§::万華鏡∞日記::§

「定期記事」で①きょうの運勢②首相日録③きょうの言葉④DMMFX要人発言が主です。その他「映画」「音楽」「書籍」の紹介文や、雑記もあります。

【映画】2023年1月の「もっと知りたい日本映画 名作から話題作まで」の紹介します!?河北新報夕刊のまとめ。。(´・ω・`)


こんにちは、ハクです。


毎週「河北新報夕刊」から
様々な良い映画を毎週で紹介されています、と
私は毎月まとめて、こちらに載させて頂こうと思いました。
"紹介文"も、いい参考文です。あ~読みたい。


( ´,_ゝ`)プッ



それでは、映画の紹介について、
文は「河北新報」文を引用いたします。ご了承ください。


では、ご覧くださいませ。死角に、ご注意を。


 ◇


『エルネスト』…革命戦士の数奇な運命

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  阪本順治監督「エルネスト」はキューバ革命の英雄エルネスト・チェ・ゲバラの下で戦い、25歳で死去した実在の日系ボリビア人の伝記映画だ。
  半径数㍍の日常を描く日本映画が多い中で、半世紀以上も前の革命戦士の物語に挑んだのが、阪本の志だろう。主演のオダギリジョーがその思いに応えて、全てスペイン語のせりふで、実年齢より15歳以上も若い青年の役を熱く演じている。
  1962年4月、革命から3年後のキューバ。25人のボリビアの若者が、ハバナ大で医学を学ぶため留学してきた。20歳の日系2世、フレディ前村(オダギリ)もその1人。医師になり貧しい人々を救うのが夢だった。
  10月に入り、フレディが授業を受け始めた途端に「キューバ危機」が起きる。ソ連キューバに核ミサイルを搬入したことから、米国が会場封鎖、核戦争一歩手前の状況になった。フレディも軍事訓練に参加するが、危機は2週間足らずで収束。復学して勉学に励む。
  だが64年にボリビアで軍のクーデターが勃発。フレディは、ゲバラ(ホワン・ミゲル・バレロ・アコスタ)が率いるゲリラ部隊に加わり、母国の軍事政権と闘う道を選ぶ。戦士としての名前は、ゲバラから授けられたエルネスト・メディコ(ゲバラの本名と医師を意味する言葉から)だった。
  フレディのことを知った阪本が親族の著者などで研究。数年がかりで脚本を書き、日本・キューバ合作で映画化した。
  59年に来日したゲバラが広島で原爆ドームなどを訪れた、あまり知られていない史実を導入部に置いたことが、「なぜ、この映画を撮るのか」という問いに対する阪本の答えだったのだろう。
  正義感が強く誠実なフレディを、オダギリが爽やかに表現している。ハバナでの学生生活や淡い恋の部分には、明治や大正時代の青春を描いた日本映画のような懐かしさがあった。
  「僕の人生は小さな石ころさ」。孤独なフレディがつぶやく言葉が胸に残る。革命や戦士という言葉を美化するつもりはないが、彼はこう生きるしかなかったと思わせる力を、この映画は持っている。国境を越えた普遍的な青春映画だ。
  (共同通信編集委員・立花珠樹)

 2017年。監督=阪本順治
     出演=オダギリジョー
        永山絢斗
        ホワン・ミゲル・バレロ・アコスタほか。
 DVD、ブルーレイがTCエンタテインメントから販売中。124分。カラー。


『岸辺の旅』…生と死混在の世界巡る

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  年を取って、近しい人たちの死を見送る機会が増えたせいだろうか。死は、若い頃にイメージしていたような生と対立するものではなく、生と地続きの所にある、と感じるようになってきた。
  湯本香樹実の小説を基に、妻と死んだ夫との描く黒沢清監督「岸辺の旅」は、まさにそのような生と死が混在した世界を映像化している。突き抜けた明るさとユーモアがある優れた作品だ。
  藪内瑞希(深津絵里)の夫、優介(浅野忠信)は3年前、突然姿を消してしまった。
  子どもにピアノを教えている瑞希が、ある日自宅で優介の好物だった白玉団子を作ると、突然彼が現れる。足もあり外見は3年前と全く変わらない夫は「俺は海で死んだよ」と話す。そして「一緒に旅に来ないか」と、妻を誘う。2人は、優介が過去に世話になった人々を訪ねる旅を始める。
  ごく自然に観客を物語に引き込むうまさに感心する。優介が白玉をおいしそうに食べながら「体はとっくにカニに食われて無くなっている」としゃべる場面は、おかしくて吹き出してしまった。
  旅に出た2人は、新聞販売店を経営する島影さん(小松政夫)や、中華料理店を営む神内夫婦(千葉哲也村岡希美)を訪ねていく。島影さんは実は死んでいるのだが、そのことに気づかず、新聞を配達し続けている。
  2020年に死去した小松が、いい味を出しており、「雨月物語」や「アッシャー家の崩壊」を想起させるような映像もインパクトがある。
  見せ場は、夫婦がけんかして優介が消えてしまった後、優介の愛人、松崎朋子(蒼井優)を瑞希が1人で訪ねるところだ。瑞希と朋子が笑顔のまま、言葉で"殴り合う"拍力はすごい。短いが、2人の意地がぶつかる名場面だ。
  瑞希はその後、白玉を作って、消えた優介を再び呼び戻し、2人は旅を続ける。最後のエピソードは、登場人物も多く、人間の業について考えさせる重い問いを含んでいる。ところで、死者は何のために、生者に会いに来たのだろうか。瑞希と優介はずっと一緒にいることができるのだろうか?答えはあなたが見つけてほしい。
  (共同通信編集委員・立花珠樹)

 2015年。監督=黒沢清
     出演=深津絵里
        浅野忠信
        小松政夫
        蒼井優ほか。
 キネマ旬報ベスト・テン5位。
 DVD、ブルーレイがポニーキャニオンから販売中。128分。カラー。

『さよなら歌舞伎町』…秘密やうそ 丸ごと肯定

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  広木隆一監督「さよなら歌舞伎町」(2015年)は、東京・新宿のラブホテルの一日を通して、さまざまな人間模様を描いた作品だ。
  映画や演劇、小説の世界で「グランド・ホテル形式」と呼ばれる伝統的な手法。広木と脚本・荒井晴彦の名コンビが、手だれの技を軽やかに披露している。夢の吹きだまりのような街と、そこに集まる人々の欲望を、丸ごと肯定しよう。作り手のそんな気持ちが伝わってくる温かい作品だ。
  徹(染谷将太)は新宿・歌舞伎町にあるラブホテル「ホテル・アトラス」の店長。同居している音楽家志望の沙耶(前田敦子)には、お台場の一流ホテルで働いているとうそをついている。
  ヘナ(イ・ウンウ)は母国の韓国でブティックを開く資金をためるために、デリバリーヘルス(派遣型風俗店)で働いている。ビザが切れ日本に不法滞在しているヘナは、帰国を決め、恋人チョンス(ロイ)に告げる。
  里美(南果歩)はホテル・アトラスの従業員。アパートの部屋に康夫(松重豊)をかくまい、ひっそりと暮らしている。2人は事件を起こして指名手配中で、時効まであと1日なのだ。
  物語はこの3組のカップルを軸に、家族に内緒でアダルトビデオ(AV)に出演している徹の妹、美優(樋井明日香)や、風俗のスカウト(忍成修吾)と家出少女(我妻三輪子)などのエピソードを交えて進んでいく。
  NHK大河ドラマ麒麟がくる」の織田信長役などエキセントリックなイメージが強い染谷が、普通の悩める若者を演じ、逃亡を続ける里美訳の南が、助演女優賞を贈呈したいほど素晴らしい。
  徹と美優の兄妹は塩釜市出身という設定。彼らが性産業で働き始めたきっかけは、東日本大震災だった。福島県出身の広木監督は、この映画でさらりと触れたテーマを発展させ、2年後「彼女の人生は間違いじゃない」に結実させた。
  舞台のホテル・アトラスは歌舞伎町に実在するラブホテル。刺激的な言葉が飛び交い、裸体や性的な場面も多いが、観終わった後は前向きな気持ちになる。秘密やうそを抱えた人々が新しい人生に旅立つ姿に、励まされるからだろう。
  (共同通信編集委員・立花珠樹)

 2015年。監督=広木隆一(郡山市出身)。
     出演=染谷将太
        前田敦子ほか。
 DVD、ブルーレイがハピネット・メディアマーケティングから販売中。135分。カラー。


『映画クレヨンしんちゃん(2001年)』…未来はオラたちの力で

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  落ち込んで何もする気がしない日に、原恵一監督「映画クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」を見て、笑ってウルっときて、元気になった。子ども向けアニメの枠を超えて、大人の感情に訴え、涙腺を刺激する作品だ。
  ある日、野原しんのすけ(声・矢島昌子)一家が暮らす埼玉県春日部市の田んぼのど真ん中に、20世紀博という巨大テーマパークが出現する。
  会場には、1970年の大阪万博会場を再現したセットで、入園者がヒーローになって活躍できる体験コーナーなど、昭和を感じさせるアトラクションが勢ぞろい。大人たちは懐かしさに夢中になり、子どもを放って通い詰めている。
  20世紀博の主催者は、マッシュルームカットのケンと、長い髪でミニスカートのチャコ(声・津嘉山正種小林愛)の2人。彼らは、21世紀の醜い日本に絶望し、黄金の20世紀をよみがえらせる計画を進めようとしている。会場内にひそかに作った「夕日町銀座商店街」は、コンビニやファミレスがない「あの頃」が再現されている。
  やがて、ケンらは春日部の住民を20世紀博に移し、計画を実行しようとする。取り残されたしんちゃん、ボーちゃん(声・真柴摩利)、犬のシロ(声・同)らはスーパー「サトーココノカドー」に立てこもり、計画に逆らう。
  定番ギャグや約束事をきちんと踏まえつつ、盛りだくさんで充実した内容だ。幼稚園バスのカーアクションや鉄塔上のハラハラする場面は迫力満点だし、父親ひろし(声・藤原啓治)の成長物語は、昭和のサラリーマンの奮闘記そのものだ。
  ところで、しんちゃんはケンらの計画に対して、なぜ戦うのか?しんちゃんはチャコに言う。「オラ大人になりたいから。大人になって、おねいさんみたいなきれいなおねいさんと、いっぱいお付き合いしたいから」
  過去を美化し、時代を逆戻りさせようとする企ての愚かさを、笑いに包んでたたきのめしたせりふに拍手した。まさに、映画クレヨンしんちゃんシリーズの珠玉の一作だ。大人の勝手な考えで、子どもの未来を奪ってはならない。
  (共同通信編集委員・立花珠樹)

 2001年。監督=原恵一
   声の出演=矢島昌子、
        ならはしみき
        藤原啓治
        こおろぎさとみ、ほか。
 DVDがバンダイナムコフィルムワークスから販売中。90分。カラー。


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私は映画が好きなもので始めました。
これは月末の特集で、これから毎日ぐらい、映画を紹介するようになりました。どうぞ宜しくお願い致します。では、失礼しました。


(´・ω・`)
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