§::万華鏡∞日記::§

「定期記事」で①きょうの運勢②首相日録③きょうの言葉④DMMFX要人発言が主です。その他「映画」「音楽」「書籍」の紹介文や、雑記もあります。

【書籍】話題の本をピックアップ!ぜひ、ご紹介します!?/2023.04.24。。(´・ω・`)


こんにちは、ハクです。


毎週日曜日、河北新報2版に「書籍紹介」があります。
試しまして、こちらよりご紹介させて戴きます。
書籍数はあまりにも多いので「評」する紹介文がある本だけと致しました。


どうぞ、ぽちっと「折りたたみメニュー」で、ご覧くださいませ。

例)折りたたみメニューはこちらです
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★★★★[ 紹介文はこちら ]★★
大当たり!( ´,_ゝ`)プッ

宜しくお願い致します。


 ◇


【著者とひととき】
『真珠とダイヤモンド』…バブルの青春残酷物語
桐野 夏生さん


★★★★[ 紹介文はこちら ]★★

  「一度は総括しようと考えていた」と語るバブル時代に、作家の桐野夏生さんが新作で向き合った。描いたのは「青春残酷物語」だ。「急にリッチになった華やかな生活をしているという話が多いが、狂わされ潰れていった人も多い。そういう側面を描きたかった」


  物語の軸となるのは1986年に証券会社の福岡支店に同期入社し、友情を育む2人の女性。高卒の事務職員として採用され、大学進学のため貯蓄を心がける水矢子に対し、短大卒で営業部に配属された佳那は向上心が強く、盛り上がるため"共闘"を持ちかけてきた同期の男は接近する。


  彼女たちの暮らしの変化はめまぐるしい。同じ頃にライターをしていた桐野さんは、バブルとは縁のない生活を送っていたが、「急に見えを張り、平気で人をばかにする風潮が広まって、嫌な時代だと思っていた」。一方、若い女性が男性と一緒に出張する姿を見て、女性の就業機会が増えたと感じたこともあった。


  男女雇用機会均等法が施行されたのもこの頃。ただ、証券の世界は圧倒的な男性優位社会で、水矢子も佳那も思い描く将来像を実現できない。桐野さんは、バブル崩壊以降に派遣などの非正規労働が広まっていったと指摘。「バブルは女性の格差が広がっていく前夜でもあった」。物語は、水矢子が新型コロナウイルス禍で職を失い、貧困の中で佳那と"再会"する場面から始まる。


  執筆に当たっては、かつての証券マンや経済部記者らに取材。その結果、「バブルがかなり人為的につくられたブームだったと分かった」。民営化に伴って政府保有のNTT株が売却される際には、消費者金融で借金させてまで株を買わせブームを生み出そうと奔走する人々の姿が描かれる。


  物語のラストで登場人物の一人が「大人たち」に「さんざ利用されて、全部奪われ」たと吐露するシーンが印象に残る。今、政府は「新しい資本主義」の名の下に積極的な投資を呼びかけている。「国主導でやっているところが、どこかバブル時代を思い出させます」


(「真珠とダイヤモンド」は毎日新聞出版・上巻1760円、下巻1650円)



【読 書】
『黄色い家』…「当たり前」夢見た果て
川上美映子(かわかみ・みえこ)
1976年大阪市生まれ、作家。「乳と卵」で芥川賞。著書に「夏物語」(毎日出版文化賞)「ヘヴン」「あこがれ」など。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・東畑 開人(臨床心理士


  書評を頼まれたので読み始めてみたら、最後のページまで止まらない大傑作だった。ただ問題がひとつ。一気読み中には物語にのみ込まれているから、書評に何を書くかを考える力が完全に失われたことだ。ああ、困った、どう書けばいいのか。


  大枠で言えば犯罪小説なのだろう。養育不全家庭で育った少女・花が、黄美子さんという不思議な大人と出会い、家を出る。そして、生計を立てるためにスナックを経営するが頓挫し、やがて犯罪に手を染める。


  いや、青春小説なのかもしれない。花は同じように不全な家庭で育った少女たちと出会い、一緒に暮らすようになる。彼女には初めて友人ができ、、年齢相応の楽しみを体験する。ここには成長があり、回復がある。


  花はずっと夢を見ている。みんなと暮らせて、安心できる「家」が欲しい。子どもなら誰もが描く当たり前の欲求を大人たちが満たしてくれないから、花はひとりで「黄色い家」を手に入れ、維持しようと奔走する。


  ケアする力が欠けている無関心な大人と、自分の力だけで生き抜かないといけない子どものケアが全編にわたり登場する。花は孤独だ。見守る大人がいない子どもの心は厳しい現実と甘い夢の間を一人で行き来する。だから、物語はジェットコースターのように展開し、そのたびに孤独な深まり、心をむしばむ。ついには決壊する。叫ぶ。


  「あんた、自分がいつまで生きて、このさき死ぬまでにいくら金がいるか、自分でわかんのか。あんたにそれがわかんのか」


  こういうことを自分で考えないでいいのが「子ども」であるはずだ。そして、それを代わりに考えてあげるのが「大人」だ。この物語に年をとった子どもはいても、大人はいないのである。


  ああ、ダメだ。うまく書けてない。このマジカルで、神話的な物語の一端も伝えられてない。だから、とにかく、あなたにも一気読みしてもらいたい。


 (中央公論新社・2090円)



【読 書】
ごっこ…肉体が現実へ引き戻す
紗倉 まな(さくら・まな)
1993年千葉家生まれ、AV女優、作家。小説に「最低。」「春、死なん」、エッセーに「働くおっぱい」など


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・向原 くじら(詩 人)


  リアルとは、こういうことか、と思った。三つの短編を収録する本作には、3人の女性主人公が登場する。その悪戦苦闘ぶりは、共闘を通り越して、こちらの痛いところを鋭くえぐるようだ。だが同時に、無性にこの物語に引かれてしまう。まるで「めんどくさいけど、どうしようもなく魅力的な人」と、実際に出会いってしまったように。


  1編目「ごっこ」がいきなり高速道路の渋滞のシーンから始まるのが、そのめんどくささを象徴する。ささいなことで年下の男・モチノにキレられ、車内でフラペチーノをぶちまけられる女・ミツキ。2人はあてのない逃避行中。ミツキは、モチノに振り回されていながら、同情しているし、「格別なものぐるおしさ」を感じてもいる。


  「見知らぬ人」の那月は夫の不倫に苦しむつつ、自らもほかの男と関係を持つ。「はこのなか」の戸川は結婚した同性の友だち・タクボへの感情をこじらせ、タクボ夫妻が暮らすマンションに住み込もうとする。


  3編とも、恋や愛が簡単に美化されることを巧妙に拒む。彼女たちを耽溺させず、現実へ引き戻すのは、肉体である。ミツキはモチノの求めるヌード撮影に付き合いながら、虫刺されに爪でバツの字をつける。那月の体からは、膣座薬がくりかえし、屈辱的にこぼれだす。戸川が男のことを「力の備わったほう」と呼ぶところでは、同じ体を持った読者として泣きたくなった。女の体は、ただ美しいだけではない。生きていて弱さを持ち、汚れも傷もつく。


  しかし、彼女たちは強くもある。相手や状況、自分自身の感情さえも、さめた目線で観察している。そして時に、窒息しそうなほど言葉をぶちまける。アクセルを踏み込んで、渋滞を振り切るように、それが、どうしようもなく魅力的なのだ。


  女は肉体を持って実在し、かつ思考している。そんな当たり前のことを、しかし本当に分かっているのか、と、胸ぐらをつかむように問う小説集だ。


 (講談社・1650円)



【読 書】
アイヌの時空を旅する』…実感求めて現場に立つ
小坂 洋右(こさか・ようすけ)
1961年札幌市生まれ。アイヌ民族博物館学芸員、北海道新聞編集委員などを歴任。著書に「大地の哲学」など。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・碓井 広義(メディア文化評論家)


  かつてアイヌは和人に対して3度決起した。15世紀の「コシャマインの戦い」、江戸前期の「シャクシャインの戦い」、同じく中期の「クナシリ・メナシの戦い」だ。


  本書は最後の戦いから約230年が過ぎた今、眠っているアジアの歴史を掘り起こし、その世界観や自然観に迫ったルポルタージュである。選んだ手段は、現地だからこそ得られる実感を求めて歴史の場所に立つことだ。


  まず、知床半島一周70㌔のカヤックツアーに出る。古くからアイヌの交易は盛んだった。富の蓄積はあ侵略や抑圧に対する抵抗力でもあったからだ。しかし江戸幕府は交易を召し上げ、交易路を切断してしまう。それはアイヌから航海や長旅の技術・文化を失わせることになった。知床の強風や荒波を体感しながら、著者は「海の民」アイヌに思いをはせる。


  次が海辺からの視点で陸地を見つめる川の旅だ。800年前も丸木舟で移動していた「川の民」アイヌにならい、勇払川千歳川石狩川本流とカヌーでこぎ進んでいく。アイヌにとっての川は、人間や魚だけでなく、神様も行き来する場所だ。川を分断する行為が、その地域の現在と未来に与える影響の大きさを著者は静かに嘆く。


  さらに挑戦するのが大雪山の雪中行だ。幕末の探検家松浦武四郎アイヌと共に足を踏み入れた尾根の道を追体験する。


  「山の民」アイヌがかんじきで歩いた場所に、山スキーで入っていく著者。富良野岳では162年前と変わらぬ風景と向き合い、「武四郎が遥か昔に目にした光景がまさに今、目の前にある」と感慨に浸る。同時に、明治政府によって飢餓への追い込まれた十勝アイヌの苦難を思うのだ。


  近年、アイヌの権利回復の動きが目立つ。サケ捕獲権の確認を求める提訴。また遺骨返還訴訟では北海道大学から祖先の遺骨を取り戻した。クナシリ・メナシの戦いが終わりではなく、民族の誇りと尊厳を守る戦いは今も続いている。


 (藤原書店・2970円)



【読 書】
『ルポ 筋肉と脂肪 アスリートに訊け』…勝負は食事から始まる
平松 洋子(ひらまつ・ようこ)
1958年岡山県生まれ、エッセイスト。「野蛮な読書」で講談社エッセイ賞、「父のビスコ」で読売文学賞


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・平田 俊子(詩 人)


  美食家を自認する人もいれば、味にこだわらない人もいる。野菜が苦手な人もいれば、肉を避けている人もいる。わたしたちが生きるうえで欠かせない食事だが、食との関わり方は人それぞれ。アスリートと呼ばれる人たちは何を食べ、どのように食と向き合っているのだろう。


  子どもの頃からスポーツに親しんできた平松さんは、アスリートと食の関係に興味を覚えた。そして5年にわたって力士、プロレスラー、陸上選手、さらにはアスリートを支える栄養士など多くの人に取材を重ねた。それをまとめたものが本書である。


  相撲は「筋肉と脂肪の両方がなければ15日間ぶっ続けで戦えない」と押尾川親方は語る。日頃、目の敵にされがちな脂肪だが、ぶつかり合うときクッションになる脂肪が力士には必要らしい。


  相撲部屋の食事といえばちゃんこ鍋。栄養バランスに優れているうえ、エネルギー源となるお米を多く食べられる。そんなちゃんこ鍋を若手力士が好まなくなっていることを、公認スポーツ栄養士の橋本玲子さんは憂える。


  また、プロレスラーの棚橋弘至さんは、「使える筋肉にする、戦える身体をつくる」ために積極的にプロテインを取る。


  スポーツの世界は今なお男性社会で、女性指導者は3割未満。そのために起こすさまざまな問題に、男性指導者の誤った認識に苦しめられてきた陸上(長距離走)の選手で、2020年東京の女子1万㍍に出場した新谷仁美さんは声を上げる。


  過酷な世界に生きるアスリートの言葉には一つ一つに重みや驚きがある。食べることから勝負は始まっている。食べたいものを我慢することも、食べたくなくても食べることも要求される。アスリートを支える人たちの存在がいかに大きいかも本書は伝えてくれる。


  平松さんは食文化を長く見つめてきた。取材の場でかくも有意義な言葉を次々に引き出したのは、そういう著者ならではの筋肉の力だろう。


 (新潮社・2310円)



【読 書】
『沖縄のいきもの』…つながる多様な固有種
盛口 満(もりぐち・みつる)
1962年生まれ。沖縄大人文学部こども文化学科教授。著書に「ゲッチョ先生と行く 沖縄自然探検」など。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・鷲谷 いづみ(生態学者)


  本書は、琉球諸島(南西諸島)の島々の地史・地形・気候に応じた独特の生物相を、最新の科学的知見を基に分かりやすく解説した「生物誌」である。日本列島南端のこの島しょ群は、1000種もの固有種を擁する「生物多様性ホットスポット」であり、2021年、奄美大島・徳之島・沖縄島北部・西表島が「世界自然遺産」に登録された。


  プレートの動きによる何百万年にもわたる大陸と島々とのつながりの変遷、DNAで見た遺伝的変異、ヒトがいつ住み始めたかを示す考古学データなどを総合し、それぞれの島(々)の生物相の成り立ち、固有種の分布などを丁寧に説明する。


  例えば大型毒蛇ハブは、八重山諸島のサキシマハブや台湾のタイワンハブよりは中国大陸のナノハナハブと遺伝的に近縁で、数百万年前に地続きだった中国大陸から沖縄や奄美大島に移った。奄美大島と徳之島にに生息するアマミノクロウサギは、同様に大陸からやって来て、大陸のクロウサギ絶滅後にも捕食者のいない島で生き残った。開発が進んで森の少ない沖縄島中南部にも、かつては生き物豊かな森林が広がっていたことが、旧石器時代の人骨の発見で名高い「湊川フィッシャー遺跡」などの石灰岩の割れ目から出土する化石から推測できるという。


  最近、新種として記載されたオキナワソウなど、菌類に栄養を頼る目立たない従属栄養食物を、亜熱帯照葉樹林の生物共生ネットワークの象徴として取り上げるなど、生き物の「つながり」の記述が充実している。


  ブダイがサンゴを食べて海底に排出する白い砂は、海のコバルトブルーを引き立て、ジュゴンやウミガメの餌となる海草を育てるが、有孔虫ホシズナの死骸がつくる白い砂浜と共に開発で失われ、人工的に造成されたビーチに置き換えられている残念な現実も伝える。


  南の島への旅には本書の携行をお勧めしたい。随所に挿入される著者の手になる見事な生物画のイラストも楽しめる。

 (中公新書・924円)



 ◇


※「読み楽しむ」のでしたら、こうすると安く、お薦めです!
 どうぞ、詳細をご覧ください。


いかがでしょうか。今回も読みたいと思います。
その書籍の紹介文はなるほど、読みたくなるのはすごいものです。
これもアフィリエイトのための文章力(ライター?)の参考のために読み続けます。
では、失礼しました。


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