風土病があるからだ。また、この世ならざるものがするともうわさされ、帝国の民は「呪われた土地」として忌避する。しかし、呪われた土地だろうとなんだろうと、権謀術数のうごめく帝国内にある限り、権力争いと無縁ではいられない。


  物語は、レーエンデと境界を接するシュライヴァ州から交易路(当然、進軍路ともなりうる)開設を目指しやってきた軍人のヘクトル、その娘であり、「聖女」となる天命の下生まれたユリア、ユリアと恋に落ちる元傭兵ようへいのトリスタンの3人の運命を軸に進む。


  古代樹がそびえ立ち、銀色の霧が大蛇のように地をい、半透明の異形の魚が泳ぐ幻の海。電灯代わりの「光虫」、忍耐強い「フェルゼ馬」、不思議な音色を奏でる「歌う木クラング」など、ファンタジー世界を彩る美しい奇想には事欠かない。


  その幻想的な世界に確固たる実在感を与えるのが、受け身の貴族令嬢から成長を遂げるユリアや、呪われた運命を背負いつつ真の居場所を見つけるトリスタンら血の通った登場人物、そして、老獪ろうかいな権力者たちの繰り広げる複雑な駆け引きや政治といった「リアリズム」の要素だ。


  この国が今後どんな歴史を紡ぐのか。続巻も刊行され、胸が高鳴る。


 (講談社・2145円)




【読 書】
『わたしは、不法移民』…政策に翻弄される人生
カーラ・コルネホ・ヴィラヴィセンシオ(KARLA CORNEJO VILLAVICENCIO)
1989年エクアドル生まれ。エール大大学院でアメリカンスタディーズを学んだ。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・上岡 伸雄(学習院大教授)


  9・11テロ事件で現場に最初に駆け付けたのは消防士と救急救命士だが、「次に駆け付けたのは、不法移民たちだった」と本書にある。なぜか?


  それは、彼らの多くがテロ現場のがれきの撤去作業尾に従事したからだ。普段から日雇い労働に依存する彼らは、危険性を知らされもせずに安く雇われ、多くが肉体的・精神的な傷を負った。不法移民への搾取と迫害の実態がここに見て取れる。


  本書は、自身もエクアドル出身の不法移民である女性が、中南米系の不法移民を訪ね歩き、彼らへの不当な扱いを暴露するとともに、自らの半生を語る。9・11の後始末に安く使われた彼らだが、この事件以降、猜疑さいぎの目も向けられるようになる。不法移民の運転免許が取り消されたため、著者の父はタクシー運転手の職を失い、娘にすがりついて泣き崩れる。強くてたくましい父を慕っていた著者にとってで、衝撃できな出来事だ。


  「不法」とはいえ、多くはやむを得ない事情で祖国を離れ、正規の手続きを踏めずに入国。真面目に働き、税金も払っている。それでも保守層からの風当たりは強く、いつ強制送還されるかも分からない。オバマ元大統領は若い不法移民を優遇する政策を取り、そのおかげで著者は名門大学を卒業できた。しかし、その政策を批判するトランプ前大統領の当選により、彼らのコミュニティーには激震が走る。


  本書はこうした政策に翻弄ほんろうされる移民たち個人の生活や言葉を拾い上げていく。テロ事件の現場で働いた者たちのほか、水道汚染の被害者たち、父親が強制送還されてしまった子どもたちなどだ。並行して描かれる著者自身の人生では、ストレスからくる激しい感情の起伏や、両親や弟への複雑な思いがあらわになる。


  一緒くたにされがちな不法移民だが、彼らには個々の人生があり、感情がある。他者を個人として見なければならないということ。それを改めて思い知らせる点で、本書のようなルポは重要だ。


 (池田年穂訳、慶應義塾大学出版会・2640円)



【読 書】
『忘れられたBC級戦犯 ランソン事件秘録』…罪負わされた下級将校
玉居子精宏(たまいこ・あきひろ)
1976年神奈川県生まれ。ノンフィクションライター。著書に「大川周明 アジア独立の夢」など。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・永井 均(広島市立大教授)


  第2次世界大戦後、ヨーロッパとアジアの各地でドイツ人や日本人に対する戦犯裁判が展開された。ハーグ陸戦規則やジュネーブ条約など国際法違反の罪で枢軸国側の兵士や民間人の刑事責任が追及されたのである。これら裁判は、日本では東京裁判BC級戦犯裁判の名称で知られよう。


  本書は1950年1月にサイゴン(現ベトナムホーチミン)のフランス軍事法廷で訴追された4人の日本兵に光を当てたものだ。彼らは45年3月にフランス領インドシナ北部の町ランソン事件と 裁判を描き、集団殺害が作戦計画の中で行われたにもかかわらず、現場の4人だけが責任を問われたことへの疑問を投げかける。


  そして、作戦発動を決めた第38軍や隷下の第37師団の上層部は責任を免れ、現場を指揮した下級将校らが罪を負わされた不公平な構図を見いだしていく。


  さらに著者は、国や組織と個人の間に生じる不合理や相克を象徴するランソン事件は過去のものではない、と強調する。違法な行為がなされるメカニズムと責任回避の構造は現在と地続きにあると。


  本書の意義は、膨大な史資料ししりょうを渉猟したランソン事件とサイゴン裁判を掘り起こし、死地に赴いた4人の戦犯の人生を忘却から救い出したことにある。その特徴は、日本側の視角から事件と裁判に迫った点にあり、そのことで4人が置かれた当時の環境や心情が浮き彫りにされる。


  もっとも、対日戦犯裁判を相対的に捉えるには、客体であるフランス人被害者や現地住民にも目を向ける必要がある、との指摘もありえよう。このことについては残された課題と詩、ランソン事件をめぐるサイゴン裁判史に初めて本格的に取り組んだ試論として本書を評価したい。


 (中央公論新社・2200円)



【読 書】
『「死にたい」と言われたら』…自殺の衝動と向き合う
末木 新(すえき・はじめ)
1983年生まれ。和光大現代人間学部教授。著書に「インターネットは自殺を防げるか」「公認心理師をめざす人のための臨床心理学入門」など。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・関口 愛(公認心理師、医学博士)


  研究者の観点から自殺という事象の背景、歴史、心理、周囲への影響、予防や対処法について、幅広い知見を基に書かれている。科学的、社会的に捉えた説明が多く、「自殺の心理学」という副題の方が内容をより適切に表れている印象だ。


  背景にあるのは戦争や災害、経済、メディア報道、病気、仕事、学業、人間関係など多岐にわたる。個々の事情は複雑で、現場の研究や知識では特別な誰かの思いを理解するには限界がある。


  「死にたい」と言われたら―。緊急の場合は救急か警察に連絡する。差し迫っていないようなら話をそらさず理解するように聞く。理解したことを伝え返すなど、気持ちや状況を分かち合う。心身の安全確保に向けた対応が詳しく記される。


  もし「死にたい」と思ったなら―。著者はまず誰かに話してみるよう伝える。誰も思い浮かばないときには、警察に保護を求めるという手段もある。事件に浮き込まれないよう注意を促し、信頼の受ける人や相談機関を活用するなど自分を守る方法を説明する。


  「死にたい」という気持ちが高まるのは、それだけきついというサインだ。心の視野が狭くなる心理的視野狭窄きょうさくに陥り、身近な助けや解決策が見えなくなってしまいやすい。相談するのも受けとめるのも容易ではないが、気持ちの波は小さくなることも多く、不確実さに耐えながら互いに関わり続けるしかないと伝える。


  重要なのは日頃の備えだ。相談先を調べたり、睡眠や運動の習慣を整えたり、相談し合える対人関係を保ったり、何をつらく思い、どう対処してきたかを考えるといったことも提案する。


  著者は客観的な表現が冷たく響くことに配慮し、場合によっては読むのを延期するよう勧める。読みやすさがある分、軽やかな文体も散見され、切実な思いで読むと誤解や負担につながる可能性もある。無理せず落ち着いて考えたいときには、本書は自分や誰かの助けになるだろう。


 (ちくまプリマ―新書・880円)



 ◇


※「読み楽しむ」のでしたら、こうすると安く、お薦めです!
 どうぞ、詳細をご覧ください。


いかがでしょうか。今回も読みたいと思います。
その書籍の紹介文はなるほど、読みたくなるのはすごいものです。
これもアフィリエイトのための文章力(ライター?)の参考のために読み続けます。
では、失礼しました。


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