【書籍】話題の本をピックアップ!ぜひ、ご紹介します!?/2023.06.26。。(´・ω・`)
こんにちは、ハクです。
毎週日曜日、河北新報2版に「書籍紹介」があります。
試しまして、こちらよりご紹介させて戴きます。
書籍数はあまりにも多いので「評」する紹介文がある本だけと致しました。
どうぞ、ぽちっと「折りたたみメニュー」で、ご覧くださいませ。
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大当たり!( ´,_ゝ`)プッ
宜しくお願い致します。
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【著者とひととき】
①『アジアを生きる』…世界が揺れ動く今こそ
姜 尚中さん
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政治学者の姜尚中さんの新著は、時代の流れを縦糸に、自身が歩んできた学究の道を横糸にしながら国際社会のありようを論じ、私たちが生きるアジアの未来の姿を構想した一冊だ。
「集英社創業95周年の記念企画で、全12巻にわたる『アジア人物史』の総監修を手がけたことが執筆のきっかけになりました」と姜さん。「ロシアのウクライナ侵攻、日韓関係の変化など、世界が揺れ動いている今、アジアとは何か、改めて考える必要があると思うんです」と説く。
「西洋対アジア、といった西洋主導の二分法が世界に覆い、アジアは常に西洋の"ネガ"だった。ここから脱却するには、ある種の普遍的なものをつくり出していかなければなりません」
普遍的なものとは何か。本書では、米国の社会学者イマニュエル・ウォーら―ステインさんや、姜さんが直接語り合った韓国の金大中元大統領の政治姿勢などを推進力にしながら模索。
在日としての日韓への思い、若き日に留学先のドイツで目の当たりにした、出身国や宗教による差別の実相もあらためて思い起こしつつ、これからのアジアの姿を探っていき、たどり着いたのは、姜さんの出身地でもある熊本の思想家、横井小楠(1809~69年)の言説だった。
横井は人種や民族にとらわれない「普遍」の理念に到達していた。「先見の明を感じまあすよね。今、横井の思想を生かしてアジアの姿を描くとすれば、日中韓にASEANを含んだ緩やかなゾーニングで、それぞれの地域を生きる人たちが個性を発揮していく、というものになります」
横井の思想に行き着いたことは故郷の再発見にもなったという。現在、熊本県立劇場館長の務めるなど、故郷に軸足を置き、幅広く活動する姜さん。「『アジアを生きる』というのは、地域を生きるというメッセージでもある。今、われわれは非常に面白い時代に生きています。これから、変わっていくと思うんです」
(「アジアを生きる」は集英社新書・990円)
【読 書】
②『最後の祈り』…憎しみの果てに兆す光
薬丸 岳(やくまる・がく) 著
1969年兵庫県生まれ。2005年に「天使のナイフ」(江戸川乱歩賞)でデビュー。「Aではない君と」で吉川英治文学新人賞。
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評・瀧井 朝世(ライター)
これまでにも少年犯罪や加害者家族、被害者遺族の心理など重い題材に切り込んできた薬丸岳。本書もまた、読者を放心させるような深いテーマを突きつけてくる。
刑務所で受刑者の精神的救済のために教誨を行っている牧師の保阪宗佑のもとに、ずっと成長を見守ってきた女性、北川由亜が暴漢に札實されたとの連絡が入る。
犯人の青年、石原は由亜と彼女のおなかの子を含め4人を殺害。しかし罪の意識もなく、1年後、「人を殺して楽しめないならどうだっていい」と、死刑判決を受け入れる。
むなしさを抱く保阪に、由亜の叔母にあたる女性は石原に教誨を行うよう頼む。女性いわく「もっと生きたいと思わせたうえで、死ぬ直前に地獄に叩き落とす言葉を突き刺してほしい」。つまり希望を持たせたうえで絶望させるという、復讐のためだ。
逡巡しながらも教誨師として石原と対面する機会を得た保阪。いつ死刑が執行されるかわからない状況のなか、少しずつ積み重ねられていく対話の行方は―。
信仰を復讐に利用していいのか心を揺らす保阪のほかに、みじんの反省もないまま刑務所で過ごす石原や、さらには教誨に立ち会う若い刑務官、小泉の視点も絡む。特に刑務官の苦悩は、胸に迫るものがある。
それぞれの心に訪れる変化を、じっくりを追う重圧なあ長編。人は憎い相手を赦せるのか。そんな苦いテーマと同時に浮かび上がってくるのは、無差別殺人の犯人は本当に冷血なのか、また、そんな人間に生への希望や命の重さを認識させられるとしたら、それは何をもたらすのか、という問いかけだ。
保阪、石原、小泉それぞれの"最後の祈り"とは何か。痛切な物語ではあるが、最後には読者にも人間を信じたい、という気持ちを抱かせる。重いテーマを扱いながらも絶望はさせない。それが薬丸作品の魅力でもある。
(KADOKAWA・2090円)
【読 書】
③『夜のだれかの岸辺』…加害と被害 交わる世界
木村 紅美(きむら・くみ) 著
1976年兵庫県生まれ、盛岡市在住の作家。仙台向山高、明治学院大卒。「月食の日」「雪子さんの足音」がそれぞれ芥川賞候補。
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評・櫻木 みわ(作 家)
「毎晩、添い寝してほしい」。報酬は1回3千円。同性の高齢者からこんな依頼をされたら、あなたはどうするだろうか。
本書の主人公、19歳の茜にとって、それはハードルが高い仕事だ。茜は他人との身体的な接触が苦手なのだ。けれど謝礼に引かれ、89歳のソヨミさんの添い寝を始める。
ソヨミさんは茜に、郷土の岩手で身売りされていった幼なじみのことを打ち明ける。フキちゃんというその友達のことが気がかりで、居場所を探しているのだという。フキちゃんの夢を見てはうなされるソヨミさんに請われ、茜は時に手をつなぎ、時に抱きつかれて夜を過ごす。ソヨミさんは、自分が恵まれていたことで「引け目が、ずっと、刺さって生きてきた」と話す。
一方で茜にも、わだかまり続けている記憶がある。修学旅行先の京都で知り合った40代の男性と、後に彼の店で出会った女性たちをめぐる一連の出来事。茜は繰り返し、そのことを考える。
茜とソヨミさんが抱えている過去の屈託は、わかりやすい罪ではない。けれどそのグレーの色味の中にひそむ加害と被害に、ふたりは目を凝らそうとしている。
前作「あなたに安全な人」で、著者は「人を殺したかもしれない」男女の、奇妙な同居生活を描いた。後ろ暗い記憶を抱えた他人同士が、ある種の契約のもとに接近し、自身の過去の中に分け入って行く図式は、本作でさらに先鋭化している。
私たちは他者によって傷つけられながらr、他者に加害をなしてもいる。だが、そのことに気がつけないでいることがままあるのだ。本作を読んでいると、そのことを実感させられる。
同じ川を見ているようで、人はそれぞれ異なる岸辺に立っている。他者の岸辺に立つことはできない。夜には、目の前を流れる川すらよく見えない。それでもそれらを見つめようとすることが、もたらしてくれるものもある。30代になった茜の人生が描かれたラストに、その豊かさが表れていた。
(講談社・1760円)
【読 書】
④『ハンナ・アーレント、三つの逃亡』…哲学者が到達した境地
ケン・クリムスティーン(KEN・KRIMSTEIN) 著
米国在住の漫画家。「ニューヨーカー」や「ウォールストリーク・ジャーナル」などで漫画を発表。
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評・松永 美穂(早稲田大教授)
ハンナ・アーレントの生涯がグラフィックノベル(漫画)になったのは画期的なことだ。10年前、岩波ホールでマルガレーテ・フォン・トロッタ監督の映画「ハンナ・アーレント」が公開された時、連日の満員が話題になり、アーレントブームだと騒がれたものだった。
あの映画では、米国に亡命後、大学教員となったアーレントがナチス戦犯のアイヒマン裁判を傍聴したエピソードが中心的に扱われていた。ホロコーストにおけるユダヤ人虐殺の効率化に尽くした張本人アイヒマンが、実は任務に忠実なだけの凡庸な小役人であることを指摘したアーレントの「エルサレムのアイヒマン」を発表当時、大いに物議を醸したが、彼女はその中で、組織における「思考停止」の危険性をも鋭く糾弾していた。
今回のグラフィックノベルはそんな哲学者の少女時代から晩年までを本人の一人称語りで描いており、彼女の人生が身近に感じられる。と同時に、マールブルク大学やベルリンのカフェバー、亡命先のパリなどで彼女を囲んでいた、きら星のような知識人の名前に圧倒される。
師である恋人でもあったマルティン・ハイデガーはもとより、思想家ハンス・ヨナスや倫理学者エマニュエル・レヴィナスらと同窓で、ベルリンでは画家マルク・シャガールらが周囲にいた。哲学者のヴァルター・ベンヤミンとも親交があった。その多くが亡命者となり、彼女の運命の伴走者となった。
アーレントは多くの思想家との議論に参加するとともに、自分との対話を深め、独自の思想を展開していく。「考え抜く」ことを実践し、「複数性」を重視し、許しつつ記憶することの大切さを説いた。ナチ時代のドイツから、さらにはヨーロッパからも逃れて新大陸に逃亡したユダヤ系の知識人は多かったが、彼女が到達した境地とその現代性をあらためて認識させてくれる、ユニークで丁寧な入門書といえるだろう。
(百木漠訳、みすず書房・3960円)
【読 書】
⑤『禁城』…コロナ逆手 市民を管理
ムロン・シュエツン 著/クライブ・ハミルトン 編(MURONG・XUECUN)
1974年中国・山東省生まれ。小説やノンフィクションで中国内の声を伝える。作品に「成都、今夜請将我遺忘」など。
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評・舟越 美夏(ジャーナリスト)
「『私たちの失敗から学んでほしい』 武漢市民からのメッセージ」という英BBC放送の動画がある。制作は「中国語版」スタッフ。中国政府が76日間の都市封鎖を解除した2020年4月8日にアップされた。洗練されたメークをした若い女性らが「自由のはく奪ではなく科学的」などと封鎖の意義を語るが、「失敗」には触れない。
本書を読んだ後では、動画は中国政府のプロパガンダに乗った印象が拭えない。本書には、震えるほどの恐怖や悲しみ、怒りがある。助けを呼ぶ声や悲痛な叫びをかき消し、沈黙を強いるきょう局へのそれである。
武漢は、世界で初めて新型コロナウイルスの大規模感染が確認された都市。封鎖政策で数百万人が自宅に閉じ込められた。何が起きていたのか外部にはわからなかったが、食料と薬、適切な医療が必要な人に与えられず、多数が死亡したという。
実態を伝えようと、いち早く武漢入りした4人の市民記者は逮捕された。著者はそれでも武漢に潜入し、約1カ月の滞在中に十数人へのインタビューを敢行した。
本書の八つの物語は、医者、夫を亡くした妻、一人娘を亡くした母ら市井の人々が主人公だ。あらわになるのは、衣料を政治利用する体制の残酷さや、人命をないがしろにする硬直した社会システムだけではない。愛する者を失い、信じていたものが崩壊した時に目覚める、巨大な政治権力とも<ruby>対峙<rt>たいじ</rt></ruby>しようとする庶民の底力だ。当局の監視におびえつつ武漢にとどまり、心のひだに分け入って言葉を引き出す著者の力量にも感銘を受けた。
「中国政府がコロナで巨大な利益を得たのは明らか」と著者。その一つが人の行動を完全に管理する"QRコード統治"だ。市民の多数がコロナ惨事を「過去のこと」にしたがっている今、新たな統治法は日常に紛れ、悲しみや怒りは行き場を失う。これこそが恐怖だ。
著者は現代中国文学の人気作家。本書を出版するために亡命した。
(森孝夫訳、飛鳥新社・1980円)
【読 書】
⑥『鉄のカーテンをこじあけろ』…スパイのドラマを活写
ジョン・ポンフレット(JOHN・POMFRET) 著
1959年生まれ、米ニューヨーク市育ち。ジャーナリスト、作家。ワシントン・ポスト特派員として世界各地で取材。
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評・板橋 拓己(政治学者)
昨日の敵は今日の友。かつて冷戦下で敵同士だったポーランドと米国の情報機関は、鉄のカーテンの崩壊、すなわち冷戦終焉を境に協力関係に入る。本書は、冷戦期から現代までの両国の情報機関の暗闘と接近、そして軋轢を明らかにした。
他にない本書の特徴は、米国のCIAや、ポーランドの公安部(SB)の対外諜報部門とその後継組織UOPに所属した魅力的なスパイたちの人間ドラマとスリリングな活動が、当事者たちへの取材を基にいきいきと再現されていることだろう。
なかでも、1990年秋にポーランドのスパイが、クウェート侵攻後のイラクから米国軍人ら6人を逃がすため奮闘する「友好的なサダム」作戦の描写は手に汗を握る。
日本語のタイトルは若干誤解を招く。ポーランドのスパイたちは鉄のカーテンをこじ開けるべく活動したわけではない。むしろ、鉄のカーテンが開いてしまった状況で、どう立ち回る計算した末に対米協力に進む。
本書の面白さは、米国との同盟関係とはとのようなものかをよく伝える点にもある。ドイツとロシアないしソ連に挟まれ、歴史に翻弄されてきたポーランドにとって冷戦後の米国との協力は不可欠なものだった。
随所で米国の傲慢さや無神経さに振り回されるポーランドが描かれる。かつて米国でスパイ活動をしていたザハルスキが冷戦後にUOP長官になると、米国は圧力をかけて彼を辞めさせる。あるポーランドのスパイがテロ指導者ビンラディンの重要情報を提供しても、CIAはそれを軽んじる。極め付きは米国がポーランドに秘密の捕虜収容施設「ブラック・サイト」を設置し、テロ容疑者を拷問していたことだ。
著者はワシントン・ポストで長く特派員を務めたベテランジャーナリストだが、それでも取材対象の歴戦のスパイたちに翻弄されている面もある。スパイたちにだまされぬためには、巻末の吉留公太による解説を熟読することをお勧めしたい。
(染田屋茂訳、朝日新聞出版・3520円)
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※「読み楽しむ」のでしたら、こうすると安く、お薦めです!
どうぞ、詳細をご覧ください。
いかがでしょうか。今回も読みたいと思います。
その書籍の紹介文はなるほど、読みたくなるのはすごいものです。
これもアフィリエイトのための文章力(ライター?)の参考のために読み続けます。
では、失礼しました。
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