§::万華鏡∞日記::§

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【映画】2023年6月の「もっと知りたい日本映画 名作から話題作まで」の紹介します!?河北新報夕刊のまとめ。。(´・ω・`)


こんにちは、ハクです。


毎週「河北新報夕刊」から
様々な良い映画を毎週で紹介されています、と
私は毎月まとめて、こちらに載させて頂こうと思いました。
"紹介文"も、いい参考文です。あ~読みたい。


( ´,_ゝ`)プッ



それでは、映画の紹介について、
文は「河北新報」文を引用いたします。ご了承ください。


では、ご覧くださいませ。死角に、ご注意を。


 ◇


間宮兄弟…好きなことがある幸せ
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  好きなことがあるのは幸せだ。そして、その好きなことを共有できる誰かがそばにいたら、もう何も言うことはない。30代の仲のいい兄弟を主人公にした森田芳光監督「間宮兄弟」は、そうした感情をとてもよく表現している。


  兄の間宮昭信(佐々木蔵之介)はビール会社の研究員。弟の徹信(塚地武雅)は小学校の公務員。2人とも独身で、東京の下町のマンションで同居している。


  兄弟は、仕事以外のほとんどの時間を一緒に過ごすほどの仲良しだ。テレビの前に2人で座り、スコアブックをつけながら横浜ベイスターズの応援をし、レンタルビデオ店で借りた映画を、ポップコーンを食べながら見る。そして、並べて敷いたふとんの上で、1日の反省会をして、寝る。日常の中でいろんな楽しみを見つけ、充実した生活を送っている2人だが、残念なのは、どちらにも恋人がいないことだ。


  そこで、彼らは、自宅でカレーを作り、女性を招くパーティーを企画する。ゲストは、徹信が働く小学校の先生、葛原依子(常盤貴子)と、行きつけのビデオ店の店員、直美(沢尻エリカ)だ。


  日常の中にナンセンスな笑いをちりばめた青春映画「の・ようなもの」(1981年)で、劇場映画デビューした森田監督が、その原点に立ち戻ったような作品。おたくっぽくて女性にもてない兄弟が、恋人獲得を目指して奮闘する姿と優しく、おかしく描いていく。


  原作は、2003年夏から半年、週刊誌に連載された江國香織の同名の小説。森田は原作を読んで瞬間、映画化を決めたという。好きなことがたくさんあり、それを大切にしてきた自分と重なる部分を感じたのだろう。原作を尊重しつつ、映画ならではの遊びを随所に入れているのが面白い。


  今、振り返ると、この映画が、おたくに対する世間の味方が、否定から肯定へと転換しつつあった時期に撮られたことに気付く。パソコン通信での出会いを先駆けて撮った「(ハル)」と同じく、いかにも森田らしい時代感覚がある。


  さて、兄弟の恋は実るのか。それは見てのお楽しみだ。


  (共同通信編集委員・立花珠樹)


 2006年。監督=森田芳光
     出演=佐々木蔵之介
        塚地武雅
        常盤貴子
        沢尻エリカほか。
  DVDがTCエンタテインメントから販売中。119分。カラー。


沖縄スパイ戦史…秘密戦の内情 明るみに
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  「沖縄スパイ戦史」(三上智恵大矢英代監督)は、第2次世界大戦末期の沖縄で、陸軍中野学校出身の青年将校らが民間人を動員した秘密戦の内情を明るみに出したドキュメンタリーだ。


  中心になるのは、10代半ばの少年たちで組織したゲリラ兵部隊「護郷隊」のエピソード。中盤に、波照間島の島民がただ一人の工作員の命令でマラリアがまん延する西表山へ強制移住させられ、約500人の犠牲者を出した悲劇がはさまれる。


  いずれも衝撃的だが、とりわけ驚いたのは、独ソ戦を題材にしたアンドレタルコフスキー監督「僕の村は戦争だった」(1962年)の主人公のような少年兵が、日本に存在していたことだ。丁寧な取材で生存者と信頼関係を築き、封印されていた歴史を発掘した仕事に拍手を送りたい。


  護郷隊を率いたのは、スパイ養成機関として知られる中野学校を卒業した村上治夫中尉ら。大本営による遊撃部隊の編成命令を受け、44年9月沖縄に着任。本島北部を中心に少年らを召集した。


  「強い日本軍に憧れていた当時の沖縄の少年たちにとって、長髪に軍刀を差した若き軍長らのらの姿はまぶしく映った」三上の語りに続き、生き残った隊員たちが当時の心境と体験を語り始める。


  自殺用の手りゅう弾の信管を口にくわえたが失神して、命拾いしたこと。「生まれてこなかった方がよかった」と思ったこと。スパイの疑いをかけられた者や、けがや病気で足手まといになった者が、上官や仲間によって殺されたこと…。


  70年以上前のつらい記憶を語る言葉に、米軍が撮影した沖縄の少年兵の無残な遺体写真が重なる。これが、民間人を含め約20万人が死亡した沖縄戦の悲惨な実態の一部なのだ。


  「軍隊が自国民を殺し、やがて住民が住民を死に追いやっていく沖縄戦の末路、それは軍が住民を作戦に利用した果てに起きた」。三上は語る。


  16歳で護郷隊に入隊し、戦後30年以上も心の傷に苦しんできた男性(撮影時89歳)はこう訴える。「沖縄戦の歴史を忘れないでくださいね。忘れたら、また地獄が来ますよ」。沖縄県の南西諸島で急速にミサイル配備が進む今、その言葉が重く響いてくる。


  (共同通信編集委員・立花珠樹)


 2018年。監督=三上智恵大矢英代
     撮影=平田守。
     編集=鈴尾啓太。
     音楽=勝井祐二
    
  キネマ旬報文化映画ベスト・テン1位。DVDが紀伊国屋書店から販売中。114分。カラー。


『乳房よ永遠なれ』田中絹代 監督でも才能
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  生涯で約260本もの映画に出演し、日本映画史に大きな足跡を残した名優、田中絹代は、監督としても6本の作品を残している。


  「乳房よ永遠なれ」は、その3本目。乳がんのため31歳で亡くなった歌人、中城ふみこの実話に基づく物語だ。脚本は、成瀬巳喜男監督「めし」などで知られる田中澄江。主人公の苦悩と情熱に寄り添うような、田中絹代監督の丁寧な演出が印象的だ。


  札幌近郊で2人の子供と暮らす下城ふみ子(月丘夢路)は、冷え切った夫との関係を紛ラわすように、短歌に打ち込んでいる。夫の浮気が原因で離婚。息子は夫の元に引き取られ、娘を連れて実家に戻る。


  短歌を続けるふみ子の心の支えは、学校時代の友人きぬ子(杉葉子)の夫で、歌人の堀卓(森雅之)の存在だ。弟(大坂志郎)の結婚式当日、身の置き場がないふみ子は、堀の家を訪れ、秘めてきた思いを告白する。


  だが、その後間もなく、持病があった堀は急死。さらに、ふみ子は、乳がんと診断され、乳房を切除する手術を受ける。


  ここまで約45分。テンポがいい。さまざまなエピソードを通じ、ふみ子の激しい性格が伝わっていくる。後半は、ふみ子の短歌が歌壇で注目され、東京の新聞記者の大月(葉山良二)が、入院中のふみ子を訪ねてくる話が柱となる。


  多彩な映像に感心する。病院に横たわるふみ子の手鏡など小道具を効果的に使い、ラブシーンでは、細かいカット割りで、限られた命の炎を燃やすふみ子の姿を情感豊かに表現した。


  田中の監督作品は、出演作に比べ注目されてこなかったが、2021年のカンヌ国際映画祭クラシック部門で、2作目の「月は上りぬ」が上映され、世界的に脚光を浴びるようになった。


  今年2月、「乳房よ永遠なれ」と「月は上りぬ」の4Kデジタル復元版ブルーレイが発売されたのを機に視聴。俳優の余技とは全く言えないレベルの高さに驚いた。女性であり、自らも演技者であったことが、「乳房よ―」の月丘の迫真の演技をはじめ、女性たちのさまざまな顔を引き出す力になっている。


  (共同通信編集委員・立花珠樹)


 1953年。監督=田中絹代
     出演=月丘夢路
        森雅之
        葉山良二、
        杉葉子ほか。
  4Kデジタル復元版のブルーレイが日活から販売中。110分。カラー。


風の中の子供…児童映画の不朽の名作
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  清水宏監督(1903~66年)は戦前から活躍し、小津安二郎溝口健二と並び称された名匠だが、長い間、忘れられていた時期があった。生誕100年を機に始まった再評価の流れの中で初めて見て、ユーモアにあふれ、伸びやかで、詩情豊かな作品に魅了された。


  「風の中の子供」(37年)は、清水が得意とした児童映画の代表作。子どもたちが自然で生き生きとしていて、見終わった時、爽やかな気分になる。同じ年で親友だった小津のサイレント時代の名作「大人の見る繪本えほん 生まれてはみたけれど」(32年)に匹敵する素晴らしい作品だ。


  主人公は、小学5年生の善太(葉山正雄)と1年生の三平(爆弾小僧)の兄弟。勉強がよくできて、しっかり者の兄と、成績が悪く、やんちゃな弟。しょっちゅう兄弟げんかをしているが、実は大の仲良しだ。


  あの日、父親(河村黎吉)が、会社で不正をしたと疑いをかけられ、警察に逮捕される。困った母親(吉川満子)は、三平を親戚の家に預け、善太を連れて住み込みで働こうとするが…。


  見せ方が巧みで、笑いを誘う。例えば、母親から部屋で勉強するように命じられた三平が、脱出する場面。画面が切り替わると、無人の机が映り、三平がターザンのまねをして「アーアーアー」と叫ぶ声が、屋外から聞こえてくる。


  三平が善太の「実況放送」に合わせて、五輪の水泳選手になりきり、ふとんの上で泳ぐ場面や、たらいに乗って川を下る場面も印象的だ。屋外を集団で走り回る子どもたちの姿は、少子高齢社会の今では懐かしい風景になった。


  公開は37年11月。7月に盧溝橋事件が起き、日中は全面戦争状態に突入した。映画には戦争は出てこないが、幼い兄弟が感じる漠たる不安は、時代の雰囲気を反映しているのだろうか。疑いが晴れて家族の元に戻ってきた父親に抱き付き、うれし泣きした兄弟の幸せを長続きしたのか。それが気になる。


  (共同通信編集委員・立花珠樹)


 1937年。監督=清水宏
     出演=河村黎吉、
        吉川満子、
        葉山正雄、
        爆弾小僧ほか。
  キネマ旬報ベスト・テン4位。DVDが松竹から販売中。86分。モノクロ。


 ◇


いかがでしょうか。


※多数に観られるのでしたら、こちらをお薦めします。


私は映画が好きなもので始めました。
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