§::万華鏡∞日記::§

「定期記事」で①きょうの運勢②首相日録③きょうの言葉④DMMFX要人発言が主です。その他「映画」「音楽」「書籍」の紹介文や、雑記もあります。

【書籍】話題の本をピックアップ!ぜひ、ご紹介します!?/2022.11.28。(´・ω・`)


こんにちは、ハクです。


試しに、日曜日にあります、書籍紹介の新聞2版があります。
あまりにも多いのですが書籍を「評」する紹介文がありまして、よく読んでみています。
参考には良いと思い、出してみました。

このように記入すると時間がかかり、6冊しかできませんでした。すみません。
どうぞ、ぽちっと「折りたたみメニュー」をお願いたします。


 ◇


【著者とひととき】
『世界は五反田から始まった』…自分で考えて生き残れ
    星野 博美さんさん


★★★★[ 紹介文はこちら ]★★

  東京・五反田で町工場を興した亡き祖父の手記をたどり、焼け野原になった故郷と庶民にとっての戦争を描いたノンフィクション作家の星野博美さん。「戦争はある日、突然始まる。自分の頭で考え、したたかに生き残れという祖父のメッセージ井を受け取った」と、著者に込めたものを振り返る。

  実家は、五反田にほど近い戸越銀座の町工場「星野製作所」。両親は仕事が忙しく、祖父母の部屋で年子の姉と過ごした。「病気の祖父の死期が近いと、私だけ知らなかった」。8歳の星野さんにとって、祖父の死の衝撃は大きかった。

  千葉の漁師町から13歳で上京した祖父。第1次世界大戦の好景気で、五反田は一大工業地帯に変貌しつつあった。亡くなる直前までつづられた手記は、実家の工場が軍需産業の末端に組み込まれていく経過も伝えていた。

  「祖父がたまたま選んだ町が私の故郷になった。そして、五反田から見えた世界を書くことにした」。コロナ下に地元を歩いて資料を読み、プロレタリア作家の小林多喜二や、満蒙開拓団で大陸に渡った商店街の住民らの姿も丹念に描き出す。

  一帯が焼け、品川区内で252人が犠牲になった城南大空襲では、その約2カ月前に10万人超が亡くなった東京大空襲の2倍の焼夷弾が落とされた事実に行き当たる。「どう助かったのかを知りたかった。それが戦争を語り継ぐ意味だから」。市民の記録から必死に生きようとした人々の姿が浮かんだ。

  「ここが焼け野原になったら、直ちに戻り、敷地に杭を打て」との祖父の警句も耳に残った。「どう生き残るかには言及しないが、残りの顔色を見ず、自分で考えて動けということ」と、その意味を推し量る。

  タワーマンションが増え、かつての下町も姿を変えつつある五反田。その地に構える出版社から本を出せたのがうれしかった。「小さな出版社での作業が町工場のようで」。在りし日の、工場の音が聞こえてきそうだ。


(「世界は五反田から始まった」はゲンロン刊・1980円)


【読 書】
『しろがねの葉』…理不尽に抗する力強さ
千早 茜(ちはや・あかね)
1979年北海道生まれ。作家。2008年「魚神」で小説すばる新人賞を受けデビュー。「あとかた」で島清恋愛文学賞


★★★★紹介文はこちらです★★

 評・吉田 伸子(書評家)


  戦国時代末期から徳川の代にかけて、銀山の町で生きたウメ。彼女の人生をたどりながら、自分をとりまく世界の"理不尽"に、彼女がどうやって向き合っていったのかを丹精な筆致で描き上げたのが本書だ。

  貧しい農村から夜逃げした両親と山中ではぐれたウメは、「死にたくない」一心で、母が言った「日の沈む方」を必死に目指す。やがて、力尽き、銀山の間歩(まぶ・坑道)で倒れていたウメを見つけたのは、腕利きの山師・喜兵衛だった。

  喜兵衛から銀の鉱脈や山での知識を教わりながら、野生児のように伸びやかに育つウメ。周りから鬼娘と呼ばれても、下働きの「手子(てご)」として間歩で役に立つことは誇らしかった。だが、長じて初潮を迎えたウメは「穢れ」と扱われ、間歩への出入りを禁じられてしまう。

  男女の性差という理不尽に歯がみするウメだったが、成長とともに、さらなる理不尽が浮かび上がっている。それは、銀山の町に生きる人々を覆うものでもあった。

  銀山で生きる男たちは、幼い頃から間歩で働くのが当り前で、鉱毒でじわじわと身体をむしばまれている。短命は、彼らにとって、避けられない運命である。

  その男に添う女たちは、夫が死んだら次の男へと嫁す。男たちにとって、命を削る「銀堀(かねほり)」が仕事なら、間歩で働けない女たちの仕事は、一人でも多くの働き手=男児を生むことだからだ。

  けれど、そんな現実を前に、ウメは一人の女として、男たちを愛し、彼らの生を見届け、銀山の町で生きていく。

  敬愛する喜兵衛への、断ちがたい思い。最初の夫、2番目の夫への愛。いとしい者たちがみな彼岸に去った後もなお、生きて、生きて、生き抜くウメ。その姿が、読んでいて、力強く胸に響いてくる。生きる、そして愛する、という意志こそが、理不尽に対する彼女の抵抗なのだ。

  間歩の中でひっそりと光る銀のような、強さと輝きを放つ書物である。

 (新潮社・1870円)


【読 書】
『掌に眠る舞台』…虚実の境 広がる小宇宙
小川 洋子(おがわ・ようこ)
1962年岡山市生まれ。91年「妊娠カレンダー」で芥川賞、2004年「博士の愛した数式」で読売文学賞本屋大賞受賞。


★★★★紹介文はこちらです★★

 評・河内 厚郎(文芸評論家)


  舞台にまつわる美しくも恐ろしい物語の数々を収めた短編集。作者は舞台芸術に親しんでいるようだ。

  女優の卵だった「私」の伯母さんの食器の底には、テネシー・ウィリアムズの「ガラスの動物園」のせりふが。「僕」がストラヴィンスキーの「春の祭典」のファゴットを聴いていると、子供の頃に大きな犬が引いてやってい来た「馬車の本屋」の思い出がよみがえる。

  妖精と若者の悲恋を描いたバレエに心引かれる少女は「ラ・シルフィードさま」宛ての手紙を書く。それを知った縫製工場に勤める「縫い子さん」は、妖精に成り代わって返事を書く。

  「レ・ミゼラブル」全公演に通い詰める女性は、劇場に暮らすという謎めいた女と出会う。あるいは、金持ちの老人が建てた小さな劇場で、装飾用の役者として生活する女の話…。

  「花柄さん」「室長」「いえにえを運ぶ犬」「無限ヤモリ」。小川作品に登場する人物や動物の多くは名前が付けられていない。舞台という華やかな空間の周辺にいて、家族や友人を持たぬ者が、架空のロマンを作り出していく。

  「もの言わぬまま生涯を終えた」生き物たちの、声なき声を、作者は受け止めようとする。日常と虚構の教会を題材にした物語の中に、人間の残酷さも見え隠れする。

  子どもと大人、日常と非日常、過去と未来が互いに行き来し、そこには奥深いミクロコスモスが広がっている。

  帝国劇場(東京)をはじめ、ざ・シンフォニーホール(大阪)や兵庫県立芸術文化センターらしい劇場が登場する。「ミュージカルもバレエも、日常的な言葉とは違う次元のやりとりがある。歌声や肉体など言語を超えているから面白い」と言う作者に、評者は何度か会った。いたって穏やかな女性であった。今も繰り返し読むという「アンネの日記」やナチス強制収容所の記録「夜と霧」に、永遠の時間を待ち続けることの秘儀を見る思いだ。

 (集英社・1815円)


【読 書】
『入管問題とは何か』…尊厳奪われる人々の姿
鈴木江理子、児玉晃一(すずき・えりこ、こだま・こういち) 編著
鈴木江理子/国士館大教授。NPO法人「移住者と連帯する全国ネットワーク」共同代表理事。◆児玉晃一/弁護士。「ハマースミスの誓い」代表。入管問調査会代表。


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 評・あさのあつこ(作 家)


  凶弾に倒れた元首相の国葬決定を国民に伝える際、現首相は暴力に屈することなく、民主主義を守り抜くためという趣旨の発言をされた。そう記憶している。

  このところ、とみに記憶力の減退を感じる身ではあるが、発言内容とそう大きく外れてはいないだろう。というのも、現首相が断固とした口調(わたしにはそう感じられた)で、民主主義を守ると表明したことに、少しばかり心を揺さぶられたからだ。政治家の言葉に感動するなど、何年も絶えてなかった。

  難しい理論はわからないが、民主主義とはその基軸に"人"を据えるものだと思う。人が人らしく生きられる社会を実現していく、その手だてとなるものだとも思う。人がないがしろにされている感覚を政治にずっと抱いてきた者とすれば、現首相の発言は心を打つものだった。

  甘かった。後の現実のどたばたもさることながら、本書に出合い、日本で過去に難があったのか、今現在、何が起こっているのかを多少なりとも知った時、自分の甘さに歯がみするしかなかった。わか母国の、民主主義とはかけ離れた実態が、本書にはつづられている。

  とても具体的につづられているのだ。

  入管収容施設の説明や成り立ち、そこで起こった、そして今起きつつある出来事、人としての尊厳を奪われ命さえ脅かされる人たちの姿、支援者の努力と苦悩…。抽象論はほとんどない。感情論もイデオロギー論もない。

  わたしたちが難民とひとくくりにしてしまう人たちには、一人ひとりの想いがあり、歴史があり、命がある。だから、国籍にかかわらず人として尊重され、遇されねばならない。そんな当然のことができていない現実をあぶり出す。

  入管施設でなぜ収容者が死んでいくのか。施設の外でも難民認定を受けられずおびえて生きねばならないのか。政治や社会だけでなく、わたしたちの内に潜む差別や冷酷さの問題だと思い知らされる。

 (明石書店・2640円)


【読 書】
『日朝交渉30年史』…国交正常化運動の敗北
和田 春樹(わだ・はるき)
1938年大阪市生まれ。歴史学者。東京大名誉教授。専門はロシア・ソ連史、現代朝鮮研究。著者に「ニコライ・ラッセル」など。


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 評・岡本 厚(岩波書店前社長)


  今年は小泉純一郎元首相が北朝鮮を訪れ、「日朝平壌宣言」を発表してから20年である。そのとき約束された国境正常化はならず、交渉は断絶したままだ。最後に残った「戦後処理」として、これは異様な事態といえる。

  一方、小泉訪朝で事実が明らかになった日本人拉致は、女子中学生が被害にあったということもあって、日本の多くの人びとに北朝鮮への憤激と被害者や被害者家族への深い同情を呼び起こした。その衝撃は日本社会を変え、いまも底流で揺り動かしている。

  しかし、この20年(金丸信元副総理訪朝から数えると約30年)、何が起き、誰が何をしていたのかを知る人は少ない。

  本書の著者和田春樹は、国交正常化を進めることが植民地支配清算のために必要であり、日本国民にとって取り組むべき課題だと考え、民間で運動し続けてきた日朝国交促進国民協会の事務局長である。その立場から、和田は20年を期して日朝国交交渉検証会議を組織し、政府関係者、政治家、ジャーナリストらに話を聞いてきた(私も途中から参加した)。この検証会議で、これまで知られてこなかった事実が数多く明らかになった。

  本書は会議での証言などを一部取り入れながら、30年の交渉史をまとめたものである。それは、国交正常化を進めようとする側とそれに反対し、止めようとする側の激しい論争史、政治闘争史としても描かれる。最大の反対勢力として登場したのは安倍晋三という政治家であり、安倍政権であった。「安倍拉致三原則」が国交正常化を阻み、交渉そのものを座礁させてしあった。

  和田は、協会の運動は敗北し日本政府も失敗したという。たしかに現状を見れば、その通りだ。しかしこの問題が国民的な課題である以上、敗北は敗北のままで終わることはできない。外交も結局、決めていくのが国民だとすれば、和田の意思を継いだ次の国民運動が準備されなければならないと思う。

 (ちくま新書・968円)


【読 書】
『家事は大変って気づきましたか?』…男性諸氏にこそ刺激的
阿古 真理(あこ・まり)
1968年兵庫県生まれ。作家、生活史研究家。食のトレンドと生活史、ジェンダーなどのジャンルで執筆。


★★★★紹介文はこちらです★★

 評・野崎 歓(放送大教授)


  コロナ禍による巣ごもりの日々、家庭内に低気圧が垂れ込めてきた。これはどうやら、自分が家事に貢献していないせいかもしれない。男性諸氏にいはリモートワークに励みつつ、そう実感した向きも多いのでないか。

  そんなみなさんにとってこそ刺激的な面白さに満ちた本だ。自分の立場が突き崩されるスリル、認識が書き換えられる興奮を味わわせてくれる。

  とにかくわか身を省みないわけにはいかない。夫が日常的に行っている家事の1位はゴミ出し、2位は風呂掃除、3位が食器洗い、5位が買い物。本書で紹介されている2018年の調査結果だ。

  自分は普段から家事シェアを心がけている。そう思っている夫たちが実践している事柄は、結局これら4項目に収まるのではないか(評者の場合、まさにそう)。

  いずれもさほど手間を取られずにアリバイ作りができる仕事ばかり。4位の「どれもしていない」という潔すぎる人々と、実のところ大差はない。

  そんな事態がどうしてこれほど一般化しているのか。著者は歴史的な経緯を掘り起こし「性別役割分担が機能していた期間は、実は20年ほどでしかない」ことを明らかにする。蒙を啓かれる。

  女性にとっては大いに励ましとなる指摘や提言がちりばめられている。家事を苦しく思ってしまうのも当然で、「愛情イデオロギー」で縛る社会のほうが間違っている。コロナの災いを福に転じて、男を従来の働き方から解放し、もっと「暮らしを大切に」できる世の中にしなければ。

  課題は山積だが、著者の見方は若い男女には共有されつつあるのではないか。そうでなければ日本社会の停滞は変わらない。ふとわが家にいる若者のことを思い出す。もう一人前のはずが例の4項目さえクリアできていない。対策が急がれる。

  お金の話からケアまで網羅的に論じた力作だが、書きぶりは平明かつ穏やかで親しみやすい。新時代を考えるための確かな指針がここにある。

 (亜紀書房・1980円)


 ◇


今回もどれも読みたいと思います。その書籍の紹介文はなるほど、読みたくなるのはすごいものです。これもアフィリエイトのための文章力(ライター?)の参考のために読み続けます。では、失礼しました。


(´・ω・`)
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