§::万華鏡∞日記::§

「定期記事」で①きょうの運勢②首相日録③きょうの言葉④DMMFX要人発言が主です。その他「映画」「音楽」「書籍」の紹介文や、雑記もあります。

【書籍】話題の本をピックアップ!ぜひ、ご紹介します!?/2023.06.12。。(´・ω・`)


こんにちは、ハクです。


毎週日曜日、河北新報2版に「書籍紹介」があります。
試しまして、こちらよりご紹介させて戴きます。
書籍数はあまりにも多いので「評」する紹介文がある本だけと致しました。


どうぞ、ぽちっと「折りたたみメニュー」で、ご覧くださいませ。

例)折りたたみメニューはこちらです
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★★★★[ 紹介文はこちら ]★★
大当たり!( ´,_ゝ`)プッ

宜しくお願い致します。


 ◇



【著者とひととき】
『鈍色幻視行』…15年費やした「創作論」
恩田陸さん


★★★★[ 紹介文はこちら ]★★


  豪華客船に乗り込んだクセの強い登場人物たちが「呪われた小説」の真相を探る旅へ―。アガサ・クリスティ作のような設定の本書は、ホラーやSFなどジャンル横断的な執筆を続ける恩田陸さんが15年をかけて完成させた長編ミステリーだ。「ものを創る人たちの『業』に興味があって。(本書は)私の創作論のような面がある」と語る。


  物語の柱は謎の作家、飯合梓の小説「夜果つるところ」。映像化を試みるたびに不慮の事故が起きて中止になる、いわば付きの作品だ。主人公で作家のこずえは、この小説を巡るノンフィクションを執筆しようと関係者が参加するクルーズ旅行の豪華客船に乗り込むが…。


  取材のため、自身も物語と同じ2週間のクルーズ旅行に出かけたというだけあって、旅の情景は臨時感とリアリティーたっぷり。「日常から隔絶された」いわば巨大な"密室"となる船上で、映画監督に映画プロデューサー、漫画家姉妹や編集者といったクリエーターたちが、一作の小説を巡り議論を繰り広げる。


  「書きながら(筋を)考える方なので、登場人物が話して初めて『こういう人だったのね』と分かることも」と笑うが、それぞれの視点で語られる飯合梓像や作品解釈が、かえって謎を深めていく展開がスリリング。会話の中で、創作欲や脚色の苦悩といった創作者たちの胸中も明かされる。


  「飯合さんになりきって書いた」という、作中作の「夜―」が、本編の1カ月後に観光というのも本作の大きな特徴だ。こちらは重厚な歴史物であり、怪奇小説の色を帯びた異色作。どちらから読むべきか悩みそうだが「できれば『鈍色にびいろ幻視行』を先に読んで、頭の中で妄想を膨らませていただけたら」と勧める。


  デビュー以来、数々の文学賞を総なめにしてきたベテランなのに「今でも『小説家になりたい』と思い続けている」と意外なことを口にする。どういうことか。「頭の中に小説家の理想のイメージがあるんでしょうね。30年やっていても自覚がないし、書き始める時はいつも怖い」。それでも書き続けてきたまなざしに作家の「業」を見た。


(「鈍色幻視行」は集英社・2420円)



【読 書】
『珈琲と煙草』…輝きと影が人生に交差
フェルディナント・フォン・シーラッハ(FERDINAND・VON・SCHIRACH)
1964年ドイツ生まれ、作家、弁護士。著書に「罪悪」「コリーニ事件」「禁忌」「テロ」など。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・川口 晴美(詩 人)


  ベルリンの弁護士であり、その体験をもとにしたデビュー作「犯罪」がドイツの文学賞を受賞して、日本でも2012年本屋大賞の翻訳小説部門第1位となった作家シーラッハ。淡々とした筆致のなかに透徹したまなざしを宿らせるエッセーと小説が、48の「観察記録」として一冊におさめられている。


  幼少期を寄宿学校で過ごした彼自身の記憶が三人称でつづられた文章は美しく、切ない。今はもうない屋敷とセイレンの咲く池。何年も会っていなかった父の死。孤独な痛みが胸を震わせ、大人になってから弁護士として出会った他者のさまざまなエピソードが、そこに重なっていく。


  シーラッハの祖父はナチの高官だった。祖父の行動に対する「怒りと恥ずかしさ」を抱えて生きることが現在の彼自身をつくったのだ。「『悪』とはなにかという問い」を持ち、仕事をしながら問い直してきたシーラッハ。過去に向けるまなざしと言葉は、同じ密度で現在をとらえ、そこからつながりゆく未来を思い描こうとする。


  古いメルセデス・ベンツを修復して旅に出る「男」を描いた最後の一編に、琥珀こはく色のの光があたたかく満ちているのが印象だ。


  ばらばらな断片とも思える48の文章は、完成することのない人生というパズルのピースのように、一瞬の輝きを交差させ、複雑な影をつくって読者の奥深くまで届く。


  コーヒーとタバコは主役というわけではないが、読み進むにつれ苦さのにじむ味わいは濃くなり、そういうものが欲しくなるかもしれない。人によってそれはダークチョコレートだったり、窓の外をぼんやり眺める時間だったりするだろう。


  生きていれば誰もが大切な何かを失う。初めから得られないものだってある。それでも、過去を現在を支える光になり得るのだし、「私たちが記憶によって生きている」ということを、本書は幾重にも描いている。


 (酒寄進一訳、東京創元社・1760円)



【読 書】
『オール・ノット』…搾取続ける社会と女性
柚木 麻子(ゆずき・あさこ)
1981年東京都生まれ。小説家。著書に「ナイルパーチの女子会」(山本周五郎賞)、「フォーゲットミー、ノットブルー」など。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・吉田 伸子(書評家)


  私は失敗ばかりしてもなんとかなっていくのに、真央さんみたいにちゃんとした人にはたった一度の失敗も許されないなんて、そんなのおかしい」


  奨学金で大学に通う苦学生の真央に、バイト先で知り合った"カリスマ試食販売員"の四葉は告げる。そして、彼女は自分の全財産ともいえる宝石箱を真央に手渡す。「全部売れば、奨学金を全部今のうちに返して、将来を設計する分くらいにはなると思う」と。


  ここから、物語は始まるのだが、四葉の宝石箱を元手に、真央が経済的に苦しい立場を脱することができ、2人の女性の友情物語になっていく、という展開にはならないのが、本書の肝だ。


  四葉の宝石箱は、「中身を売れるだけ売っても」102万円と少し。奨学金繰り上げ返済の足しにはなったものの、完済には至らない。そのことを四葉に知られるのが心苦しく思った真央は、四葉とは疎遠になる。真央が再び四葉の名を耳にするのは、彼女が大学を卒業し、非正規社員として働くようになってからのことだ。


  そこからは真央と四葉の第2章になっていく。といっても、2人が直接交わるのではない。山戸四葉という女性の過去の扉が、少しずつ開いていく、という構成だ。


  そこで描かれるのは、ずばぬけて裕福に育った四葉の栄華と衰退であり、奨学金の返済に追われ、将来の夢さえ持てない真央の日々だ。四葉と真央、2人に共通しているのは、社会という壁だった。物語を読み進めていくうちに、その壁が今現在も高く、熱いままであることに気づく。そして、搾取し続ける社会の犠牲にあるのは、圧倒的に女性であることにも。


  物語の最期まで、再び2人が会うことはない。真央も四葉も、自分の道を新たに切り開いていく。けれど、かつて、2人が互いに手を伸ばしあったという事実は、いつまでも色あせない。そして、そのことこそが、社会に立ち向かうためのつえになるのだ。


 (講談社・1815円)



【読 書】
『土の声を 「国策民営」リニアの現場から』…「誰のため」記者が問う
信濃毎日新聞社編集局


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・武田 砂鉄(ライター)


  東京に住んでいる自分は、すぐに「リニア中央新幹線なんて要らない」と言う。名古屋や大阪まで少し早く行けるようになっても、と思っている。だが、その結論を導くまでの速度が、あたかもリニア新幹線のように猛スピードで強引だとの自覚がある。


  リニアの建設工事をめぐり、さまざまな問題を抱える長野県を、地元紙の記者たちがあ行き回りながら問う。「この報道はリニア反対キャンペーンではない」、取材を重ねた上で、根拠を持てれば「これはおかしい」「再考すべきだ」と投げかける―と宣言する。「大都市圏間の移動を最優先するリニアは誰を幸せにするのか」、この視点で見渡すと、聞くべき声が方々にあった。


  干し柿市田柿」を生産してきた農家は、自宅でリニアの駅の周辺節義計画地に入った。「移動が決まれば、この柿の木も切らちゃいかん、ハウスも壊さないかん」。反対しようにも、地域で声が上がらなかったという。似たケースがいくつも紹介されている。反対を声高に言えない。まとまって声を上げたとしても、大都市をつなぐリニア新幹線を、小さな街や村のわずかな声でつぶすのかと返されてしまう恐ろしさに黙り込む。もちろん、造る側は、その空気を活用しようとする。


  住民に移転をお願いする市役所の「リニア用地課」は、職員にとって「正直、一番行きたくない部署」でもある。小さな街に大きな分断をつくり、その分断自体を、プロジェクト全体において、小さなものとして片付ける。


  書籍名の通り、リニア開発は水枯れの懸念だけでなく、残土の問題を抱える。静岡県熱海市で盛り土によって土石流が発生し、多くの命が奪われてしまったが、JR東海の部長は残土置き場について「基本的に崩れることはない」との見解を示す。「想定外」の災害を誰もが記憶しているというのに。


  リニアのトンネル工事現場で死亡事故も起きた。電力消費の問題もある。問題だらけだ。問題が複数あるからこそ、JRは強行突破しかないと選択肢を一つに絞っている。土の声、いや、土の悲鳴を無視し続けるのだろうか。


 (岩波書店・2640円)



【読 書】
『とー、あんしやさ』…沖縄の歴史文化を味見
山本彩香、駒沢敏器(やまもと・あやか、こまざわ・としき)
(山本)1935年生まれ。舞踊でも活躍し、琉球伝統料理の普及を努める。(駒沢)1961年東京生まれ。作家、翻訳家。2012年死去。


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 評・松村由利子(歌 人)


  料理は文化であり、歴史である。その継承は文献だけでは難しく、優れた料理人が誠実に作り続けることで初めて成り立つ。伝統的な琉球料理の味を受け継ぐ山本彩香さんも、そうした料理人の一人だ。本書は彼女への聞き書きによって、沖縄の文化と歴史を追った貴重な記録である。


  山本さんは、沖縄出身の母と東京出身の父の間に生まれた。幼いころ、那須遊郭「辻」の芸妓げいぎだった伯母の養女になったことで、王朝料理の基礎を身につける。当時の辻は「沖縄における文化と芸術の担い手」であり、歌や三線さんしん、舞踊はもちろん、最高級の料理が提供されていた。


  辻で供されていた多くは、首里城で催された祝宴の料理をルーツとするものだったという。それは、琉球ウ王国が中国から派遣された使節をもてなす際には中国料理を取り入れる一方で、薩摩藩からの使節ををもてなす際には京都・祇園の会席料理に倣うという、長年の朝貢貿易の歴史と郷土料理との合流を反映したものであった。


  読んでいると、著者と共に味見させてもらっているような気分になる。豚の三枚肉の角煮「ラフテー」を、山本さんは醤油しょうゆ味にしない。白味噌みそジーマーミ(落花生)で味付けするのは、琉球王朝時代の調理法の名残で、上品な甘みに仕上がる。ラフテーだけでなく、彼女は料理にいっさい砂糖を使わず、泡盛でコクを引き出すのだ。


  山本さんは最初から料理一筋だったのではない。琉球舞踊の第一人者として長く活躍し、決意を新たに料理店を開いたのは50歳のときである。舞踊家としての歳月は、沖縄の伝統文化と教養を身体の隅々にしみこませる日々だったと著者の駒沢さんはみる。


  書名の「とー、あんしやさ(そう、この味でよし)」は、料理名人だった伯母から山本さんに贈られた言葉である。伯母から教わった料理を世に伝えたい、という思いを後押ししてくれた大切な一言が、全編に響く。


 (スイッチ・パブリッシング・2640円)



【読 書】
『羊と日本人』…自らを「与える」生き方
山本 佳典(やまもと・けいすけ)
1981年広島県生まれ。専門誌記者などを経て、2014年からフリーランスとして執筆・翻訳業を始める。


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 評・三國万里子(ニットデザイナー)


  羊毛周りのの人々(編み、織り、紡ぐ人から羊飼いまで)には共通点があると思う。仕事そのものに魅了され、利益を最終目標にせず、好きな"羊仕事"を続けるために、工夫して生活を成り立たせている…。多かれ少なかれそういうところがあると感じるのだ。本書を読み、その思いを一層強くした。


  著者が感慨を込めて述べるように「日本で羊を飼うことは、いつの時代も不利であり、マイノリティである」。それでも牧羊家は「『愛』や『好きだから』という感情的な言葉」で自らの仕事を選んだ理由を語る。羊は人間に全て(毛と肉、肥料となるふんすらも)を与えてくれるが、そんな彼らに応えたい気持ちが、仕事への熱意につながるのだろう。


  それにしても本書に描かれた羊の歴史は、私には大変新しく、また豊かだった。繊維系の書籍で時折目にする「日本における羊の歴史」はおおむね、次のようなものだ。


  「明治に入り、政府が軍服用のラシャ(ウール地)を国産するために羊を輸入した。以後、各地で飼育を試みたが、日本の湿潤な気候が合わずに減少していった。現在は東北以北の観光牧場で少数が飼われている」


  この説明は、本書の後では圧倒的に物足りなく感じられる。明治まで牧羊を知らなかったこの国で、牧羊に人生をささげた「緬羊めんよう人」たちが、多くの挫折を経ながら羊と歩んだこと。失敗を経験に代え、やがて満州にまで渡り、人々の暮らしを潤そうとしたこと…。150年前から現在までの羊と日本人の足取りが、多くの資料を交え、ひたひたと誠実な筆致で描かれる。私も、苦労の多い緬羊人の姿にいつの間にか肩入れしていた。


  私は働くことの幸せは自らを「与える」ことにあると思っている。「勝ち組」「負け組」と仕事を成果で語る言葉もあるが、自らを与え、仕えることに喜びに見いだす、いわば「羊組」という生き方もあるはずだ。そう思わせてくれる本である。


 (彩流社・3850円)



 ◇


※「読み楽しむ」のでしたら、こうすると安く、お薦めです!
 どうぞ、詳細をご覧ください。


いかがでしょうか。今回も読みたいと思います。
その書籍の紹介文はなるほど、読みたくなるのはすごいものです。
これもアフィリエイトのための文章力(ライター?)の参考のために読み続けます。
では、失礼しました。


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