【映画】★【 Evening Cafe 】★「追想この一作」映画記者のつぶやき!?シネマ『第三の男』1949年。。(´・ω・`)
こんにちは、ハクです。
毎週「河北新報夕刊」より、
毎週の話題の映画をご紹介されて言います。
今回は「追想 この一作 映画記者のつぶやき」といいます、
「新聞記者」だった方が、昔に観た映画を添えて、"紹介文"を戴くようです。
引用いたしますが、ご了承ください。
では、ご覧くださいませ。いい午後を過ごして。
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『第三の男』
光と影で想像力を刺激
昨年12月26日、石巻テアトル東宝支配人だった稲井峯弥さんが逝去した。生前、生涯のベストワンに挙げたのが「第三の男」(1949年)だった。葬儀場にはチターが奏でる主題曲が流れた。私の脳裏に、暗闇に浮かんだオーソン・ウェルズの不敵な笑みがよみがえった。
私が初めて映画館で見たのは1976年6月。千葉の大学に入った年で、場所はテアトル新宿だった。
1976年、再公開時の「第三の男」パンフレット表紙(左)。右はポスターのデザイン(「野口久光シネマ・グラフィックス」から)
第2次世界大戦後のウィーンの街を舞台にしたミステリーで、モノクロの映像に引き込まれた。光と影が交錯すると、そこに緊迫感あるドラマが生まれた。アントン・カラスが弾くチターの音色がかぶせるサスペンスが高まった。
事件の鍵を握るのが第三の男。現れ方が真打登場といったふうで劇的だった。真夜中、建物の壁に潜む1人の男。靴先以外、暗闇に包まれている。次の瞬間、向かい側の窓が開け放され、漏れた光が男の顔をおサッと照らした。ウェルズ演じる第三の男ハリー・ライムが立っていた。息をのんだ。これほど鮮やかな登場は見たことがなかった。光と影の演出で観客の想像力を刺激し、膨らませた。
親友との友情より社会主義を選んだマーチンス、裏切るよりも愛を貫いたアンナ。これはハリーを巡る男女の不条理な心理ミステリー劇でもあった。
その後も見る機会があったが、稲井さんの150回にはかなわない。今頃、ウェルズと「第三の男」談義をしているかもしれない。
(元三陸河北新報社記者・久野義久さん)
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いかがでしょうか。
いつも昔の映画ですが、DVD販売があるそうで助かります。
次回も宜しくお願いします。
それでは、失礼しました。