§::万華鏡∞日記::§

「定期記事」で①きょうの運勢②首相日録③きょうの言葉④DMMFX要人発言が主です。その他「映画」「音楽」「書籍」の紹介文や、雑記もあります。

【書籍】話題の本をピックアップ!ぜひ、ご紹介します!?/2023.06.19。。(´・ω・`)


こんにちは、ハクです。


毎週日曜日、河北新報2版に「書籍紹介」があります。
試しまして、こちらよりご紹介させて戴きます。
書籍数はあまりにも多いので「評」する紹介文がある本だけと致しました。


どうぞ、ぽちっと「折りたたみメニュー」で、ご覧くださいませ。

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★★★★[ 紹介文はこちら ]★★
大当たり!( ´,_ゝ`)プッ

宜しくお願い致します。


 ◇


【著者とひととき】
『 権 力 』…民主主義の価値伝える
橋爪大三郎さん


★★★★[ 紹介文はこちら ]★★

  「権力」。まさに直球の題名だ。「権力は大事な問題だが、あまり誰も考えず、放置されてきた。このまま触らないのは良くない。だから今やるしかない」。社会学者の橋爪大三郎さんが語る。口ぶりは穏やかでも、新著に込めた思いは熱い。


  冒頭で「高校生や中学生だって読めるだろう」と記した。内容は易しくはないが、必要以上に難しくもない。権力とは何か。その働きは。先達の思想に触れつつ、自ら考え抜いた説を展開する。


  法や政治抜きに権力は語れない。本書では民主主義についても詳しく論じた。今は専制的な国家が台頭し、危機が叫ばれる時代だ。執筆の背景には、これまでの権力の制度で「最善」とする民主主義の価値を改めて伝えたいとの思いもあった。


  「キリスト教から出てきた民主主義は、力が落ちる。民主主義がなぜ良いかを、キリスト教の文脈とは無関係にどの民族でもわかるように説明する。そういう言葉が必要です」


  歴史を俯瞰ふかんし、未来も見つめる。古代ギリシャには、理性に秀でた哲学者が政治権力を握り、人々に代わり決定を下した「哲人政治」があったといい、独裁制との関連を指摘。本では「AI(人工知能)が、哲人政治の新しい可能性を開くかもしれない」と書いた。


  権力と自由は表裏一体にある。本書を貫くメッセージだ。「権力が分からなければ、自由も分からない。権力は良くも悪くもなく、固有の法律があり、それを理解しなければコントロールできない。この意識を持ってほしいというのが、この本の目的です」


  本書の結論は、権力とは「人びとの意思を整合させるはたらき」というシンプルなもの。「社会学の理論は簡単な方が道具として応用できる。ビジネスマンがあ読めば『会社が影響力を持つためにはどうすればいいか』というヒントにもなる」と楽しそうに笑った。


  今後の研究テーマを尋ねると「鎌倉仏教」「江戸時代の武士」と、目を輝かせて語り始めた。「社会学は何を対象にしてもいい」。知的冒険はまだまだ続きそうだ。


(「権力」は岩波書店・3190円)



【読 書】
『 厳 島 』…戦国乱世 壮絶な人間
武内 涼(たけうち・りょう)
1978年群馬県生まれ。「忍びの森」でデビュー。「阿修羅草紙」で大藪春彦賞。他の著書に「戦都の陰陽師」シリーズなど。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・清原 康正(文芸評論家)


  毛利元就は、3人の息子に「3本の矢」を束ねて兄弟の結束の大切さを教えたい逸話で知られる戦国武将。大内義隆の家臣・すえ隆房(後に晴賢はるかた)が主君を討った大寧寺の変で陶軍に加勢し、安芸・備後の大内勢を倒して2カ国の大名にのし上がってきた。


  その元就が調略ちょうりゃくの限りを尽くして勝ち取った戦が、西国最大の大内家を取り仕切っていた武将・陶晴賢との「厳島の戦い」である天文24年(1555年)10月に、元就がわずか4千の兵力で2万8千の陶軍を破ったことで「仙谷さん大奇襲」の一つに数えられている。


  本書は、この厳島合戦の全貌を濃密な執筆で描き出すことで、両軍それぞれの壮絶な人間ドラマを展開している。奇襲を仕掛けた元就の調略を事細かに描き出すだけでなく、陶軍の重臣・弘中隆兼の義を貫こうとする視点からも捉えている点に、この作品のすごみがにじみ出てくる。元就のはかりごとは人と人との信を壊すもの、隆兼は元就への怒りをみなぎらせる。


  同年9月22日、晴賢率いる2万数千の陶軍が厳島に上陸して塔の岡に本陣を構えた。戦いが始まる前から元就の陶軍に向けたさまざまな調略が展開されてき、大軍を狭い島内の一カ所に集結させた晴賢の戦略のまずさが理解できる。村山水軍の抱き込みに成功した元就は、土地の古老から朝夕の潮流の違いなども事前に情報収集していた。


  10月1日午前4時過ぎ、元就は3千の兵士と陶軍の本陣に突撃。ここからの戦闘描写はすさまじい迫力に満ちている。これまで両軍の兵士として登場した人物たちの戦いぶり、晴賢と弘中父子の最後の模様も抜かりなく描かれており、緻密な構成が実感できる。


  登場人物一人一人の戦国乱世を生きる姿、言動は、それだけで短編の主人公になりえるエネルギーと魅力を発散している。これだけの数の登場人物からそれぞれの人間ドラマを仕立てていく粘り腰と、作者のこれまでの作品とは誓った重厚うな文体に瞠目どうもくさせられる。


 (新潮社・2530円)

厳島

厳島

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【読 書】
『はるか、ブレーメン…涙や後悔も人生の彩り
重松 清(しげまつ・きよし)
1963年岡山県生まれ、作家。91年に「ビフォア・ラン」でデビュー。著書に「ビタミンF」(直木賞)、「エイジ」など。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・温水ゆかり(ライター)


  3歳で母に置き去りにされ、祖母に育てられた遥香。祖母が逝って「ひとりぼっち」になった高2のあじさいの季節、ブレーメン・ツアーズという旅行会社の葛城から奇妙な依頼を受ける。


  昔、その住所の家で暮らした親子を体重させてほしいと。85歳の光子さんは認知症を患い、息子に介助されながら、人生の締めくくりに見る走馬灯を創る旅をしていた。


  「走馬灯をつくる」とはどういうことか。遥香の疑問に対し、葛城はプロの厳格さで答える。「思い出の比喩」ではなく「本来の意味のとおりに、つまり人生の最後に見るもの」。自分はその取捨選択をする絵師なのだと。


  ファンタジーかと思いきや、走馬灯の絵師という仕事の理屈や理念が詳述されて面食らうが、その導線が物語の大団円できる。走馬灯とは?走馬灯に入れるべきものとは?「伝説の絵師」と呼ばれた葛城の父が久々に満足した光子さんの走馬灯の仕上がりとは?


  物語を牽引けんいんnするのは遥香と、お調子者のナンユウ(裕生)だ。同級生ながら、姉と弟のようなコンビの2人は心に空間のある似た者同士。遥香には母に捨てられたとの思いがくすぶり、ナンユウには自分は早世した兄の身代わりでしかないという複雑な感情がある。


  光子さんの旅に同行する過程で、葛城は遥香やナンユウの絵師としての素質を見抜く。若い2人は、他人の記憶を見るという能力を通じてその人生に分け入り、その人がないことにしてきた涙や後悔をそっとくるむ共感力や包容力を身につけているようだ。


  幸福な思い出だけが走馬灯に刻まれるのか。ひとつまみの塩がお汁粉をおいしくするように、涙や後悔も人生の一部に違いない。遥香が最も知りたくなかった。"あの人"の記憶の断片にふれたとき、心の空間に新緑の風が吹き始める。著者の作品からいつも受けとるポジティブな力。今回は大いなる人生賛歌となって、あらゆる生を祝福するかのようだ。
  

 (幻冬舎・1980円)



【読 書】
『「意識高い系」資本主義が民主主義を滅ぼす』…超富裕層の偽善を告発
カール・ローズ(CARL・RHODES)
オーストラリア・シドニー工科大組織論教授。政治や経済などの分野について定期的に新聞に寄稿。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・佐々木 実(ジャーナリスト)


  かつて「強欲」の印象だった大富豪の経営者が、環境問題や人種差別問題などに取り組む姿をメディアに頻繁に見かけるようになったのはいつごろからだろう。邦訳版で「意識高い系」と意訳される「woke」は「目覚めた」という意味だ。


  格差を拡大させ社会の分断を招いた新自由主義を先導した企業人が、今や社会問題に目覚めた。意見するだけでなく、巨額の寄付をしたりもする。「『意識高い系』資本主義」と本書は呼ぶが、ただし、褒め言葉ではない。反省どころか、巨利を得ることを可能にした経済システムを温存するための狡猾こうかつな戦略が「意識高い系」資本主義を生みだしたのだという。


  アマゾン・コム創業者のジェフ・ベゾスは気候変動対策として、米国政府が投じた資金と同規模の100億㌦もの寄付を下。一方でアマゾンは、巧妙な租税回避策により法人税の納税額が極端に少ない。10年間で納めた額はベゾスの寄付額の3分の1程度に過ぎない。


  「意識高い系」の偽善を本書を実名で次々告発する。なるほど、「目覚めた企業人」は環境や差別の問題を語っても、租税回避や高額過ぎる役員報酬の問題、つまり超富裕層を脅かす制度問題には触れない。「経済的ラディカリズムを完全に回避しながら、社会的ラディカリズムに少しばかり関わる」のが特徴だ。


  米国の一流企業の経営者団体ビジネス・ラウンドテーブルは2019年、株主本主義からステークホルダー資本主義への転換を宣言した。一般的には、新自由主義時代の終焉しゅうえんを示す出来事とされる。日本の岸田政権が「新しい資本主義」を唱える背景ともなった。


  しかし本書の解釈は正反対だ。巨大企業は社会問題に取り組むことで政治力を高め、「支配的な新自由主義の世界秩序に対して、根本的改革を行わないようにすること」という隠された目的を達成している。目を覚めるべきは少数の億万長者ではなく、われわれのほうなのだ。


 (庭田よう子訳、東洋経済新報社・2640円)



【読 書】
阪神タイガースはなんで優勝でけへんのや?』…元番記者が真摯に語る
喜瀬 雅則(きせ・まさのり)
1967年神戸市生まれ。サンケイスポーツ勤務などを経て、スポーツライタープロ野球界の取材を続けている。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・河内 厚郎(文芸評論家)


  本書は、かつてスポーツ紙の反新担当、通称「トラ番」だった元記者が語るタイガース論だ。阪神は昔から人気球団だったが、好調だ不調だなどと取り沙汰され、ノリの良い盛り上がりを見せるようになるのは、1985年の優勝時からではなかろうか。


  それ以前は、関西においても巨人ファンの優勢ぶりがみられたが、あたかも大阪経済の地盤沈下と反比例するかのようにトラ狂いは過熱した。それをファンらは自己演出して楽しむようにもなっていった。


  近松門左衛門の心中物の芝居のように、頼りないヒーローを罵倒し、応援する。かつて内紛続きで関西歌舞伎は衰退したが、阪神タイガースという「劇団」も内紛がしばしば見られ、それがまた格好の話題になる(監督とは別に総監督という不可思議な役職もあった)、


  巨人こそ正義の味方なり、と信じるジャイアンツ党が昔は幅を利かせたものだが、阪神ファンに比べて存在感は希薄になりつつあるようだ。


  他の地方から関西へ来た野球選手が感じる風土への違和感は、阪神といおう人義糾弾を取り巻く環境がブレンドされることで、さらに大きなプレッシャーに変わる。練習の合間のちょっとした移動のタイミングでも、独自のコメントを引き出そうとする記者たちが追いかけてくるため、おちおち外で食事もできないといった声もあるという。


  阪神ファンがトラ番になると不応になるというのは、取材すればするほど勝てないのが分かるから。その"ダメトラ"ぶりを、スポーツ紙は面白おかしく書き立てる。監督人事を巡る問題でも、電鉄本社を巡る球団内での主導権争いに、関西のスポーツ紙が絡んで代理戦争を繰り広げるのだ。


  阪神タイガースというシーズ(種)を手放して在版スポーツ紙は生きていけない、と著者は言う。球団内部に通じた立場からの、データの整理・分析には確かなものがある。どこまでも真摯しんしなタイガース本である。


 (光文社新書・1056円)



【読 書】
『サーカスの子』…祝祭の日々と後の人生
稲泉 連(いないずみ・れん)
1979年東京都生まれ。2005年「ぼくもいくさに征くのだけれど」で大宅壮一ノンフィンクション賞。他の著書に「アナザー1964 パラリンピック序章」。


★★★★[紹介文はこちら]★★

 評・与那原 恵(ノンフィクション作家)


  記憶というものは、不思議な生命力を持っている。楽しかったことだけではなく、悲しいことやつらい出来事、匂いや音も鮮やかに、手放せない記憶が人それぞれにある。


  いまから40年前、シングルマザーが4歳の息子を連れて、キグレサーカスの炊事係として働きだした。母子はともにノンフィクション作家となる久田恵と著者だが、当時の久田は先行きも見えない中、目にした写真集をきっかけにサーカスの世界に飛び込んだ。


  「れんれん」と呼ばれた著者は「華やかな芸と人々の色濃い生活が同居する世界、いわば夢とうつつが混ざり合ったあわいのある場所」で「サーカスの子」として1年足らずを過ごすことになった。空き地に建てられたサーカスの大天幕の裾をまくれば華やかな芸が繰り広げられる。その周囲では芸人の子どもたちが走り回り、大人たちは誰の子もかまわず、かわいがり、叱ってもくれた「家族」のような共同体だった。


  サーカスは2カ月に1度のピースで次の興行地へ移動する。旅と祭りが合わさったような日々は稲泉の胸に刻まれた。久田はのちに取材をして「サーカス村裏通り」(1986年)を刊行。だがキグレサーカスは2010年に廃業し、稲泉の「故郷」は失われ、いつしか「郷愁」も感じるようになった。歳月が流れ、サーカスにいたときの年齢の子を持つ彼は、芸人たちを訪ね歩き、サーカスの世界に生きた理由、そこを去った後の人生を聞いていった。


  どの人も「れんれん」を懐かしそうに語るが、筆致はそれに寄りかかることなく、ノンフィクションの書き手としての視線が貫かれる。多彩な背景を持つ芸人たちは、事故の悲惨も語り、厳しい現実に直面しながら生きた。やがて稲泉の記憶は少しずつ変質していく。


  サーカスの観客と同様に、夢の世界が消えた後には日常があり、その後の人生が続く。まれな体験を与えてくれた母へのアンサーソングとしても胸を打たれた。


 (講談社・2090円)



 ◇


※「読み楽しむ」のでしたら、こうすると安く、お薦めです!
 どうぞ、詳細をご覧ください。


いかがでしょうか。今回も読みたいと思います。
その書籍の紹介文はなるほど、読みたくなるのはすごいものです。
これもアフィリエイトのための文章力(ライター?)の参考のために読み続けます。
では、失礼しました。


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